アフリカの中でも自殺率が高く、世界で一番「惨めさ」を感じているとされるジンバブエ。
その理由は何だろう?
真面目で、一生懸命に働き、組織の仕組みを理解しているジンバブエの人々。しかし、彼らの背景には、白人至上主義による植民地時代の苦痛と、ムガベ政権下での恐怖政治が影響している。
日本には「1つ言われたら10を理解せよ」という言葉があるが、ジンバブエでは、指示以上のことをすると罰せられる風潮がある。新しい意見を言ったり、上司の指示に従わないと暴力を受けることも。そうした恐怖の中で、自分の意見を隠し、組織に従うことに嫌気がさし、生きる意味を見失ってしまったのではないか。
貧しさも生きづらさの一因だが、自分を隠し続け、見えない恐怖に怯えながら生きることはもっと辛い。
様々な環境で、組織の階層に従い、政府の不合理な政策に従うことを余儀なくされ、本当に言いたいことを言えずに、職を失うことを恐れ、一歩を踏み出せないでいる。
「生きる意味なんてなく、生きているだけでいい」と教えてくれた彼らが、生きることの価値を失っているとしたら本当に残念なことである。