先週Twitterで季語で詠んだものです。一部推敲・詠み直ししています。
1, = 海蠃廻し(ばいまわし) =
星々は海蠃廻しのごと寄り添ひてブラツクホールの噂を伝ふ
2, = 秋深し(あきふかし) =
えんじ色のセーター選びしひとととも肩に陽を受く秋深き街
3, = 啄木鳥(きつつき) =
仄暗き秋の星座にくちばしを啄木鳥は呼ぶ遠きざわめき
4, = 霜降(そうこう) =
高くより野鳥の声の聞こえきて盆地の底に霜降の朝
5, = 鶴来る(つるきたる) =
寒風の舞を抱えて鶴来る声ひとつあり土の豊けし
6, = 菊人形(きくにんぎょう) =
懐に水を隠して菊人形季節を持たぬビルの催事場
7, = 花畑(はなばたけ) =
女子ふたりジヤージでしやがむ花畑園芸部にも恋の密談
・海蠃廻(ばいまわ)し:晩秋の生活季語で「海蠃打ち」とも。茣蓙や厚布などで作った床台の上で独楽を回し、相手を弾き飛ばして勝敗を競う喧嘩独楽遊び。後にベーゴマに転じた遊具名「ばい独楽」の傍題も。
・秋深(あきふか)し:晩秋の時候季語で「秋深む」「秋更(ふ)く」「秋闌(た)く」などの動詞形傍題も。秋冷が日ごとに深まるにつれて、紅葉が残り少ない秋を惜しむかのように山野を美しく彩る。
・啄木鳥(きつつき):三秋の生類季語。「けらつつき」の古名や、その省略形「けら」などの傍題も。樹皮の内側に潜む昆虫類を採食したり、巣穴を掘削するのに木を激しく突くところからこの名が出た。
・霜降(そうこう):二十四節気の一つ。前節の「寒露」から十五日を経て大気は日ごとに寒冷の度を増し、それに応じて露は霜に姿を変える。暦は今日から晩秋後半に。
・鶴来る(つるきたる):晩秋の生類季語で「鶴渡る」「田鶴(たづ)渡る」の傍題でも。この時季、越冬のためにシベリア方面からナベヅルなど各種の鶴が日本南部に飛来する。北海道の丹頂鶴は留鳥。
・菊人形(きくにんぎょう):晩秋の生活季語。菊の花や葉を人形の衣裳に仕立て、歌舞伎や物語の一場面などを構成して展示する。江戸後期に見世物として始まった。その細工にあたる「菊師」も傍題に。
・花畑(はなばたけ):三秋の地理季語で「花壇」「花園」「花圃(かほ)」などの傍題も。販売用の草花を栽培する畑を指すこともあるが、俳句では秋の草花の咲く庭園や野原などにこの名を用いる。