2年前にはバンコクから駆けつけたんだった。
観る側として。
そして、期間中、香港に点在するギャラリーで、沢山のアーティストの展示を目にした。
5年前くらいから目を世界に向けてきた。
オーストラリア、
ロンドン
パリ
バンコク
ジャカルタ
などのギャラリー巡りをした。
そして
今年の台北當代も含め、
コレクターが集まる、世界中から大きなギャラリーが出展し一堂に集まるバーゼルやフェアを
次々 追いかけるように、見に出かけて行き…
どうしたら、この中に
出展できる側に入れるのだろう???
と、考えてきた。
考えている間にも
ありがたいことに、
個展や、企画展へのオファーをいただいたり、相変わらず様々な国から
Yosuke Hasegawaの作品を載せたいとか使いたい、というお話もきていた。
だが、
爆発的な
世界に飛び出した結果は、まだ訪れていなかった。
いや、世界各地での展示はある。
だが、誰もが知るようなアーティストではまだ…ない。
有名なギャラリーが扱いたい、と思うような作品とはどんな作品なのか?
売れる作品とはどんな作品なのか?
そんなものは
一概には言えず、答えはないのだ。
とんでもないものが、突然世に出る可能性はある。
でもこの先、美術史に残る、
歴史の一つのページに名前が残るようなアーティストとは
どんなものか???
そしてそれを目指して良いのかどうか
いろいろな思いが渦巻く中
正直、そのステージに近いだろうアーティストに、羨望や嫉妬の気持ちも生まれた。
なぜ
この作品に500万円という値がつき、さらに売れているのだろうか?
さっぱりわからない時もある。
また、
納得、ごもっともな、唸ってしまうような作品もある。
ただ、芸術性はもとより、
嗜好品ではあるところが、掴めない原因だし、多様性があって然り、それこそがチャンスではある。
力のあるギャラリーで扱われる
そこから世界の市場に出て行く。
それにはコレクターの存在が必要となる。
市場に出ても、消えていくのでは
一発野郎で、いずれ忘れ去られてしまう。
オークションで落札され、価値がつく。
そこから世界の市場に出回る。
それにもコレクターの存在が必要である。
そのどちらもを叶えていくこと
作品に力があり、その流れが来たら、
思ったとおりになる。
夢を叶える
方法論は全くわかっていなかった。
でも、行き先を見据え、
その場に(居心地は悪くても)居ながら、
現実に起こる一つ一つの事と、その時の縁とを大切に繋いできた。
そして、
今 もしかしたら
そこに一番近い場所に呼ばれたのかもしれない。
わかっていないところがミソ(笑)
いつでも自己評価は低めだ。
アートを扱う場所には、一般展示室の他に、
コレクターやVIPが入る商談ルームというものが存在する。
何度か、(何故かひょんなことから)
そこに入った事がある。
そこには、コレクターが気に入った作家の作品があるのだ。
奥からも出してきたりする。
未発表のものや、今後オークションにかけられるものもあったりする。
そうやって作品は買われていくのだ。
そこに先日、Yosuke Hasegawaの作品を搬入した。
と、ある有名な、
誰もがその名前を知る、日本を代表するようなアーティストの作品をいくつも手掛けているシルクスクリーンの工房が東京にある。
そこの、
アーティストであり、職人のI氏に
「このYosuke Hasegawaの作品は、いつ世に出てもおかしくない、むしろまだ世界的市場にのっていないほうが不思議だ」
と言ってもらったのが、
今年1月。
渋谷のギャラリーのディレクターに導かれたのだ。
今年は香港には行かない。
行かない、という事に
ざわざわした昨年とは違い、
安心した心持ちだ。
遅かれ早かれ
市場に出る。
先日起こった朗報に、
有頂天になってから数日がたち、
ゆっくりと時が満ちた事を感じている。
思えば
日本で初めて目にしたYosukeの作品。
夫婦となり、日本を出た6年前…。
信じた思い。
ARTで生きるということ。
現実化の時。