自分に厳しく 〜 渡辺崋山
崋山は、父がいなくなってから、ちちお後を継いで、だんだんと重要な仕事を任せられるようになりました。
崋山は、非常に規律正しく生活をする人でした。重要な仕事に任じられて、どれだけ忙しくなっても、家にいるときは、時間割を作って、朝・昼・晩、それぞれの時刻に割りあてた仕事を、その通りに行いました。
時間割は、以下のようなものでした。
1、午前4時から午前6時まで、これまで読んだ本の復習をすること。また、その日にすべきことを考えること。
1、午前6時から午前8時まで、本を読むこと。あるいは子供達に教えること。
1、午前8時から午前10時まで 前の続き。あるいは、刀の稽古。
1、午前10時から正午(12時)まで、人から頼まれた絵を描くこと。
1、正午から午後2時まで、前の続き、あるいは、殿様や親に使えることや、お客に会うこと。
1、午後2時から午後4時まで、前の続き。
1、午後4時から午後6時まで、昔の名高い絵を手本にして、一心に習うこと。
1、午後6時から午後8時まで、読みたい本を読んだり、書き抜いたり、または文章を書いたりすること。
このように崋山は、毎日のやることを決めて、規律正しくそれを実行したので、絵がたいそう上手になって、人々にもてはやされただけでなく、
学問も進んで、世間のためになったので、立派な人として敬われることになりました。
(参考図書:尋常小学校 4年生 「修身書」 昭和12年)