第2ラウンド決戦前日となりました。
既に両チーム顔ぶれも出揃い、皆さまどんな想像力で土曜分を思い描いているでしょうか?
〈一応、ご参考までに第1Rもの〉
桜はスターターの総キャップ253、1人平均16.9と第1ラウンドより更に〝若い〟布陣で、平均25.6キャップ(総キャップ384)のホストに挑む80分。約9キャップという双方の経験値差を考えると、第1ラウンドと同等か。キックオフ前々日午前中のエディーHC、ワーナーCptのオンライン会見を少々紹介しておこう。
メンバーリストを見て、2つの質問をした。
① CTBとしての上ノ坊駿介の評価
② 3試合ぶりのリザーブSHの起用
③ 3試合会場のピッチコンディション
エディーが上ノ坊について触れる時に何度か「CTB」という単語を使うのがすこし気になっていたが、交代投入どころか早くもスターターで使ってきた。①の回答として指揮官はこんな評価を語っている。
「複数のプレーが出来て、柔軟な選手だと見ています。しっかりしたスキルセットも持ち合わせているし、プレーする意欲も強い。チーム内では、タウンズヴィルのゲームは非常に速い展開になると考えているので、上ノ坊には適していると考えて決めたんです」
それが「ない」とは言はないが、上ノ坊がインサイドとしてどこまでスピードでインパクトを出せるのかは正直定かではない。天理大時代のSO、そして神戸でのFBでのプレーブルを見ても、ミッドフィールダーとしても、おそらくそう悪くはないだろうが、実際にそこまでミッドエリアで彼のランやラインを動かすプレーぶり、エディーの言う「速さ」を見たことがないからだ。まぁ確かなのは、フィジカリティー、縦への強さを買ってここまでスタートで起用してきたサミソニとの相対的な評価として、速い展開に適しているという解釈はあるのだろう。
上ノ坊の場合〝速さ〟もさることながら、神戸での#15でも頻繁に見せたノールック、トリッキーなパス、オフロード…。このスキルで、もしゴールドジャージーの防御網を崩すシーンが幾度か創り出せれば、ミッドフィールダーとしての株もそこそこ跳ね上がるだろう。CTBの顔ぶれを見ると廣瀬雄也の不在は惜しまれるが、以前にも触れたようにまだまだ〝ディランの相棒〟探しは続く状態の中で、1つ選択肢が増えることになるかも知れない。
同時に、もし上ノ坊にCTBとしての可能性が出てくれば、従来は#10とアウトサイドBKをベースに回していた複数ポジションでの選手兼業に、SO-CTB-FB(WTB)と更に幅が広がることになる。伊藤龍之介はSOプロパーだとしても、矢崎由高をBKスリー中心(意表を突いてのSOコミ)、そして上ノ坊をCTB兼アウトサイド+SOという柔軟なマルチポジション編成を組める。勿論、この若手にFBベースで#10にも上がれる松永拓朗、サム・グリーンも、この〝マルチポジションサークル〟に加わることになる。
②については、指揮官は素直にこう説明している。
「上ノ坊と同じ理由で、速い展開になるということがある。齋藤については十分手応えを感じていますが、80分フルの試合を2試合して、尚且つ長いフライトもあった。その負担も顧慮しての判断で、それと同時に上村も今回非常にいい練習をしていた」
このゲームこそ、齋藤直人がフル稼働する展開になってほしいと願いつつ、ここまでの〝巡り合わせ〟も踏まえて、SH2人体制もやむを得まい。メンバリングで、個人的に感じたのは、かなり調子のいい植田和磨をベンチに下げる必要はないのではないかという疑問。21歳の司令塔との相性も抜群のアウトサイドだ。復帰2戦目の矢崎由高、この試合で復帰の木田晴斗のいづれかキレている方と植田くんのスタート、もしくはアカクロ4年生を終盤の〝超フレッシュレッグ〟として使ったほうが面白そうだ。
①②に対する説明も相まって③は更に興味深いものになったが、エディーによると芝はそれほど短いわけではないものの、固い地盤というオーストラリアのグラウンドの伝統的な傾向には似ているようだ。
このご時世、世界のどこでもグラウンドのピッチの造成は新しい技術で改善、均一化されていると考えてもいいはずだが、実際にはそうでもない。各国のグラウンド状態は、まちまちというのが現実だ。実際にタウンズヴィルのピッチが伝統に則っているため固いのか、偶然そういう作りになったのかは不明だが、そもそも往年のワラビーズが世界を魅了したショートパスを駆使したランニングラグビー自体、この固い地面を生かしたスタイルと言われてきたものだ。エディーは「速い展開になるだろう」と語ったのは、ピッチの固さ以上に、数日前にこのスタジアム(QLDカウンティバンクスタジアム)で行われたNRLブロンコスvsルースターズの12-82というハイスコアのゲームの印象が影響しているようだ。
因みに余談ではあるが、会場のカウンティバンクスタジアムだが、古の2003年RWCで日本が3試合を行ったデイリーファーマーズスタジアム(DFS)とは全くの別物。DFSよりも更にダウンタウンに近く(10分かからず)、2020年にオープンした最新鋭ヴェニューだ。
エディーの見立て通り、このピッチが速いゲーム展開を生み出すのなら、サクラにとってはNZやUK地域のようなぬかるんだピッチよりは「超速」を生かせる期待は高まるのだが…果たして。ただし、ゲームの肝になるのは東大阪で露呈したサポートの不十分さ、反応の悪さをどこまで修正できるのかだろう。まぁ、その集散、サポートの悪さも、固いピッチがマイナスに働くことは無いだろう。
同時に軽視できないのは、対戦相手も酷暑の東大阪で見せたような、プアなハンドリングミスで得点機を潰すようなプレーは大幅に改善される可能性だ。オンライン取材に応じた松永くん情報だと、気候は日本の春程度で「1枚(服を)羽織る程度。ラグビーをやるには最高の状態」という。先週の数多のトライチャンスをぶち壊しにするパスミスが、固いピッチと乾いた空気のおかげで修正されるとしたら、日本の失点はそれなりに高まってしまうリスクも孕んでいる。
勿論試合展開次第ではあるが、テストマッチで勝つには、やはり失点を20点以内に抑え込みたい。ジャパンは、あれだけのワラビーズのワンドリングを中心としたミスに助けられても前週35点を許している。失点を振り返れば、勝ったイタリア戦は10点に抑えたが、アイルランド36点、フランス42点と20点台には抑えられていない。反則数もほぼ10点前後と、ワーストではないが、そこから相手にスコアを許すケースも目につく。ここは、不要な反則を減らして、失点のリスクを更に回避することもポイントになる。



















