
▲桜のジャージーでもまだ定まらないインサイドCTBでスターター投入されるサ
ミソニくん。怪我に悩まされてきた男が、エディーの期待に応えることが出来るか
KOまで12時間。これが「もう」か「まだ」なのかは、受け止め方次第だが、薄暮ゲームまでの時間潰しにでも。
アイルランドへの苦杯も含めて重要な80分がカウントダウンに入った。
前売りチケットも5万を突破。関係者は「同じ国立でのリーグワンプレーオフ決勝が一つのチャレンジ」と、スティーラーズvsスピアーズの50451人超えを目指すが、まぁ代表戦とクラブ決勝が競り合うのもいかがなものか。見方を変えると、現状のジャパンはそのレベルともいえる。
で、昨日昼メシ前のメンバー発表。皆さまどんな受け止めを。
エディーは常に「現状ベスト」と言い張る(どのコーチもキホン同じだけど)が、すこし「うぅむ…」と唸ってしまう布陣。
確かにPR大塚の強さはどこまで通じて、通じないのか、新生エディージャパン始動から選ばれながら、怪我で未だ3キャップのCTBサミソニが本領を爆発させるかなど〝新しい力〟への期待感は無くはないが、一番のネックはやはり「相手」だろう。
世界4位ながら、ここまでの2テストを観ても、その破壊力と個人能力はハンパない。スターター15人の総キャップ数270。1人平均で18とかなり若い布陣。日本の216キャップ、平均14.4とも大きな差はない。1桁台のキャップ保有者7人、30キャップ以上5人も、日本の1桁8人(内1人0キャップ)、30キャップ以上4人と似たような経験値ではあるが、要所にはルク&ンタマックのHB団、今や欠かせない主力CTBモエファナ、FBでのテストにも十分に応えるジャリベルらを投入してきた。

▲せっかくこれだけ若手投入だと#9 もノンキャップで
もと考えてしまうが、そこはフランス。経験値も、今季
のパフォーマンスも素晴らしいルク投入と抜かりはない
それ以上に、このチームの場合、所謂主力勢だけではなく、出て来るノンキャップ、一桁キャップ勢も含めて、そのポテンシャルは尋常ではない。ワインとバゲットだけで生きているフランス人とは思えない連中が楕円球に勤しんでいる。
で、注目すべきは、前週の苦杯についてのコラムでも触れている部分。
簡単に表現すれば、状況状況の中でどう「やるべきプレー、やってはいけないこと」を、個々の選手がしっかりと理解して、プレーを選択・遂行していけるか。
チームも(一部誘導尋問により)、メディアも、憑りつかれたように「ゴールド」というエフォート案件を騒ぎ立てているが、個人的に注視するのは判断、そして(ほぼ同意味での)プレー選択。ここをどうしっかりとプレーに出せて、しかも難しいことは、どうスコアに繋げて行けるかだ。いいエフォートをしても、いい判断をしても、ボールがトライラインを越えなければ意味はない。代表メンバー誰もが唱えるように「結果に拘る」のであれば…。
この世界4位との80分。すこし乱暴にいうと、結果的に若干ノーガードの打ち合いの展開になったとしても、自分たちの意図したプレーの中で、適切な判断でスコアを稼ぎ、相手に数字上上回られたとしても、しっかりと見て、判断して、防御するという作業が見せられれば、15カ月先に繋がるだろう。
メンバリングの上では、フロントローを全替え、LOは固定、バックローはポテンシャルの高いエセイを使ってきた。このルーキーキャッパに関しては、セカンドローが充実しつつある中で、もしかしたらこちらの〝サブポジション〟がメーンになる可能性も秘めている。まぁ、当面はまだ2、3列兼務のマルチパーパスの存在としての〝試用期間〟だろうが、後は、エセイ本人が指揮官にどこまでアピール出来るか。
アイルランド戦では結果的には裏目に出たベンチの6-2スプリット(ジャパンの場合は、ティアナン込みで5.5-2.5スプリットか?)を、性懲りもなく(というと少しネガティブ過ぎるか)再び敷いてきた。だが、前回は㉒SH、㉓SO/FB∔㉑WTB/CTBの布陣だったBKリザーブ2人が、今回は㉒WTB/CTB、㉓SO/CTB/FB∔㉑WTB/CTBという組み合わせ。一人#9の齋藤直人のカバーには、エディーが「JTSからSHの準備はさせてきた」と自信をみせる新鋭司令塔・伊藤龍之介が担う。

▲個人的に注目していたのは去就が取り沙汰されるDF担当
のショーン・エドワーズだったが、ピッチにその姿はなし。
すでにチームを離れているのか。そうなると、防御面での
スタンダードをどこまで持ち続けているかも関心どころに
2024年からの新体制発足からSO-FBなどマルチポジションでメンバリングの工夫に執心を持ってきたエディーだが、今回も、否今回は、さらに1歩踏み込んだ、BKの控え全員が複数ポジションを担う一歩踏み込んだ「兼業体制」を組んできた。
エディーは、対フランスというカードについては「来年のワールドカップでの対戦は一切気にしていない。この大会での対フランスに集中するだけ」と、過去にも、そしてメンバー発表会見でも一貫して主張してきた。だが、この若き布陣、そして兼業選手の多さ等を鑑みると、テストマッチとは異なる意味での〝テストゲーム〟(勿論、プラクティスマッチとも異なる)を仕掛けてきているように感じてしまう。
より少ない人数の選手で、様々なポジションをカバーしていくことで、より少ない人数で、より効率のあるメンバリングを検証していると考えるのは、詮索好きという職業柄の弊害だろうか…。
だが、その詮索を後押しするのが、先にもすこし触れた「固定ポジション」と「非固定ポジション」の違いだ。〝ド〟が就く固定ポジとなりつつあるのはハリー&ワーナーの200㎝コンビ、SH、そしてアウトサイドCTBあたり。準固定が、今回〝総外れ〟のフロントロー(#2に関してはかなり競り合う展開。少なくとも14日の公開練習での江見のスローは素晴らしかった!)、そして#10、アウトサイドBKあたりか。
例えばフロントでは、総じて若い顔ぶれの中で、今回テストデビューの大塚やベンチから初キャップを目指すイジ―のような〝原石〟が、15か月でどこまでダイヤの輝きを見せるのか、それともまだまだ路傍の石なのか。そしてアウトサイドBKでは、ジョネ始め相次ぐ怪我組がどこまで巻き返せるかという不確実要素と、「今風のアウトサイド」として資質を持つ上ノ坊駿介のような存在の伸びしろ次第だろう。注目される#10も、長期離脱見込みの承信と、着実に経験を積む龍之介のマッチレースになりつつある。
この上ノ坊については、エディーも「ここまですこし怪我もあったので、ようやくメンバーに入って来た」と語るように、同じキャップ0組の伊藤龍之介の〝開幕ダッシュ〟と対照的に出遅れはしたが、龍之介同様に、どこまでテストラグビーで資質を輝かせることが出来るか、非常に注目される存在だ。まぁ、ハイボールコンテストのように対外国勢では困難さがあるポジションではあるが、そこでどうポテンシャルを見せられるか、先ずはお手並み拝見だ。
BRに関してはこれまで何度も触れてきたように、ゲームプラン、対戦相手等の戦術・戦略、そしてコンディションで顔ぶれが変わるポジションだ。他ポジションのようにポジション分の「3枠」という争いではなく、複数名の選手がカバーしていくことになる。現時点ではFLとして下川くん、ベンさんがスターター、マイケル、ララトゥブアらがベンチを固め、そこにLOとの兼務で当確レベルのジャック、そしてテスト段階のハアンガナ、もう1人のマイケルらが陣取る。そこにコンディションでチームを離れタイラーといったところが主要な顔ぶれと考えていい。
フランスという若手も破壊力抜群のチーム相手に、どこまでパフォーマンスを見せられるか。もし歴史的初勝利が起こるとしたら、伏線には「キメ細かさ」があるかも知れないが、ここは勝ったらのコラムで扱えばいいか…。
チームは「マスト・ウィン」の鼻息だが、15か月のレースと捉えれば、興味深い試金石の80分間になる。