2020年もあと9日になりました。
10日切ったんで、今日からカウントダウンしていきます。
一緒にあと9個強くなりしましょ(笑)
さて、昨日は映画撮影日で終わったのは夜の11時頃。
ほぼ最初で最後の全キャストが一同に介する撮影シーンだったので、みんなの顔が観れて嬉しかったです。
あ、みんなと写真撮り忘れた・・・(涙)
映画の撮影というのは俳優さんや現場、スタッフのスケジュールやセット、天候、季節、時間帯などの様々な要因を鑑みて、撮れるシーンからどんどん撮っていきます。
もしかしたら、このブログを読んでくれている皆さんの中にはドラマや映画はシーンの順番通りに撮影が行われていると思っている方がいるかもしれませんが、そうではないのです。
以前、日本の俳優:南圭介くんとお話ししている時、「作品によってはエンディングから撮影するものありましたよ」という話を聞いて、役者って本当に大変だなと思っていましたが、まさか自分がその世界に足を踏み入れさせて頂くことになるとは、本当に有難いことです。
なので、今回の撮影ももちろんシーンの順番通りなどということはなく、撮れるシーンから撮っていきます。
僕の場合、一番重要なシーンの撮影が初日にありました(笑)
右も左もわからないまま我武者羅に演じたあのシーン、、、一体どういう仕上がりになっているのか不安と期待で胸がいっぱいです。
様になっているのか大根なのか、それは是非皆さん映画館で確認して頂ければと思います(笑)
#おーこわっ!
◆人は誰しも「演じて」生きている◆
今回、映画に出演させてもらって演技の指導やワークショップを受けてきて、僕が演じる役が自分とはかけ離れたキャラクターなのにも関わらず、その距離が段々と近づいてくる感覚がありました。
その過程の中で台本に書かれていない役柄の歴史、バックグラウンド、日常生活、話し方、クセ、思考などを自分なりに掘り下げていくうちに、段々とこのキャラクターが自分の一部に感じる瞬間が増えてきました。
だからと言ってすぐにそのキャラクターを演じられるかと言ったら、それはまた別の話でそうや問屋が卸さないって話なんですが、少なくともこの感覚を今回味わえたのは収穫でした。
人間、役者にならなくたって誰しも「演じ」ながら生きてる。
その日、その場所、その時間、その環境で求められる役割やキャラクター、立ち回りをある意味「演じて」るじゃないですか。
100%、全ての場面でじぶんが思ったことを発言し、思ったように動いている人なんてほとんどいないと思います。
その「演じて」いた自分が段々と自分を侵食していって、やがて一部となり、それが新しい自分になっていくわけで、それを繰り返しながらここまできたはずなんですよね。
そう考えると今自分が考えている「自分」というのは、その「演じて」きた自分の積み重ねなわけで、だとするとこの瞬間の「自分」は次の瞬間にも「演じる」ことで変えられるということで、それを常態化させることで新しい「自分」になれるということになります。
以前、このブログに「歩き方を変えろ」と言われた話を紹介したのですが、
このように自分が無意識で行っている行動や言動、思考回路に想いを巡らせて、そこにメスを入れて、これまでとは違う自分を「演じる」
最初は意識して変えていかないといけないので、自分ではないようなむず痒い感覚があるかもしれませんが、これを「演じる」ことでそれが絶対に自分の一部になっていきます。
この感覚を今回、感じれたことが何よりも大きなことでした。
なので、演劇をやったり、役者を目指したりしていない人こそ「演劇ワークショップ」とか行ってみたら面白いと思います。
いや、僕は別に演劇界の回し者でも何でもないんですけど(笑)
でも、「演じる」ということには思わずそういった可能性を見出してしまいます。
実際にイタリアでは刑務所の中で演劇が取り入れられていて、ローマのレビッビア刑務所を舞台にした映画「Cesare deve morire (邦題「塀の中のジュリアス・シーザー」ー2012年ベルリン映画祭金熊賞)」がその様子を映し出しています。
また、このイタリアでの演劇については東京外国語大学イタリア語学科卒の「神宮一樹」さんという方が東京外国語大学「夏の大人の外語際2020」の中で「イタリアの刑務所でみた、演劇の可能性」という講演の中でもお話しされていて、「演じる」ことで「更生」に繋がる一歩を踏み出すという概念がとても興味深く、印象に残っています。
ちなみに僕もこの「夏の大人の外語際2020」には登壇させて頂き、お話をさせてもらいました。刺激に富んだ、素敵なイベントでした。
というわけで、今回は映画出演を通じて「演じる」ということについて感じたことを書いてみました。
誰かの気づきに繋がれば幸いです。
それでは、
皆さんにとって、今日が昨日よりちょっとでもいい日でありますように。
ひろ。
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