Distance~時を超え距離を超えた二人の物語 -3ページ目

誕生日


みきの誕生日を祝うバースデイケーキを買いに行った。

鮮やかなピンクのストロベリーのケーキ。
真っ白なクリームが一面に塗られたケーキ。
チョコレート色と飾り付けが渋いケーキ。

ボクはどれを選んだらいいか迷った。

広い店内を意味もなく2周してあれこれ考えた。
そして選んだのはチョコレート。

小ぶりのケーキにロウソクを立て、
薄暗い部屋でボクはバースデイソングを静かに歌った。

「ありがとう」
「あのクラス会から30年か」
「時々、不思議に思うことがあるよ」
「そうだな」
「考えもしなかったね」
「うん」
「毎年、ずっとこうして祝えますように…」
「大丈夫さ」

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第92話〜3年ぶりのクリスマス

2月にみきが戻ってきて、今年のクリスマスは二人で過ごせた。

ひろが用意した大きなケーキとチキンのバスケット。
いい香りのするシャンパンも。

「何年ぶり?」

『そうだなあ、3年ぶりかな』

「去年は二人とも一人ぼっちで過ごしていたね」

『1年後、こうして一緒にいられるとは思わなかったな」

「うん。考えてもいなかった」

『もうこれからは毎年一緒さ』

「うん!」

みきは風邪をこじらせて咳き込んでいた。
そんなみきの肩を引き寄せキスをした。

「風邪、うつるよ」

『オマエのならもらってやるよ』

「いつも優しいね」

『オレは変わらないよ、いつまでも』


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晩夏の海へ

久しぶりに二人でいられた休日に海へ向かった。

人影がまばらな海はまだ生暖かい風が吹いていた。


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「ねえ、砂にみきちゃんらぶって書いてみて」
『ああ、いいよ』


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「きゃー!かわいい」
『そおか?』

すぐに文字は波に消えた。

「あっ、すぐに消えちゃったね」
『せっかく書いたのになあ』
「私たち、長くないのかもね」
『そうなのかもなあ』

「どうしてそう答えるのよ!」
『オマエがそう言うからだろ』

「ああ、そっか」
『そうだよ』

ひろはそう言ってみきを、後ろから抱きしめていた‥‥

痴話喧嘩

どっちかが忙しいとメールできなかったり
返信を忘れてしまったり、
ここ最近はよくあることだった。

みきは
「メールくらいくれたっていいじゃない!」
「面倒くさい女だって思ってない?」

ひろは
「言っとくが
あんまりオレを放置しといたら、
糸の切れた凧みたくどっかへ飛んで行くかもな。
そん時は悪く思うなよ」

「ゴメンゴメン忙しかったの」
「わたし、何も悪いことしてないし」
「さみしかっただけさ」

まったく、大人の会話じゃないじゃん(笑)

甘え

それくらいオレに言えよ

だって…

甘えたっていいじゃんねえか?

うん…

そのためにオレがいるんじゃねえかよ!

うん