季語短歌24-6-24 | ひろちん。のエスキス

ひろちん。のエスキス

廣珍堂と同じひと

  先週 X(旧Twitter)で詠んだものです。一部推敲・詠み直ししています。

 1,  = 蟻地獄(ありじごく) =

 広大な蟻地獄ならわからない地球は自転でつるつると落つ 


 2, = ふなずし =

 ふなずしの白と紅との境界で湖(うみ)の記憶は酸っぱい旨さ 


 3, = 半夏生(はんげしょう) =

 外国語、観光客は過ぎ去って閉門前に半夏生満つ 


 4, = 雨乞(あまごい) =

 コンビニの入り口横でこっそりと雨乞いをするビニールの傘 


 5, = 夏蒲団(なつぶとん) =

 夜明け前、夏布団から外へ出たふくらはぎから溢れた浮腫み 


 6, = 夏至(げし) =

 朝からの重たき雲と雨と風夏至の通勤電車は蒸れて 


 7, = 短夜(みじかよ) =

 眠れずに庭を見つめて虫纏ふ短夜すでに後朝のころ