ニュー〝ヘア〟スタイルのTKくん。網走で指導を受けたもう

1人のTKさんへのオマージュではなく「気合」だそうだが、ど

うやらここ2試合程度限定というので、大坂の陣で見納めか…

 

 

真夏の大阪でのランク8位と10位の激突が近づいてきた。

今回の旅(どこぞの馬鹿県会議員センセイのように〝旅行〟とは言わない!)では、会うべき人や神仏・物の怪が多く、「前打ち」を充分には書いていないので、キックオフ当日の朝に、付け焼刃如しの辻褄合わせ文章をアップしておこう。

 

6日は双方発表したメンバーを見ると、キャップ数ではビジターの8位が1人アタマ、テストマッチ10試合多くプレーしている公算だ。

 

■先発15人の総キャップ数

ワラビーズ   426

Bブロッサムズ   276

 

異例のシーズン途中での指揮権の移譲となったが、新HCはこのスターター布陣に、ベンチにはビリー(21キャップ)、タニエラ(70)やテイト(53)という経験豊富なメンバーを用意。不測の事態にも十分対応出来る顔ぶれだろう。

 

 

 

 

昨秋の対戦は、ホストの15-19。だが、このスコアを語るには、キャップ数を忘れちゃいけない。当時の先発15人の平均は日本の20.9キャップに対してワラビーズ21.9と、ほぼ似たような経験値のチーム。因みに、ワラビーズは宿敵NZとの前戦から13人もの先発を入れ替えた試合だった。

 

相手布陣を見ると、要所にいい駒を揃えている。とりわけ強力なのはBR。ブレークダウンでの仕事人フレイザーに、フィジカル抜群のロブ、そしてボールキャリーのハリー主将と、それぞれがそれぞれのBRとしての魅力を持つ。この3列を、ガンちゃん、下川くん、復帰のマキシが、どう好きなように暴れさせないファイトが出来るのか。そして、彼らを相手に日本の超速をクリエート出せるのか。

 

もう一つ、興味深いのはミッドフィールド。スイアリイは既に不動の存在だが、インにはレンではなく日本に定住するハンターを入れてきた。有無を言わさない縦への強さが、ゲームの軸になると読むのは早計か。理想を言えば、シンプルに、縦に仕掛けてくる相手は確実に倒して、レンのように、ラインも生かせるスキルも持つボールドライバー不在の相手に、攻撃面で優位に立てればいい。#13 には何度かブレーク、そしてオフロードでのチャンスを造られたとしても、そこを最低失点に抑えられるかがキーになる。

 

アウトサイドも、トップランナーが揃う。彼ら3人がボールを持った時ではなく、どう生きたボールを持たせず、スペースを作らずに戦えるかという「パスの前」が勝負だろう。

 

 

 

 

ジャパンで見たいのは、フランス相手にやられたハイボールでの攻防。ここは、かなりやり込んできていると聞いた。どこまで、ルーズボールのコンテストも含めてボールを持てるかに注目したい。その一方で、過去のワラビーズは、独特の放物線を描くような捕球ジャンプを見せてきた。このキャッチングを今回もしてくると、コンテストシチュエーションでどう競り合うかは工夫が必要になるかも知れない。

 

いずれにせよ、どんな戦術を使おうがラグビーだ。先に触れたBR中心のブレークダウンの攻防で、相手に対抗して、自分たちのテンポを継続できるか。そして、スコアチャンスにもなるハイボールコンテストで、ある一定数以上にボールを持てるか。前日練習を見る限り、戻って来た矢崎くんが、相手に見えづらい位置からエキストラマンとして走り込むアタック、ティアナンをアタックラインに入れてスピードで仕掛けるプレーあたりが見られる時間帯まで食らいつければ、冒頭に書いたような力のある今回のワラビーズ相手にも興味深い展開もあるかも知れない。

 

 

 

日本海外特派員協会でのティムの会見をコラムに。

 

 

この案件、昨年5月のブリーフィング後にまとめたものから、正直、自分自身の〝見方〟は基本的に変わらなかった。参考までに、昨年のコラムも貼っておこう。

 

 

すこし予想外だったのは、昨年5月の発表から1年ほどの期間に、リーグが、不利益を被るであろう選手たちと膝を突き合わせるような話し合いをほとんど出来ていなかったことだ。コラムを書いた時点では、数カ月の内に話し合いが持たれて、新たな落としどころが模索されると信じていた。

 

だが、それでも自分のスタンスが昨年からキホンは変わらなかったこともあり、今回の会見についての出稿は、エントリーでお力添えをいただいたジャーナリスト柳田通斉氏に〝お任せ〟のつもりで、ティムがどんな話をするのか、同席した〝差し止め〟も担当する弁護士がどんな視点でこの案件を見ているのかという関心で出向いていた。

 

それを予定外にコラムにまとめたのは、会見の内容もさることながら直後にリーグワン側がリリースした〝短文〟が後押しした。編集サイドも、このリーグサイドのリリースの内容も鑑みて、コラムにGOサインとなった。

 

コラム内でも書いたように〝和解〟には数日から数週間という見通しだが、ティムたちに〝幸運〟だったのは「ワールドカップ」だ。〝超法規措置〟で続投する土田雅人JRFU会長が、鼻息を日々荒くしている2度目のRWC実現へ向けて、今回の案件が海外ラグビー有力国の中で「差別的」と捉えられでもしたらたまったもんじゃない。たとえそれが憶測の範囲だったとしても、いらない火の粉は立つより前に消しておきたいのは明らかだ。コラムでも書いたリリースの英語版がまさにこの理由のためだが、この観点からだと、むしろ〝火消し〟に時間がかかり過ぎたようにも思える。

 

おそらく基本的な部分では、ほぼ合意に至っているのだと思われる。後は、どんな〝基準〟で、つまり誰が特例の対象になるのか。ティムと共に訴え出た23人は、概ね「A1扱い」というシナリオが妥当とは思われるが。

 

ウンザリだったのは、一部の〝声〟が、この案件を、あまりにも勧善懲悪のストーリー仕立てで語ろうとしていたことだ。リーグや協会は「悪」、選手は「善」。1歩譲って一ファンがシンパシーから選手の側に立つのは自然な判断かも知れない。だが、いま日本のラグビーに起きている深刻な競技人口という問題を真剣に考えるのなら、リーグ及びJRFUが今回のような〝線引き〟を考えるに及んだ思考は、決して良手ではないにしても理解は出来る範疇だ。

 

 

会見にはティム(中央)、牧野弁護士(左)に加えて、ジャーナリ

ストで桐蔭学園中、国際基督教大、留学した米コロンビア大でも

ラグビー部だった神保哲生氏(右)もコーディネーター役で登壇

 

 

すこし脇道に逸れるが、高校生レベルの普及状況でも、部員不足の高校チームを鑑みて容認、導入された「合同チーム」を、それこそ良手だと考えているのであれば、かなり危険な現状認識だ。合同チームの監督さん、選手たちが、どんな不条理な環境の中でワンチームになる努力を続けているか。そんなスポットの当たらないエリアを、彼らの目線で見つめることからしか、よりマトモなソリューションには至らないだろう。この3年間ほどの高校ラグビーを見ていても、花園での勝った負けたは急速に関心を失い、部員不足や、この春初めて取材が実現した釜石での〝全国大会〟に心を動かされているのも、そのためだ。この秋冬から春先にかけても、どちらか一方しか取材出来ないのであれば「東大阪」ではなく「釜石」を選ぶだろう。

 

で、規約のマターだ。おそらく今回は、訴え出た24人への新たな措置、カテゴライズに終始するだろう。だが、例の「義務教育6年」などという規約は、すこし検討するべきものかも知れない。ここは、リーグワン案件というだけで考えるべきではなく、留学生等も網羅した、統括団体の方策として構築するべき案件だ。

 

規約内容の拙さと同時に、発表から施工までの時間が2年だったことも、結果的にリーグ側に悪手となった。何度も触れたように、これから代表を目指す世代、憧れを持つであろう世代のことを考えれば、早急な対策を講じるのは理解出来る。だが、パスポートを変更し、自分や家族のロードマップまで書き換えて日本でチャレンジしようという海外選手にとって2年は決して潤沢なモラトリアム時間ではない。日本のラグビーキッズや、マネーゲームが進むチームへのメッセージとしての〝規約変更〟を迅速に打ち出しながら、デッドラインについてはもうすこし時間的な余裕を持たせてもよかった。

 

コラムからの繰り返しになるが、日本選手にどうラグビーに打ち込める環境を用意できるかというテーマはより迅速に、そして数シーズンというスパンで変えていくべきもの、つまり新たな規約、枠組みは、しっかりと時間をかけて、様々な声を聴きながら組み上げていくべきだろう。ティムが語ったように、リーグ、協会が、「ポーズ」としてのヒアリングはしていても、本気で何かを自分たちの取り組み、事業に反映したいという思惑で、所謂ステークホルダーから自分たちとは異なる〝声〟を聴いているとはあまり思えない。だからこそ、今回のような騒動が1年を超えて解決に至っていないのだ。

 

まだ決着には至っていないものの、今回の「A1、A2論争」も、日本ラグビーには重要な海外出身選手への、より公平なプラットフォーム構築には重要な案件ではある。だが、個人的に思うのは、何度も触れてきた〝日本の楕円土壌〟をどう豊かで生産性の高いものにしていけるかを、もう一度真剣かつ深刻に考える契機にしたいということだ。今回の、言わば〝パスポート議論〟も遡れば日本のドメスティックな環境の問題から生じている。この議論が、人権問題から普及の抜本的な問題を見つめ、考える場へと広がっていけばいいのだが、果たして…。

 

 

 

 

 

「20番宣言」もしたマイケル。まだまだスタートでの活躍も期待したい一方で、

年齢の陰りも間違いなく歩み寄る。経験値も武器に、どこまで突っ走れるか…

 

 

完敗に終わったフランス戦がらみのコラム。

観戦→取材→書き始めまでは、とある重鎮メンバーの目線で見た敗戦、そして3連戦というおはなしを考えていたが、軌道を修正。各々のチームメンバーの言葉を借りながらの「サザンシリーズ」の振り返りであり、夏の前半戦のおさらいというものになった。

 

 

 

 

すこし肩が落ちたのは、アイルランド戦残り12分での完敗からの「学び」は、国立ではなかなか見せられなかったこと。わずか1週間、しかも太平洋を縦に往復した旅路を鑑みればやむを得ないともいえるのだが。

 

敗戦後のミックスゾーンでも、マイケルはこんな話をしている。

 

「(ヨーロッパのチームは)上手かったし、しっかりと分析をしてきて相手の、ジャパンの弱点はこれだとやってきた。1週間という限られた時間があって、そこでどれだけ質を高く出来るか、またはいろいろな時間がない、いろいろモールを組まないと…対策はいろいろしないといけないと思います。3週間ですこしずつ良くなって、今日また新しいこともやられたので、改善していきたい。網走(合宿:7.25-8.6)は試合がないので数多くやりたいなと思います」

 

 

▲存在感は文句ない。残る1年、課題は怪我なしで本チャンも走り続けられるか

ⒸJRFU(以下全て)

 

 

すこし厳しい言い方なら、1週間単位で課題を修正していかなければワールドカップでも有効な改善は難しい。だが、先に触れた〝移動〟も含めて、いまのジャパンは迅速で明確な修正は、7日間では出来なかった。まぁ、アイルランド戦後のコラムでも書いた通り、とりわけあの12分間に色濃く見せつけられた「判断」の格差は、昨日学んで今日出来るといった類のものでもないだろう。要は、来年10月までにパフォーマンスおよびスコアに還元出来ればいいのだが…。

 

まさにマイケルのピッチ上での形振りが象徴するように、1つのプレーから次のプレーへ移行するエフォートは、選手も意図しているのは分かる。とりわけ、顕著なパフォーマンスを見せたのがインパクトプレーヤーとして途中出場したマイケルとティアナンだった。だが、マイケル、ティアナンに限らず、ピッチ上の15人が見せたエフォートが、フランスのウルトラフィジカルな相手に対してどこまで太刀打ち出来たのか。相手防御が、守り続ける中でジャパンのスピードにどこまで防御の破綻を作り、たまらず反則を犯したのか。ここらを総括すると、まだまだやるべきことは結構残されている。

 

 

▲マイケルと共にインパクトプレーヤーとして存在感をアピールしたティア

ナン。この能力がベンチからの短時間がいいのか、それともスタートからの

ロングタームがいいのか。他の選手とのバランスも含めて思案のしどころだ

 

 

コラムでは、エリア=ポジションごとの出来不出来を書いたが、個々の選手を見れば、初夏の3∔1試合は、ABC3段階に評価を分けられる。

 

【A】

ベン、マイケル、ティアナン(特筆級)

ディラン、直人、ワーナー、ハリー、ジャック

【A’】

壮二郎、龍之介、雄也、拓朗、下川、吉平、和磨、颯、衛

【B】

柊平、崇人、エセイ、メイン

 

 

▲謙虚に「江良さんのトライ」とテストデビューでのトライ

を振り返った大塚。ポテンシャルはかなりのものを秘める大

原石か▼選手評価は厳し目にしたが、そこは常にボールを持

ち、判断を求められる存在。ミスも少なくない。それでも、

この初夏シリーズ最大の収穫という存在なのは間違いない

 

 

【A’】卑怯にも、こんな逃げ口のような評価もしてしまったが、【A】評価の選手とは、どうしても同等ではないと感じた選手を差別化するために使ってしまった。この3段階での評価だが、すこし言い訳がましいが、【B】という評価は「中=凡庸」ではなく、このラインまでが「結構いい」と感じた選手。【C】は選手名を書き立てるのも野暮なので端折るが、勿論、名前を挙げてない選手=Cではなく、評価するほどに見られていない存在も幾人かはいるのだ。そして、このC範疇が「普通」から「よくない」という評価だ。なので、【B】に書いた選手を含めた選手たちが、高評価と考えてのリストアップになる。

 

 

▲スクラムワーク、ラインアウトスローでも成長を感じる

〝2番手〟#2颯くんだが、秋のシリーズでの追い上げは注目

 

 

まぁ、瞬間瞬間のプレーの積み重ねの中で、いいプレーもあればそうじゃないプレーもあると考えれば、このような差別化が適切かは疑問でもあるのだが、このシリーズを振り返ってインパクトを受けた選手という観点では、こんな評価になるという「目安」と解釈していただければという思いだ。

 

コラムでは、どうしてもポジション別の評価がメーンに見えてしまいがちかも知れない。だが、重要なのはその前に触れたエリアだ。世界トップ10界隈とは十分戦える一方で、トップ5には「差」をつけられてしまう。ここを、どう埋めていくか。ここが、初夏3テスト∔1の宿題であり、理想としては秋の最終週までに、例え負けても世界5位クラスと本当に「いい試合」が出来るまでにチーム力を伸ばせることが出来るか。まず、そのレベルに行くまでには怪我人も含めてメンバー編成を、もう1歩固めていきたいところだ。

 

初夏シリーズより更に充実した布陣で、どこまで真剣勝負をフルタイム演じることが出来るのか。コラム文末でも書いた通り、その緒戦のシーズンへ、ワラビーズとのゲームは非常に興味深い〝登竜門〟だ。

 

 

 

ロス・プーマスの〝出で立ち〟を見て、唸らされた。
直ぐに感じたのはもう一つのフットボールのことだった。

 

丁度40年前にメキシコを舞台にした、あの「神の手」の戦い。

相手も同じUKを支配する王国であり、さらに4年を遡るフォークランド紛争(ホスト側からだとマルビナス戦争)で一戦を交えた国。

 

この日、古都サンティアゴ・デル・エステロの、まるでコロッセオのような美しいエスタディオ・ウニコ・マドレ・デ・シウタデスに姿を見せた大型猫科動物たちの纏ったウェアを見れば、誰もが〝もよおす〟デザインだった。

 

まるでサッカーユニフォームのような半袖仕様のシャツは、ブルーの縦縞シャドーストライプに白の襟首と袖口のステッチ。おまけにパンツは黒というデザイン。メキシコの高地で躍動したあのディエゴが着ていたヤツだ。明らかに40年前の神話、そして44年前の屈辱、同時に北米で連覇に臨もうとするイレブンたちへのオマージュだった。

 

ゲームは、後半に追い上げをはかりながら〝白い壁〟に跳ね返される展開。最後はもやっとした幕切れではあったが、40年前ほどの〝疑惑〟じゃない。むしろ内容的は、ほぼ互角に戦えている。40年前のような歓喜は果たせなかったが、残り数分で演じた見せ場も含めて、この古都で「楕円球」に集まった市民に伝わるものはあっただろう。

 

この夜で、新機軸の大会は前半戦を折り返した。正確には、3フェーズのファーストラウンドが終わったと書くべきか。このゲームの数時間前の千駄ヶ谷の80分も然りだが、勝者も敗者も大会のタイトル、順位以上に、「この先」への確認やチェックに関心があるように感じる3週間だった。

 

皆さん関心があるのは、千駄ヶ谷のゲームかも知れないが、これはあらためて清書することにして、溜息が出るのは日本のスタジアムの貧困さ。否、11人のフットボールは着々と「器」も整えている。楕円のほうだけが、一見〝改革〟が為されているように見えながら、多くのものが着手も大ナタも振るえず、足踏みを続ける。

 

このサザンラウンド最終戦から、ホストユニオンが、様々なストーリー、メッセージを、工夫されたアイデアを通じて、ファン、ファン以外の市民に伝えようとしていることを学ぶべし。〝事業化〟を謳い、押し進めようとしたのは「主管」側だ。具体性を持ったイノベーションが無ければ、事業を加速するのも難しい。

 

 

▲桜のジャージーでもまだ定まらないインサイドCTBでスターター投入されるサ

ミソニくん。怪我に悩まされてきた男が、エディーの期待に応えることが出来るか

 

 

KOまで12時間。これが「もう」か「まだ」なのかは、受け止め方次第だが、薄暮ゲームまでの時間潰しにでも。

 

アイルランドへの苦杯も含めて重要な80分がカウントダウンに入った。

 

前売りチケットも5万を突破。関係者は「同じ国立でのリーグワンプレーオフ決勝が一つのチャレンジ」と、スティーラーズvsスピアーズの50451人超えを目指すが、まぁ代表戦とクラブ決勝が競り合うのもいかがなものか。見方を変えると、現状のジャパンはそのレベルともいえる。

 

で、昨日昼メシ前のメンバー発表。皆さまどんな受け止めを。

エディーは常に「現状ベスト」と言い張る(どのコーチもキホン同じだけど)が、すこし「うぅむ…」と唸ってしまう布陣。

 

確かにPR大塚の強さはどこまで通じて、通じないのか、新生エディージャパン始動から選ばれながら、怪我で未だ3キャップのCTBサミソニが本領を爆発させるかなど〝新しい力〟への期待感は無くはないが、一番のネックはやはり「相手」だろう。

 

世界4位ながら、ここまでの2テストを観ても、その破壊力と個人能力はハンパない。スターター15人の総キャップ数270。1人平均で18とかなり若い布陣。日本の216キャップ、平均14.4とも大きな差はない。1桁台のキャップ保有者7人、30キャップ以上5人も、日本の1桁8人(内1人0キャップ)、30キャップ以上4人と似たような経験値ではあるが、要所にはルク&ンタマックのHB団、今や欠かせない主力CTBモエファナ、FBでのテストにも十分に応えるジャリベルらを投入してきた。

 

 

▲せっかくこれだけ若手投入だと#9 もノンキャップで

もと考えてしまうが、そこはフランス。経験値も、今季

のパフォーマンスも素晴らしいルク投入と抜かりはない

 

 

それ以上に、このチームの場合、所謂主力勢だけではなく、出て来るノンキャップ、一桁キャップ勢も含めて、そのポテンシャルは尋常ではない。ワインとバゲットだけで生きているフランス人とは思えない連中が楕円球に勤しんでいる。

 

で、注目すべきは、前週の苦杯についてのコラムでも触れている部分。

簡単に表現すれば、状況状況の中でどう「やるべきプレー、やってはいけないこと」を、個々の選手がしっかりと理解して、プレーを選択・遂行していけるか。

 

 

 

 

チームも(一部誘導尋問により)、メディアも、憑りつかれたように「ゴールド」というエフォート案件を騒ぎ立てているが、個人的に注視するのは判断、そして(ほぼ同意味での)プレー選択。ここをどうしっかりとプレーに出せて、しかも難しいことは、どうスコアに繋げて行けるかだ。いいエフォートをしても、いい判断をしても、ボールがトライラインを越えなければ意味はない。代表メンバー誰もが唱えるように「結果に拘る」のであれば…。

 

この世界4位との80分。すこし乱暴にいうと、結果的に若干ノーガードの打ち合いの展開になったとしても、自分たちの意図したプレーの中で、適切な判断でスコアを稼ぎ、相手に数字上上回られたとしても、しっかりと見て、判断して、防御するという作業が見せられれば、15カ月先に繋がるだろう。

 

メンバリングの上では、フロントローを全替え、LOは固定、バックローはポテンシャルの高いエセイを使ってきた。このルーキーキャッパに関しては、セカンドローが充実しつつある中で、もしかしたらこちらの〝サブポジション〟がメーンになる可能性も秘めている。まぁ、当面はまだ2、3列兼務のマルチパーパスの存在としての〝試用期間〟だろうが、後は、エセイ本人が指揮官にどこまでアピール出来るか。

 

アイルランド戦では結果的には裏目に出たベンチの6-2スプリット(ジャパンの場合は、ティアナン込みで5.5-2.5スプリットか?)を、性懲りもなく(というと少しネガティブ過ぎるか)再び敷いてきた。だが、前回は㉒SH、㉓SO/FB∔㉑WTB/CTBの布陣だったBKリザーブ2人が、今回は㉒WTB/CTB、㉓SO/CTB/FB∔㉑WTB/CTBという組み合わせ。一人#9の齋藤直人のカバーには、エディーが「JTSからSHの準備はさせてきた」と自信をみせる新鋭司令塔・伊藤龍之介が担う。

 

 

▲個人的に注目していたのは去就が取り沙汰されるDF担当

のショーン・エドワーズだったが、ピッチにその姿はなし。

すでにチームを離れているのか。そうなると、防御面での

スタンダードをどこまで持ち続けているかも関心どころに

 

 

2024年からの新体制発足からSO-FBなどマルチポジションでメンバリングの工夫に執心を持ってきたエディーだが、今回も、否今回は、さらに1歩踏み込んだ、BKの控え全員が複数ポジションを担う一歩踏み込んだ「兼業体制」を組んできた。

 

エディーは、対フランスというカードについては「来年のワールドカップでの対戦は一切気にしていない。この大会での対フランスに集中するだけ」と、過去にも、そしてメンバー発表会見でも一貫して主張してきた。だが、この若き布陣、そして兼業選手の多さ等を鑑みると、テストマッチとは異なる意味での〝テストゲーム〟(勿論、プラクティスマッチとも異なる)を仕掛けてきているように感じてしまう。

 

より少ない人数の選手で、様々なポジションをカバーしていくことで、より少ない人数で、より効率のあるメンバリングを検証していると考えるのは、詮索好きという職業柄の弊害だろうか…。

 

だが、その詮索を後押しするのが、先にもすこし触れた「固定ポジション」と「非固定ポジション」の違いだ。〝ド〟が就く固定ポジとなりつつあるのはハリー&ワーナーの200㎝コンビ、SH、そしてアウトサイドCTBあたり。準固定が、今回〝総外れ〟のフロントロー(#2に関してはかなり競り合う展開。少なくとも14日の公開練習での江見のスローは素晴らしかった!)、そして#10、アウトサイドBKあたりか。

 

例えばフロントでは、総じて若い顔ぶれの中で、今回テストデビューの大塚やベンチから初キャップを目指すイジ―のような〝原石〟が、15か月でどこまでダイヤの輝きを見せるのか、それともまだまだ路傍の石なのか。そしてアウトサイドBKでは、ジョネ始め相次ぐ怪我組がどこまで巻き返せるかという不確実要素と、「今風のアウトサイド」として資質を持つ上ノ坊駿介のような存在の伸びしろ次第だろう。注目される#10も、長期離脱見込みの承信と、着実に経験を積む龍之介のマッチレースになりつつある。

 

この上ノ坊については、エディーも「ここまですこし怪我もあったので、ようやくメンバーに入って来た」と語るように、同じキャップ0組の伊藤龍之介の〝開幕ダッシュ〟と対照的に出遅れはしたが、龍之介同様に、どこまでテストラグビーで資質を輝かせることが出来るか、非常に注目される存在だ。まぁ、ハイボールコンテストのように対外国勢では困難さがあるポジションではあるが、そこでどうポテンシャルを見せられるか、先ずはお手並み拝見だ。

 

BRに関してはこれまで何度も触れてきたように、ゲームプラン、対戦相手等の戦術・戦略、そしてコンディションで顔ぶれが変わるポジションだ。他ポジションのようにポジション分の「3枠」という争いではなく、複数名の選手がカバーしていくことになる。現時点ではFLとして下川くん、ベンさんがスターター、マイケル、ララトゥブアらがベンチを固め、そこにLOとの兼務で当確レベルのジャック、そしてテスト段階のハアンガナ、もう1人のマイケルらが陣取る。そこにコンディションでチームを離れタイラーといったところが主要な顔ぶれと考えていい。

 

フランスという若手も破壊力抜群のチーム相手に、どこまでパフォーマンスを見せられるか。もし歴史的初勝利が起こるとしたら、伏線には「キメ細かさ」があるかも知れないが、ここは勝ったらのコラムで扱えばいいか…。

 

チームは「マスト・ウィン」の鼻息だが、15か月のレースと捉えれば、興味深い試金石の80分間になる。