季語短歌24-1-15 | ひろちん。のエスキス

ひろちん。のエスキス

廣珍堂と同じひと

  先週 X(旧Twitter)で詠んだものです。一部推敲・詠み直ししています。

 1,  = 手袋(てぶくろ) =
 手袋の薬指には穴がありふたりの夢を突っついている 


 2, = 山眠る(やまねむる) =
 山眠る風穏やかな谷間に日に数本のディーゼル車待つ 


 3, = 炬燵(こたつ) =
 足と足くつした脱ぎて戯(じゃ)れ合へり電気炬燵の赤の世界に 


 4, = 霰餅(あられもち) =
 やうやくに乾きし餅は笊(ざる)を出で厨に霰餅の温もり 


 5, = 水仙(すいせん) =
 地震来て水仙の崖崩れたり白波、吹雪、北風、不明者 


 6, = 狐火(きつねび) =
 狐火が遠くに泣いているやうだ誰も眠れぬ避難の車中 


 7, = 山茶花(さざんか) =
 山茶花の花びら滲む駅前は青きつぼみも日向へ出でり