ソウルの路地裏のぞいてみれば -91ページ目

ソウルの練習問題

僕の読書嗜好は極端に偏っている。


とにかく特定のジャンルしか読まない。


韓国と付き合い始めたころ、読むのはもちろん韓国関連書籍だった。


「韓国」と名がつけば、手当たり次第に読み漁った。


そんな僕のコレクションの中でもイチ押しがこれ。




新装版ソウルの練習問題 (集英社文庫)/関川 夏央

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若き日の作家・関川夏央さんが、韓国という "迷路”をさまよい、実相を解き明かしていく韓国ルポのバイブル。

名著である。




日本人にとってはまだまだ未知の国だった韓国に、著者は単身で飛び込んだ。


時は1981年。



バイクで38度線まで爆走したり、行きずりの女性バーテンダーに恋をしたりと、著者は徐々に "迷路”の奥深くへ分け入っていく。


時に迷い、時に後戻りしながら、韓国というジグソーパズルを組み立てていく著者。


オリンピック前の韓国社会が活写されていて、今読んでも新しい韓国入門書である。




僕も韓国について学んでいるとき、何十回読んだか分からない。


そして今読み返すと、当時の韓国が思い出されて懐かしい気持ちにもなる一冊である。


僕の持っているのは新潮文庫版だか、現在は集英社文庫で復刊している。



ああ、反省会 1991 Spring (10)

え~、先輩、行きつけの店じゃなかったんですかあ~?


え~、飛び込みで入ったんですかああ~あせる


楽しいはずのルームサロン。予期せぬ結末に唖然とする僕。




ここでちょっと解説、、、じゃなかった、、、言い訳しておこう。




僕の勤めていた会社は、お堅い会社だった。


だから海外での破廉恥な行為はご法度。(もちろん国内でもだが)


決して、女の子をホテルへ“お持ち帰り” しようなどとは考えていなかった。


ただ楽しくお話ししてお酒を飲みたかっただけ。僕の場合はそれプラス韓国語の練習もしたかっただけ。



そんなささやかな楽しみが、変な店に入ったばっかりにフイになってしまった。



先輩いわく、韓国ではこういういいかげんな店が多すぎるのだとか。

だから何でも押しの一手で強気に交渉しなければダメ。

とにかく自分の主張をこれでもか、っと通すこと。

自分で勝手に値段を決めて、押し通すこと。


それが韓国社会の“流儀”なのだそうだ。





もっとも先輩・・・あなたは完全な泉谷しげる状態でしたけど・・・




トホホな感じで、僕たちはしょぼくれた酒場に入り、長~い反省会をしたのだった。


                                        (1日目、終了~)


◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇


僕たちがルームサロンに支払った代金は13万ウォンでした。


当時のレートは100ウォン=25円。ですから、ルームサロン代は日本円で32,500円ということになります。


当時は今とは比べものにならないくらいウォン高でした。


といっても、自販機の缶コーラが400ウォン、喫茶店でコーラを頼むと800~1,000ウォンくらいでしたから、物価水準は日本と大体いっしょくらいでした。


現在のレートは100ウォン=約7円。


空前のウォン安で日本人観光客は “買い物天国”を満喫しています。


為替レートが急激にウォン安に振れ、現在のトレンドになったのが1997年の通貨危機でした。

この年、急激なウォン安が進行した韓国は、外貨準備が底を尽き、ついには IMFの管理下に入ることになります。



もし1991年当時の為替水準のままで来たなら、韓国はとんでもなく物価の高い、世界有数のリッチカントリーになっていたことでしょう。










あなたは「ルームサロン」を知っていますか 1991 Spring (9)

楽しく飲んでいた僕たち。


すると女の子二人が、「ちょっと失礼します」と言って、外に出て行った。


トイレか?


しかし5分経っても帰って来ない。




先輩:「遅いな、女の数足りてないんじゃないか?」




さらに待つこと5分、やっと女の子が帰ってきた。


しばし歓談。


そして10分後、再び「ちょっと失礼します」


またトイレか?


しかし5分経っても帰って来ない。



(以下、めんどくさいので、みなさまであと2回繰り返してください)




そう。先輩の指摘通り、女の子の数が足りていなかったのである。


だから彼女たちは他の部屋と掛け持ち。




これが本当の “花びら大回転”あせる




4回目に彼女たちが帰ってきたとき、ついに先輩がキレた。



「おまえらっ! もう来なくていい!!」


そしてやおらインターホンをつかみ、「支配人を呼べっ!!」



先輩、社内でも有名な “瞬間湯沸かし器”


暴れ出したら手がつけられない。


応対に出た支配人(らしき人)に、喰ってかかる。



(以下、原文は韓国語です。韓国語の語感を想像しながらお読みください)



「てめえ、この野郎。後輩が日本から来ているっていうのに、俺の顔丸つぶれじゃねえかっ!。もういい。こんな店二度と来るか。さっさと会計しろ。おまえらもとっとと出て行けっ!! なめんじゃねえぞこの野郎」



支配人、先輩の迫力に押され会計伝票を持ってきた。金額18万ウォン(当時で約4万5千円)



先輩またキレる。


「てめえ、ふざけるな!! なんだこの金額は? こんなカネ払えるわけないだろうがっっ」



支配人:「いやー、そんなこと言われても困りますよ。これがこの店の決まりなんですよ。私も払ってもらえないと困りますよ」


(以下、めんどくさいので「払え」「いや払えない」の押し問答をみなさまで3回繰り返してください。なお、先輩の暴れる様子は泉谷しげるをご想像ください)



すったもんだの言い合いの末、先輩ひとこと。


「よし、13万ウォン!」(当時で約3万2,500円)


一方的に値段を決めて、札をテーブルに叩きつけた。そして僕たちはドアを蹴破るようにして店を後にしたのだった。




今では役員にまで出世した先輩。若き日の武勇伝のひとこまである。






あなたは「ルームサロン」を知っていますか 1991 Spring (8)

店に入ると、ボーイに個室へ案内される。


(カラオケボックスがすご~く豪華になった感じ。みなさま想像できるでしょうか)


そしてもしあなたがキャバクラに詳しい方なら、VIPルームをチョー立派にした感じ。ご想像いただけるだろうか。


内装はビロード張り。天井にはシャンデリア。入った早々フルーツの盛り合わせが運ばれてくる。




そんな高級な部屋に通され、ワクワク、いやドキドキ、、、いや、ヒヤヒヤしながら待っていると、女の子が二人入ってきた。





ケバい。  やっぱりケバい。




当時、日本でもバブリーなワンレン・ボディコンのハデ~な女の子がいっぱいいた。


しかし韓国は日本よりももっとメークが欧米寄り。


原型をとどめないとはこのことか・・・・





僕、覚えたての韓国語でしばし歓談。先輩も先輩で自分の世界に入っている。


楽しく過ごせるかに見えた、ルームサロンの夜。




しかしこのあと、事態は思わぬ方向に進むのである。



◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇


「ルームサロン」とは、要するに日本でいうクラブ、またはキャバクラのような店ですが、個室であるという点が特徴です。


韓国ではこのテの飲み屋さんはほとんど個室になっています。



今のルームサロンは、とてもここでは書けないような過激なサービスがあるようですが、当時はまだおとなしく、ただ女の子とお酒を飲んでカラオケを歌うだけでした。


(そのあとの、夜の お・買・い・も・の は当時でもありましたが・・・)


「ルームサロン」と同じようなお店に「団欒酒店」(단란주점 タルランチュジョム)というものもあります。


ルームサロンとどう違うのか、まだ僕はよくわかっていません。




ソウルの路地裏のぞいてみれば

先日、出張した際、街で配っていたクラブのビラ。


なんて書いてあるかって・・・?


ハングルの分かるお友達に聞いてみてください。





あなたは「ルームサロン」を知っていますか 1991 Spring (7)

生まれて初めての韓国の味を堪能し、


「いやー、やっぱ韓国の肉はうまいっすね~」


とご満悦の僕。


時間はまだ8時。 先輩、やおら立ち上がり 「よし、飲みに行くぞ!!」





着いた所は北倉洞(プッチャンドン)。


ソウルのサラリーマン御用達の歓楽街である。




しばらくあたりを見回していた先輩、


「お、룸싸롱 だ。入ってみようぜ」


と、やたら豪華な門構えの店に突撃した。 しかも店は地下。




え、先輩、来たことあるんですか~~


(やばいっすよ、地下っすよ)



そんな僕にかまわず、先輩はずんずん階段を下りていく。






룸싸롱 ・・・当時すでにハングルが読めた僕。


(この看板は「ルームサロン」と読みます)





これが、う・わ・さ・の



ルームサロンドキドキ



中にはどんな世界が待っているのか・・・






先輩、僕お金ないっすよ





心の中でつぶやいて、先輩の後を追うのだった。




◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇


北倉洞(プッチャンドン)は、南大門市場から道路を渡った向い側に広がる歓楽街です。


ソウルでもっとも飲み屋が密集している地区で、さながら新宿の歌舞伎町といった感じです。


以前、お客さんを連れてロッテホテルに宿泊した際、コンシェルジュにどこかいい飲み屋さんはないか聞いたところ、やっぱりこの北倉洞を紹介されました。


ただし、日本語はまず通じません。


そしてとても高いです。


今も昔も、それだけは変わっていないようです。