一日遅れのおさらいを―

 

ファイナリストが出揃った。

昨日の神戸に続いて、国立進出を決めたのはクボタスピアーズ船橋・東京ベイ。

26-24というスコアが、このゲームをよく表している一方で「2点」という差では計り知れない〝差〟も感じた80分だった。

 

ラストツープレーで「追われる側」が予期せぬ相手にセンタースクラムを与えるというミスを犯し、ラストワンプレーで、「追う側」が逆転への反撃のはずがあっさるとゲームを終わらせてしまった驚きの展開。まさに「こんなのあるの?」というプレーの中で、この試合がラストホイッスルの滑川剛人レフェリーの笛が鳴り響いた。

 

様々な〝トピックス〟があった80分だったが、記者席から会見場へと戻る時の頭には、こんな言葉が浮かんだ。

 

「選手層」

 

先に触れたラストワンプレー。勢い付いた野武士が中央スクラムから左にボールを回したが、心中で「ここはポイントを作って次をどう攻めるか」と頭の中で思った瞬間、ブルーのジャージーが、あまりにもあっけなくタッチの外へ押し出された。

 

防御の殊勲者となった船橋#15ショーンが、サイズを生かして反撃を寸断したとも表現出来るが、あそこは攻める側が絶対にタッチラインを割るリスクを避けながらボールを動かすのが鉄則。タッチライン際どころか、15mラインより外側を走るなら、「割らない」整合背を持って攻めなければいけない。〝犯人捜し〟をする気は毛頭ないが、あの左展開をタッチライン際で途中出場のマークスに任せてしまったことが全てだった。付け加えると、起点となったSHが小山から萩原、サポートに動けるはずだったSOが山沢から齎藤と、若手に代わっていたことも祟った。

 

 

▲帝京大1年から選手、レフとして取材対象であり、楕

円球の仲間でもあった滑川テフ。退任を決めた数日後に

話を聞いたが、今後はレフェリーグループでの活動はピ

オドを打って、某自動ーカーでの仕事に戻る。詳

これからだが、同社の持つ広範なスポーツ分野での

活躍も視野に入れて〝サードキャリア〟スタートする。

頑張れ滑ちゃん!

 

 

ライリーからラストパスが渡った段階で、マークスをサポートする選手は、ほぼ0という位置取り。防御に入ったタックルスキルのある相手WTB根塚とショーンなら、押し出すのは容易い作業だった。

 

ラストワンプレーでの逆転劇という結構現実味のある流れの中で、気持ちがトライへと急いてしまったことと、選手個々の経験値(判断力)。この2つの要素が生み出した、すこし不思議な幕切れだったが、先にも書いた選手層は大きな差があった。

 

ベンチメンバーを並べておこう

 

【船橋】         【埼玉】

江良  颯(11)     ⑯ 佐藤 健次(19)

加藤 一希(14)     ⑰ 木原 優作(9)

O・ヘル(17)       ⑱ L・フィナウ(19)

M・オリヴィエ(20)    ⑲ O・バナード(8)

P・ラブスカフニ(3) ⑳ J・ウィルソン(15)

B・ホール(8)    ㉑ 萩原  周(15)

押川 敦治(17)      ㉒ M・マークス(16)

H・ヴァイレア(18)  ㉓ 齊藤 誉哉(16)

※カッコ内は今季出場回数

 

出場回数でいえばわずかながら船橋が下で、ほぼ同数となっているが、この顔ぶれをぶれば、先発でも起用されてきた〝実績〟で大きな差を感じさせる。

今回の準決勝にとどまらず、スピアーズはリーグでも屈指の有力ベンチメンバーでシーズンを戦ってきた。このメンバーの厚みが、この日の明暗を分けたと感じてならない。

 

あの、衝撃的なキックチャージを演じてみせたハラトアも、前半一時出場した時から運動量で状態の良さを感じさせていた。36分のトライも、そんな状態の良さが後押した。

江良は、もう誰もがその実績を認める存在だが、加藤と共にマルコムが下がった後のスクラムで、〝先発セット〟以上の安定感を見せ、ヘルに関しては、言及する必要はないだろう。

 

対照的に野武士は、ラストワンプレーにベンチからの3人が重要な役割を果たしていた、いや、果たすべきだった。マークスは、交代出場してからのトライや、チャンスを創り出したランと、そのシャープな走りはチームも認めるところだが、あの状況であの立ち位置でボールを渡されるのは荷が重すぎる。そしてその3人の一人でもある齊藤君の痛恨のチャージダウンも、同じベンチスタートのハラトアとのマッチアップを踏まえればミスを認めざるを得ない。

 

惜しむらくは、この日は切れまくっていたSO山沢拓也が、後半も健在でプレーしていたらどうだったのだろうと思いを巡らせてしまう。あのチャージダウンも含めて…。まぁ、これは野暮な妄想なのだが、脇道ついでに、すこし数字のおはなしも。

 

スタッツをざっと眺めてみると、かなりの項目で両チームが互角の数字を残している。例えば22mライン内エントリーは勝者からみて7対6,スコア率も3.2点対4.0点、テリトリー47%対53%、ポゼッション53%対47%、ランメーター228m対250mといった具合だ。ただし、後半最後の猛攻までの試合展開で、勝者が野武士をほとんど自陣22mへ入れなかったこと、そしてキック処理からどうボールを動かしていくかというゲームプランでは、選手層同様に勝者に分があったと感じている。

 

 

▲個人的には就任1年目でファイナリストまで行ってほしかった金

澤HC。その一方で、組織委としてここ数シーズンの積み重ねの中で

生じた「選手層」の差を、どう埋めていくかが来季の宿題でもある

 

 

ハラトアに話を戻すと、試合後にあの状況を自ら説明してくれた。最初はゴール内でチームの円陣に入っていたが、目をキッカーに向けると、キックティーの位置、つまりゴールラインからの距離を見定め、同時にティーのボールの置き方(角度)で「あまり蹴り上げるキックじゃない」と判断している。その助走距離も見定める、わずか数秒の判断でアクションを起こした。自らプレースキッカーも務めるからこその判断でもあったが、日本体育大からクボタ入団数年は、まだまだ子供っぽさ、プレー精度の低さを発散させていた原石が、ようやくトップチームの一員としてのクレバーさ、自分で判断する力を持ち始めているのは、HCフランさんを筆頭としたコーチングスタッフによる〝投資〟の賜物だろう。


そんな投資の話のついでに、何度も事ある毎に触れているハナシではあるが、冒頭の「選手層」については、やはりフランさんと、チームマネジメントの、この10年に及ぶブレない忍耐強さと理解の結実だ。

 

フランさんのスピアーズでの取り組みを見ていると、チームを最短距離を効率よく進めるのではなく、組織としての地盤になる文化を築き、選手層にシーズン毎に厚みを持たせ、決してブレないラグビースタイルを固めてきた。不思議な事に、狩猟民の中で育まれてきたラグビーではあるが、まるで農耕民の文化のように、土壌から一つ一つ、年を重ねる毎に改良を重ね、良い品質の作物をバージョンアップさせて行くような作業が大事になる。その加点からすると、フランさんの振る舞いには、南アフリカの狩猟民ではなく、農耕民としての優れた資質を感じてならない。

 

そんな狩猟民の築いたチームと、まさに狩猟民のような攻守に圧倒的な力を見せるチームとの一騎打ち。ヘビー級のような力対力も見ものになるが、2つのクラブの文化が交錯する80分を楽しみたい。

 

▲会見に臨んだ神戸デイブHC(左)とレタリック主将。サンゴリアスの

完敗を嘆いて手を顔に当てている訳じゃないが、凄まじい圧勝劇だった

 

 

興味深いセミファイナル①ではあったが、結果は上位が上位らしい勝ちっぷりに終わった。どこかのタイミングで、コラムにまとめたいが、取り急ぎ土曜の80分をおさらいしておこう。

 

戦前には、こんな関心を持ちながらキックオフを迎えた。

 

・「フロントロー平均年齢」スティーラーズ35.3歳vsサンゴリアス28歳の激突

・奇しくもリーグワンでは数少ない九州共立大の先輩後輩の直接スクラム対決

・2列目はNZ代表で百戦錬磨のブロディと日本代表を牽引する期待のハリーの空中戦

・#6は1年後は同じ桜のジャージーでコンビを組む可能性の選手同士がやり合う

・No8が東海大なら、SHは帝京大の先輩後輩決戦

・インサイドCTBは未来のジャパンの〝隠し球〟vs和製最高峰のレジェンドが対峙

・しんがり#15も未来のジャパンと経験豊富な元ジャパンの激突

 

興味深いマッチアップが山積みだったが、戦前のスタッツにはかなりシビアな数字が並ぶ。

 

 

       神戸     サン

リーグ戦順位 1位        4位

総得点    750①          625④

総トライ数  112①          87④

総失点    456③         625④

反則数    251⑦        168④

※丸数字はディビジョン1順位

 

 

個々のポジションでは注目ポイントが多いカードだが、数字の上では上位チームの優勢をかなりしっかりと示されている。サンゴリアスの主要なスタッツが全てリーグ戦順位に〝相応しい〟ランキングではあった。この日も、結果的にそれに順じた結末に終わってしまった。

 

前半の24-16というスコアだけを見れば、サンゴリアスがかなりいい戦いを見せたゲームのように見える。だが、実際のゲームパフォーマンスを見ると、数字(スコア)に誤魔化される内容だった。キックオフ直後から、接点で1歩でも1ミリでも前に出ていたのはリーグ戦1位チームだった。個々のフィジカル、体の大きさを存分に生かして、スタートから接点を制圧していたのは明らか。司令塔のSO李承信も「そこ(フィジカルの優位性)は感じていました」と振り返る。

 

かなりの優位性がありながら、折り返し時点で混戦気味のスコアになったのは、スティーラーズの個々のスキルの精度不足と、それに伴う反則の多さが響いた。象徴的だったのは、前半25分のサンゴリアスLOジョージ・ハモンドのトライまでの流れ。神戸が自陣からボールを左ワイドに振って、WTBイノケ・ブルアのパワフルなキャリーからCTBタリ・イオアネが左サイドをブレーク。ここまでは、この2人の身体能力の凄まじさを感じさせたが、タリさんがそこまでプレッシャーを受けていない状況から放り投げてしまったパスをカウンターされたのが〝起点〟だった。その後のラインアウトから自陣ゴール前へ押し込まれて、ハモンドが逆転のトライを奏でた。

 

それでも、ゲームが神戸にとって〝良からぬ方向〟へ大きくは傾かなかったのが、この勝者の底力だろう。勢いづくサンゴリアスがアタックのギアを上げて再び神戸陣レッドゾーンまで攻め込んだが、〝NZの至宝〟FLアーディ・サベアが見事なジャッカルで攻撃を寸断。そこから切り返して、11フェーズ攻め立ててNo8ワイサケ・ララトゥブアがトライ奪い返すまで7分しかかからなかった。スコアされてもスコアを獲り返すという必勝パターンは、接戦モードの前半40分間繰り返された。

 

接点の重量感、そして取られても取り返す神戸の得点力を見て、勝手に「勝負は時間の問題」と感じていたが、後半はそんな「地力通り」の展開に終始した。

 

ゲームスタッツも神戸圧勝を物語る。

 

敵陣22mライン内への侵入回数はサンゴリアスの9に対して神戸は14。22侵入しての得点率も敗者の2.2点に対して4.9点と明暗を分けた。アタッキングラグビ―を標榜するサンゴリアスだが、この得点率では厳しい。ラックから何秒でボールを出せるかの「ラックスピード」も、3秒でボールを出せた割合を見るとサンゴリアス53%、神戸59%と、敗者が強みを存分に発揮できなかったことが判る。ランメーターもサンゴリアスの129m対278m、ラインブレーク回数3対10など、攻撃面でのスタッツは悉く勝者が上回り、タックル成功率でもサンゴリアス78%、神戸87%と明暗を分けた。

 

結果圧勝劇というゲームで、輝きを放ったのは勝者の1シーズン目FB上ノ坊駿介と2シーズン目WTB植田和磨の若手アウトサイドBKコンビだった。

 

最初の見せ場は、キックオフからわずか6分。ミッドフィールドでの連続攻撃で、右展開からパスを受けた上ノ坊が防御の薄さを察知して蹴り込んだボールを、トップギアの植田がキャッチしてそのまま先制トライ。アーリーエントリーでデビューした今季、不動のFBに定着するルーキーは、アシストの後は前半21分にアクロバチックなコーナーへのトライも決めている。

 

 

▲いつも爽やか、朗らか上ノ坊君。写真を

見返すと、なにやら自信も浮かび上がる⁈

 

 

後半その勢いは加速する。開始3分のキックカウンターから中盤でパスを受けた上ノ坊が、一瞬の溜めから駆け込んできた植田にパスを放つ。そのまま植田はトップギアへの加速から華麗なステップで相手SOケイレブ・トラスクを抜き去り、SH上村樹輝にラストパスを放った。

 

上ノ坊は、4分後の右展開でも詰めてきた防御のプレッシャーを受けながらの高速タップパスで承信にボールを渡しトライをアシスト。相手防御にとっては、このルーキー#15がボールを持つと自身で仕掛けられるランと、ラインを生かす判断力とパス能力という、2つの攻め手を頭に入れる必要があるため、かなり厄介な存在になっている。現時点で、エディーはジャパンXVも含めた代表系メンバーには選ばれてないが、この日のパフォーマンスも含めてどう評価するかも注目の存在だ。

 

それにしても上ノ坊22歳、植田23歳、そして粗さも見せたがリーグワン屈指のダイナミックなミッドフィールダーとしての魅力を湛えるタリは21歳と、すでに輝きを放ち始める原石が神戸のBKラインに並んでいる。願わくば、桜のジャージーに袖を通すまでには後1年以上かかるタリを、優勝を手土産にオールブラックスの指揮官に就任しようとしているデイブHCが、自分の新天地へ持ち帰らないでほしい。科の国には、他に才能あふれるCTBが五万といるいるはずだ。まだ粗削りとはいえ、この21歳とディランのミッドフォールドコンビは、是非桜のジャージーで拝みたいものだ。

 

そして、思いは1週間後の国立へ向く。FWの重量感、圧倒的なフィジカルに、BKも強さとスピードを併せ持つ西の鉄人は、リーグ戦1位の地力を見せつけた。この最強のファイナリストと国立の舞台で対峙するのは熊谷の野武士か、はたまたベイエリアの〝槍〟か。野武士が勝ち上がれば、リーグ随一の防御と圧倒的な攻撃力を持つヘビー級チームとの一騎打ち、〝槍〟ならヘビー級同士の重厚な〝殴り合い〟のような決戦になる。

 

何れが勝ち上がるのか、そしてキャラクターの異なるどちらとの決勝も、楽しみでならない80分だ。

 

 

 

 

今日の準々決勝第2戦。主役は本来、後半を圧勝したスピアーズなのだが、やはり書き残しておくべきはリッチー・モウンガだろう。

 

リッチーの日本での挑戦が終わった。

 

ブレイブルーパスの一員としての、最後の試合での囲み取材。

左瞼を縫い合わせた姿で現れた#10 は、チームを離れることに Yeah,Really Sadという言葉から語り始めた。その思いは、御託を並べるよりも、話したこと全てをお伝えした方が、皆さん喜ばしいだろう。どこかで、あらためてコラとも考えるが、取り急ぎ12分を超えるリッチー最後の言葉を書き残しておこう。

 

【リッチーQ&A】

「先ず、負けたことは寂しいですが、何よりも東芝での日々が終わってしまったことが一番寂しかった。振り返るといい記憶がたくさんあって、特に東芝で作り上げた友情が何よりも素晴らしいものだと思っています。

 

日本での経験は、人生を変えたと本当に考えていて、記憶を思い返してみると、全てが素晴らしい。特に家族と一緒に日本に来て、新しいライフスタイルを、新しい場所でやっていくのは本当に良かった。最初の2年で言えば、まるで夢の中にいるような経験でした。何もかもが上手くいって、本当に最高でした。

 

(試合後にリーチとハグ)

もうこれで終わりなんだと思うと寂しくて、その思いだけでハグをしていた。もしかしたら、これで二度と一緒にプレーすることは無いかも知れないということもあって、寂しく感じたんです。

 

(試合直後はグラウンドに座り込んでいた)

そうですね、ベストを尽くしました。今回の試合に勝てるように、本当に持っている物全てを自分自身出し切ったし、チームの皆もそうだったと思います。けれども3連覇するというのは、本当に簡単に出来るようなものじゃない。だから、勝てなかったが、全力を出し尽くして終われたのは誇りに思います。

 

(マルコム・マークスへの好タックルもあった)

大きな選手だからね。マークスは勿論そうだし、クボタは本当に素晴らしいチーム。リーグのスタンダードを高めてくれた存在で、対戦する時はこちらも常にベストを尽くさないと勝てないのは分かっている。なので、そういう気持ちで頑張ったし、その点は感謝をしています。力を引き出してくれるいい相手でした。

 

(終盤、ご自身のいいランもあった)

疲れたよ。正直、疲れ過ぎて何も言えないが、3年間(メディアの)皆さんにも本当に感謝したい。日本でのラグビーの普及にすごくいい影響を与えられたと思うし、自分にも、東芝にも興味を持ってくれた。それを更に発展してもらうことで、リーグワンのこの3年を振り返ると、すごくいいエリートレベルのリーグになってきていると思います。その一端を担っていると思うので、すごく感謝しています。僕自身も、そこに少しでも関わることが出来たことを嬉しく思います。

 

(この先のキャリア)

正直、先の事は分からない。何故なら、まず一番大事なことは、次のシーズン1年間頑張って、オールブラックスに選ばれることが大きな目的になる。そのために、ベストな状態で新シーズンに臨むには、コンディションを整えていくことに全力を尽くすことしか今は考えていないからです。なので、その先はまだ分からないのです。

 

(日本のファンはまたリッチーのプレーを観たいと思っている)

そうですね。まだ先の事は分からないですが、何度も言うように、この3得年間の日本でのプレーは本当に最高の経験であり、最高の記憶でした。いつもNZに帰ると皆に話しているが、日本に行く機会があれば、絶対に行くべきだと。生活様式はすこし違うが、日本での生活も素晴らしいし、リーグもいい。ファンの人たちもいつも話しているように最高で、自分のことをすごく応援してくれて、スタジアムに来るといつも自分のホームのように思わせてくれる素晴らしい人たちです。皆、僕の子供のギフトまで準備してくれるようなファンたちがいるので最高のリーグだと思っています。

 

(何が一番恋しいのか)

食べ物かな。それとビールね。それに生活様式かな。すごくシンプルでチルなライフスタイルをしやすい環境だと思う。NZに帰ると、まだすこし違うことになるけれど、それが一番恋しいかな。

 

(府中の馴染みの店ますだやにも行けなくなる)

そうだね。僕が沢山お金を使ったから、居なくなると残念だが閉店すると思うよ(笑い)。

 

(日本のファンへのメッセージを)

本当に感謝してもし切れないくらい最高の経験をさせていただきました。NZに帰る時には、自分の心の中に日本の心を持って帰ろうと思っているくらい本当に日本が大好きになりましたし、家族も含めて最高の時間を過ごせたと思います。すごく感謝しています。

 

(東芝に来季どんなチームになってほしいか)

それは分からない。でも、NZで東芝ブレイブルーパスファンとして見ていきたい。ファン目線でこれからの東芝が楽しみです」

(以上)

 

 

試合終盤の独走を見ても、リッチー自身のスタンダードでは、切れ味のあるランではなかった。股関節の痛みがあったと聞いたが、その影響もあっただろう。もし、この試合で勝利しても準決勝、そして決勝ないし3位決定戦でも、そのパフォーマンスは変わらなかったように思う(本人は否定するだろうが)。ノーサイドのホーンで、ピッチに胡坐をかくような姿勢で座り込んだ姿を見て、やはり足に来ていたと感じざるを得なかった。そんな意味では、リッチー自身が認めたように、出し切った80分だったのだろう。

 

ただ、社交辞令も、母国では支払われないほどのサラリーも踏まえた上で、この3年間の府中でのピッチ内外の生活が、リッチーには予想した以上に満足のいくものだったのは間違いないだろう。

 

日本への復帰には、一切言及しなかったのは、なにやらこの先を想像させたが、この3年間の日本への、そしてブレイブルーパスへの愛着は、実は1シーズン目の言動、形振りでかなり感じられたものだった。

 

手前味噌ではあるが、文末に2年前のコラムを参考文献代わりに――

 

 

 

 

 

                   ▲写真提供:東芝ブレイブルーパス東京

 

 

まだまだダウンジャケットが有難い頃に聞いたハナシをコラムに上げた。

 

「渡邊拓斗ですけど、春に出てくると思います。おもしろいですよ」

 

秩父宮のメーンスタンド。リーグワン公式戦を並んで観戦していた時に、こんな話をしてくれたのは東海大の木村季由監督だった。

 

遥か昔の、あの男の姿が思い浮かぶ。その息子が、東海大のレギュラージャージーを掴もうとしている?

東芝関係者との過去の雑談から、本格的にはラグビーはしていないとは認識していたのが、思わぬ成長をしているのか? あの男〝万吉〟の息子なら、もしかしたらもしかするのか?

そんな思いから、5月の半ばに、東海大キャンパスを訪れた。

 

会っての印象は、そこまでに聞いた相手の誰もが口を揃えた「真面目なヤツ」と同時に、こういう大男の「あるある」である寡黙さは感じさせない話ぶり。おしゃべりという点では、親父は遥かに上ではあったが、言葉を探しながらも、ストレートに自分の思いを伝えようとする少年のような実直さは、どこか親父を彷彿とさせた。

 

 

 

 

コラムでも再三触れたように、まだまだ俄かPRだ。厳しく書けば、PRどころかラグビープレーヤーとしても俄かの領域だろう。そんなレベルのアスリートではあるが、様々な関係者に話を聞く中で、印象深かったのは木村監督の言葉だった。

 

「努力する才能はある」

 

一言で表現すれば、その実直さ、一途さが、渡邊拓斗という男が、誰からも愛される理由だろう。だが、さらに一歩踏み込むと、指揮官が語った「努力する才能」を、会う人誰もが感じ、認めるからこそ、この俄かPRに手を差し伸べてくる。

 

 

 

 

占い師ではないので、「おそらく」の話は差し控えたいが、来春の進路についてはほぼほぼ固まろうとしていると考えている。素材としてはまだまだ未知数の領域ではあるが、〝伸びしろ〟への期待感と〝他の理由〟から、採用の判を押すチーム(企業)があるだろう。そこで、夢破れて仕事に専念するのも一つの生き方だ。だが、どこまで自分で高みを這い上がって行けるのかというスタートラインには、是非立ってほしい。

 

そのためには、木村監督が東海大で与えてくれた挑戦のチャンスを、この1年でどこまでモノにして、結果を残せるかも重要な意味を持つ。次のステージで輝くためにも、この1年の努力は大きな意味を持つ。

 

昨日の自分より今日の自分を進化させる――。誰も強制しないそんなチャレンジを、逃げずに毎日挑戦し続けることが出来るか。いつでも、どこにでも、探せば逃げ道は幾らでもある。だからこそ、真っ向から向き合う事に価値がある。

 

渡邊拓斗の挑戦が楽しみだ。

 

▲昨季はこんな顔ぶれだったけど、今季はどうかなぁ~

 

 

リーグ側から「投票せい!」というお知らせあったので、送ったモノを備忘録代わりにこちらにも挙げておこっと。

 

 

LO Div.1 BestXV

① 高尾時流(スティーラーズ)

② マルコム・マークス(スピアーズ)

③ パディー・ライアン(ブラックラムズ)

④ エセイ・ハアンガナ(ワイルドナイツ)

⑤ ブロディ・レタリック(スティーラーズ)

⑥ タイラー・ポール(スピアーズ)

⑦ ティアナン・コストリー(スティーラーズ)

⑧ ワイサケ・ララトゥブア(スティーラーズ)

⑨ TJペレナラ(ブラックラムズ)

⑩ 山沢拓也(ワイルドナイツ)

⑪ ジョアぺ・ナコ(ダイナボアーズ)

⑫ ジェシー・クリエル(イーグルス)

⑬ ロブ・トンプソン(ブレイブルーパス)

⑭ メイン平(ブラックラムズ)

⑮ ショーン・スティーブンソン(スピアーズ)

新 上ノ坊駿介(スティーラーズ)

 

 

毎シーズン、投票結果とはかなりかけ離れた顔ぶれになるのだが、今季もそうなるだろう。

 

まぁ、カタカナばかり。でも、それも当たり前。

 

今季は、いつも以上に、自身で選びながらも頭の中で「異論」も多かった。

何故かと言うと、チーム毎の観戦試合に偏りが多く、やはり生観戦した選手のほうに評価が傾いている。なので、この記したベストはベストではない。「観た人ベストXV  」と表現するのが適切だろうね。

 

なので、ご覧になって「?」も多いとは思いますが、取り急ぎ。

中途半端なお知らせにはなりましたが、また時間ある時にでも選考理由は挙げとく、、、かなぁ~