親自身が経験した事柄であれば、自分の経験談を話した上で「大変だろうけど、こういうふうに改善してみたら」とアドバイスするのはいい。子供は、親の経験からのアドバイスであれば説得力もあり、素直に聞く耳を持つでしょう。
しかし、子供が「もうこれ以上精神的に耐えることができない」と赤信号を送っているのに、親が否定してしまうと、子供は絶望的に感じてしまうのです。もしかしたら、鬱状態になってしまうかもしれない。あるいは、自暴自棄になり、父親を金属バットで殺したり、無差別に他人を殺傷するような犯罪に走ってしまうかもしれない。
父親を金属バットで殺した人や無差別殺人を犯した人は、自分の苦しみをわかってくれるような人が回りにいなかった事が、原因のひとつです。犯罪を犯した後、なぜ、そんなことをしたのか本人自身もよくわからない、という事情聴取のコメントを聞きました。殺人を犯した動機がないのです。常識で考えれば、恨みや金目当てなどといった動機が思い浮かびます。だが、この金属バット殺人や無差別殺人の場合、その動機がないのです。そして、本人もなぜそんなことをしでかしたのかよく理解できない、という。
一体、何が犯人の心に働いて、そのような犯行を犯してしまったのでしょうか? 何かに取りつかれたのでしょうか?
それは、自己否定されてしまった人間、だれからも理解されることがなかった人間の、潜在意識の中に原因があります。子供の頃に情緒を安定する事を抑制されてしまった「しこり」が、潜在意識にあったからです。
情緒を安定する事とは「泣くこと」です。赤ん坊や小学校低学年までの子供は、母親から叱られたりしたときよく泣く。また、淋しい感情になったり、不安な感情になっても「ママ」と泣く。赤ん坊は泣くのが仕事といったようによく泣く。これは、まだ情緒を安定させる機能が十分に発達していないためです。小学高学年くらいになると、この情緒を安定させる機能が発達してきて、母親や先生から叱られたり、淋しい感情になってもその都度「泣くこと」はなくなってくる。この情緒が十分に発達していない時期は「泣くこと」で、情緒を安定させているのです。
ときどき母親が、泣いている子供に対して「泣くのはやめなさい」と怒鳴っている光景をみかけます。「泣くこと」は情緒を安定させるための重要な行為なのです。
この情緒を安定させる行為を、子供のころに抑制されて育つとどうなってしまうのでしょうか?大人になってちょっとしたことで情緒が不安定になってしまうような人間になります。
自分は、両親に義理の母親との同居生活について相談したことがありました。「これ以上、義理の母との同居は精神的に無理」と。この息子の赤信号に対して親はこのように言いました。
「我慢しなさい。」「子供がかわいそうだから我慢しなさい。」また、「子供のために1人でアパート借りて別居しなさい」と。
自分の両親は義理の親との同居経験は全くありません。この時からしばらく、駅のホームで電車待ちしているとき、「いま線路に飛び込んだら楽になれる」と頭をよぎるようになりました。
では子供から相談されたとき、親はどのように対応したらいいのでしょうか?
親が経験したことがない事柄の場合、「うん、わかるわかる」とまず、相手に理解を示してあげてください。それから、「自分は経験したことがないからよくわからないけど」と前置きしてから「でもね、…」と親の意見をいうのです。そうすれば、子供は、奈落の底に突き落とされるような感じにはならずに済みます。
また、親自身が経験したことがあるような事柄であれば、その経験談を語ればいいのです。そして、実際経験しているわけだから、的確なアドバイスができるはずです。
子供の赤信号を軽くみないでください。子供が自暴自棄になって犯罪に走ってしまうことがないように、細心の注意が必要なのです。また、子供が自殺しないように、親のリアクションには注意しなければいけません。これは赤信号だなと感じたら、「うん、わかるわかる」とまず子供の気持ちを受け入れてあげてください。子供の訴えに共感してあげてください。そうすれば、いい親子関係が築けます。
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