▲これが上山田の幹線道路…なんとも寂しい限りだが

 

 

信州半第2回—とエラそうに謳っても、旅程上はこれが最終回ではあるが、昨日書いた通り上山田編をさらっと。絵日記らしく写真満載で。

 

上田「刀屋」での昼食後、すこし寄り道をしながらの移動ではあったが、上山田温泉までは一車線となった18号の渋滞込みで1時間余り。スムーズなら30分強といった距離感だろうか。国道から千曲川を渡った温泉街。期待通り?いや、期待を超えた鄙び方の昭和の温泉街がそこにあった!

 

比較的早い時間帯(17時過ぎ?)ということもあったが、ともかく、いわゆる温泉街は無人に近い状態。先ずは、21時までで女性専用に代わる5階の展望露天風呂に浸かってから、探検に出ようとプランを立てた。

 

時間帯の恩恵もあり、風呂はほぼ独占状態。失敬ながら、一応カシャとさせていただいたが、最高でもないが悪くもない。5階はこじんまりした内湯、外湯に分かれていて、宿のスタッフの説明通りかなりぬるい(体感37℃か)。ほんのり硫黄臭はするものの泉質としては、あまり感じられるものはないお湯だ。この風呂に関しては、スタッフさんからもう一点説明が。「シャワーがとても弱いので…」。うん、なるほど、まさに昭和の〝中堅クラス(いや中の下か? 失礼)〟温泉宿。確かにお知らせ通りの、最近は体験できないトホホのシャワーで汗を流して、早速〝人肌以下〟の展望露天風呂へ!

 

 

▲▼4、5人入ればキツキツの規模ながら、

製の目隠し越しに温泉街も見渡せる展望風呂

 

 

 

でも、このヌルさ。小生にとっては、悪くない。時間をかけて湯舟でボーっとしていてものぼせず長居が出来る。小一時間の放心を楽しみ、温泉探検へ整った。ちなみに1階にある内風呂のみの男湯は、しっかり40℃台。シャワーの水圧も万全。こちらは基本朝まで浸かれるので、深夜と早朝の入浴を楽しんだ。それにしても、余計なお世話だが、展望風呂の男女切り替えが少々ギモンではあった。1階は男湯、女湯をほぼ全日使用可能で、5階を切り替えるのだが、午後から21時まで男湯、22時から朝まで女湯となる。でも、深夜帯に女性が、ほぼ従業員もいない5階の風呂ってどうなのよ。なんだかクレームみたいに受け止められそうだから聞かなかったが、俺だったら早い時間帯は女湯で、深夜帯は男がいいと考えるが、何やらワケアリなのだろうか。

 

 

▲1階の大浴場は20人近く入れる規模で、夜通し入浴もOK

 

 

建物、部屋もまさに昭和の温泉宿ではあったが、一つ高評価だったのは「清潔さ」。最近の外注清掃の宿って、なんだか目の届かなところや、ちょっとした隅の所がホコリだらけだったりするけど、この宿は部屋の洗面台とかもピッカピカ。すこしクサい話だが、トイレの便座とかも、驚く程しっかり〝磨いている〟ような印象だった。

 

部屋は、和室でのふとんよりも腰への負担が少ないかなと考えて、わずか数百円増の和洋のベッド付きにしたが、これで¥6000でおつりがくること自体が、この温泉街の厳しい状況を物語っている。

 

 

▲純和室もあったが、今回はベッド2つの和洋室?いや和室にベッド2

 

 

そんな、ことも思いながら、黄昏にはもう少し時間がかかる温泉街へ。とはいえ、何もかも時間が昭和で止まっている、そして刻々と全てが寂れていく―そんな印象は街を歩き回る間にどんどん高まっていった。

 

あまり出歩く客もいない小道の飲み屋街も、赤いランタンが寂しさをさらに強調する。こちらも勝手なお世話だが、「この街を再生できるのか」と何度も頭に浮かぶ。この状態から、今どきの、インスタ映えするような温泉街にリニューアルするのは、宿に相当な自己投資が求められるが、そんな資金力がある印象ではない。

 

 

 

 

でも、歩いていてふと感じたのは、結構突っ込みどころは満載の街だということ。写真も参考にしていただきたいが、民家の軒先に石のウルトラマンがいたり、この温泉街ではかなり高級かつ繁盛していそうな純和風な宿は、何故か自慢が「シアトルクッキー」であったり。

 

 

 

▲昭和の温泉街の純和風旅館で誇らしげにシアトルクッキー…

 

 

この街最大級の、こちらも高級宿は、1階ラウンジの窓際にゴージャスなソファが屋外に向けて並べられているが、そこから見える風景は殺風景な車通りしか見えなかったり、せっかく土手の上に展望用の東屋があっても、千曲川はほとんど見られなかったりもする。

 

 

▲こちらの窓辺から見える風景。取り損ねたが、ただの殺風景な道路だけ?

 

 

▲素敵な東屋があっても肝心の千曲川は…

 

 

飲み屋街でも、この街並、店構えで「プリンセス」にお会いするのは、相当勇気が必要だ。写真は控えるが、殿方向けのお店の屋号「ギャル」を見ても、瞬時に「この街にギャルはおらん!」と突っ込んでしまう。ホテル看板の「グリーン」を「グリ~ン」にしてしまうのも、一生懸命ハッピー感を印象付けようとしているようで(そういうところに限って、あまりハッピーではない)、なんだか物悲しい。

 

 

 

 

 

 

公共の道標をみても、「もう棚田を見所にするのはやめよう!」と、ついつい心の中で叫んでしまう。すこし暴論ではあるが「ファッション紅谷」にファッションはない!

 

 

 

 

 

 

こう、小一時間諸々突っ込みまくっていて、ふと感じるのは、突っ込みどころ満載のすこしイタイ街を、自虐的なウリにしていけないかということ。で、そのイタさと同時に、まるで渋谷や新宿、さらには長野や上田よりも、わずかながら時間の流れが遅いような、つまり都会での1分が、ここでは1分30秒のようなナガレが、いつでも「ぼーっと」出来る街というウリになるのではないかという思いが、ふつふつと沸き上がっていった。

 

好き勝手書いてきたが、結論としては、すこし時間に余裕のある菅平詣なら、ここにビバークするのもそんなに悪くない。ただし、一泊程度がベターかも知れないが、鄙びた、時間が止まった、突っ込みどころ満載の一夜を味わえる、おじさんのワンダーランドの一つであるのは間違いない。

 

しかも温泉付きだ!

 

 

 

 

せっかく長野くんだりまで来たので、グラウンド外のおはなしも。そんな思いで「おじさん絵日記」信州版を簡単に。

 

古巣の記者時代から30年近くの常宿「ペンションF」が2年ほど前に宿を閉じた。その後に、時折お世話になっているのが今回の代表合宿施設ということもあり、今回は上田での寝泊まりに。ここも、オキニのオンボロ温泉(失礼m(__)m)が不思議と満室だったので、とうとう流浪の民になった。

 

別所温泉という企ても頭に浮かんだが、当初は1泊の短期決戦だったこともあり、上田→別所という、そこそこの距離を回避。結果的に土曜日も取材対応との追加決定もあり2泊の信州旅となったのだが…。で、市内で押さえたのが「犀の角(ゲストハウス)」なる施設だった。ほとんど知識のない施設だったが、菅平詣で階は男子NGのようなので(勿論、行ってません!)、女性は安心かもね。

 

詳しくは、小生が能書きを垂れるよりサイトhttp://sainotsuno.org/  を見た方がいいかもね。場所は、菅平詣のときは時間が許せば立ち寄る「刀屋」から近い。駅からでも、徒歩10分前後の街中だ。お山から上田へ向かう途中の温泉に寄り道して、日が暮れてから恐る恐る到着したが、お宿は小規模シアター兼カフェに併設されたものだった。どうやら、お子ちゃま向けの楽しみながら英会話を学ぶような教室も併設された、なかなかに〝民度〟の高い環境でもあった。

 

カフェでのチェックインで、久しぶりに〝劇場〟の雰囲気を味わう。丁度、東京では花園神社と鬼子母神での「唐組」公演に行こうか行くまいか悩んでいたタイミングもあり、お店の方と、そんなシアターばなしをしながら隣の宿泊棟へ。ゲストハウスと名乗るように、簡単にいえば若干若い人向けのドミトリーといった感じの中に、1階はシャワーとトイレ。2階に、ドミトリーと、これまたこじんまりした個室がワンフロア2室といった構造。3階は男子NGのようなので(勿論、行ってません!)、女性は安心かもね。

 

寝るだけなら十分で、カフェのある本棟には宿泊者向けの畳部屋の食事、団欒スペースもあり、キッチンなども仕えるらしいよ。21:30までは、ここ界隈では広々した劇場カフェでもリラックス出来る。劇は週末中心の開催と聞いた。

 

 

 

 

施設の雰囲気は、ざっと写真の通りだが、比較的新しポストモダン風な建築で、なにより清潔感が気に入った。スタッフの方が「今夜はドミトリーも泊まってないのでいいかも知れませんよ」と話していたが、早朝からの強行軍という影響もあり、後述する〝ライブラリー〟から持ち出した「もりのおばけ」を読んでから爆睡。

 

 

 

 

あれで、ドミトリーに、すこし興奮気味の宿泊者でもいれば、また煩わしさもあったかも知れないが、お宿のほうでも「宿泊棟では静かに」と注意書きも。上田市内では〝おんぼろ温泉(再び失礼m(__)mm(__)m)〟に次ぐビバーク地を開拓した一夜となった。

 

ちなみに先ほど触れた〝ライブラリー〟は、宿泊棟玄関横にこじんまりと置かれた本たちのこと。家族連れなんかだと、まさにお子様に読み聞かせ出来るような本から、すこし大人向けも。ここらへんも、民度の高い宿である。

 

 

 

 

せっかくなので、ひとっぷろ浴びた温浴施設も。別所まで足を伸ばさないと温泉環境は豊富と言えない上田・真田界隈。通常なら「十福の湯」、須坂サイド「湯っ蔵んど(こじつけも甚だしいが、これで「ゆっくらんど」と読む)」、東御方面の「湯楽館」などが主要立ち寄り湯ではあるが、今回は移動の疲労もあり、チカバの「ふれあいさなだ館」へ、まさに立ち寄った。

 

過去の経験でも、そこまで「ありがたや」と感じる湯ではなかったが、夕メシ前の時間帯?のせいか、かなり客人も少なく、内風呂、露天ともに小生含め2、3人でゆったり出来たのは好印象。湯としてはやはり〝ぼちぼち〟だが「ぼーっとする」恩恵は十分に味わえた。銭湯と大差ない木戸銭(¥650)でこの環境なら、これはこれでOKだろう。

 

 

 

 

そして今宵は、またまた一足伸ばして上山田へ。なんとなく「芸者さん呼んでおおはしゃぎ」という昭和のイメージしかない温泉街だが、場合によっては昨夜の宿に続き今後の〝詣〟でも候補になるのか。楽しみである。

 

 

(追伸)

先ほどFBにもアップしたもののコピペではあるが、運よく上田最良の昼メシにもありつけた。

 

………以下コピーもの………

 

 

▲ご存知の方は当たり前だがコレで並。食いしん坊も気をつけよ

 

 

個別も含めてDay2は早めに終了

あまり期待してなかったが営業時間に間に合った👍

地元民は別の名店を押すが、香りプラス〝歯応え〟という表現が当てはまる太さ硬さが癖になる。

 

▲この日のベストXV参加者は…7人制ベストⅦじゃありません

 

 

連覇の余韻も残る中で翌日にはアワードが開催されて2024⁻25シーズンに幕が下りた。

 

で、アワ―ドとなると当然発表されるのはベストXV。選手、関係者、メディア、ファンも票を投じる中で「今季の15人」が決まった。

 

それぞれが、それぞれのベストXVがあるので、当然賛否は様々。アワード前の段階で〝先だしジャンケン〟で、小生誰に投じたかをお知らせしておこうかとも思ったが、今回は〝オフィシャルXV〟と〝ヨシダXV〟、そして実はこちらが面白い(?)次点、言い換えれば〝裏ベストXV〟も並べてみようと、アワード後の掲載に。

 

投票は、リーグ側が設けた出場数などの条件をクリアした選手の中でという制約。レッドカートを喰らった面々は選出資格を失い、FL、No8などのポジションけもリーグ側の設けた枠内で投票といういつものパターンだ。ベストXVとヨシダXVは、リーグ側の枠組みの中での投票というわけだが、〝裏XV〟は条件、制約に捉われない中でピックアップした15人だ。

 

敢えて自分XVと〝裏〟を併記したのは、ベスト、自分XVに選ばれた面々が、あまりにもハイレベルな選手ばかりというのも一つの理由。裏XVメンバーの中には真の次点選手もいれば、先に書いた規約外の選手、そして感情移入選手もいるのはお許しを。リーグからの注文で、LO、FL、CTB、WTBは左右に捉われずに2名記入だったが、〝裏〟ではオープン・ブラインド、インサイド・アウトサイドと分けて選んでいる。それぞれの15人を別表で書いた方が見易いとも思ったが、対比のために敢えてポジション毎に併記とした。

 

 

■リーグワンオフィシャル&自分&裏XV+新人賞、MVP

   (太文字はオフィシャル、☆は自分XV、裏は次点XV)

 

【PR1】

  木村星南(東芝ブレイブルーパス東京)

 ☆木村星南(東芝ブレイブルーパス東京)

(裏) 紙森陽太(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)

 

【HO】

       マルコム・マークス(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)

   ☆マルコム・マークス(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)

(裏)日野剛志(静岡ブルーレヴズ)

 

【PR3】

  オペティ・ヘル(船橋)

 ☆山下裕史(神戸)

(裏)オペティ・ヘル(船橋)

 

【LO】

     ブロディ・レタリック(神戸)

     ワーナー・ディアンズ(BL東京)

    ☆ブロディ・レタリック(神戸)

    ☆ワーナー・ディアンズ(BL東京)

(裏) エセイ・ハアンガナ(埼玉)

        マリー・ダグラス(静岡)

 

【FL】

     クワッガ・スミス(静岡)

  ビリー・ハーモン(横浜)

     ☆ラクラン・ボーシェー(埼玉)

     ☆クワッガ・スミス(静岡)

(裏6)マイケル・ストーバーグ(BR東京)

(裏7)大戸裕矢(静岡)

 

【No8】 

    リーチマイケル(BL東京)

    ☆ワイサケ・ララトゥブア(神戸)

(裏) パブロ・マテーラ(三重)

 

【SH】

         TJ・ペレナラBR東京)

     ☆TJ・ペレナラ(BR東京)

(裏) 日和佐篤(神戸)

 

【SO】

       リッチー・モウンガ(BL東京)

   ☆リッチー・モウンガ(BL東京)

(裏) 田村優(横浜)

 

【CTB】

           ディラン・ライリー(埼玉)

           ダミアン・デアレンデ(埼玉)

       ☆ディラン・ライリー(埼玉)

       ☆ロブ・トンプソン(BL東京)

(裏12)リカス・プレトリアス(船橋)

(裏13)ハニテリ・ヴァイレア(相模原)

 

【WTB】 

            ヴァレンス・テファレ(静岡)

            ジョネ・ナイカブラ(BL東京)

        ☆チェスリン・コルビ(東京SG)

        ☆ジョネ・ナイカブラ(BL東京)

(裏11)松永貫汰(神戸)

(裏14)ジョアぺ・ナコ(相模原)

 

【FB】

       松永拓朗(BL東京)

  ☆松永拓朗(BL東京)

(裏)押川敦治(船橋)

 

【MVP(D1)】

リッチー・モウンガ(BL東京)

※メディア投票なし

 

【新人賞】

       北村瞬太郎(静岡)

   ☆ヴェティ・トゥポウ(静岡)

(裏)タリ・イオアサ(神戸)

 

 

ルースヘッドは機動力も含めたトータルバランスで、タイトヘッドは〝押し〟で選んだが、次点の2人はその逆の評価ポイントで。裏HOは、リーグで最も〝気が利く〟男を選んだ。勿論酒席でジョッキが空になる前に注目してくれるような気の利かせ方ではなくプレーでのこと。これからを期待される若い日本人HOなら誰もがお手本に出来る、するべき選手だ。

 

セカンドローは〝ベスト〟2人のパフォーマンスが圧倒的だったが、マリーのようなピッチで体を張り続けるワークレートとしぶとさ、絶えることのないファイティングスピリッツが、やはりリアルLOの真骨頂。エセイは、前へのキャリーと同時にオフロードのような、ボールを横に動かせるモダンLOとして評価、注目の選手として選んだ。

 

3列は議論と悩む余地は十分あるポジションだが、こちらも〝ベスト〟〝自分〟3人が、オープンタイプのFLとして世界の水準を見せ続けたのに対して、〝二子玉のマイケル〟の無尽蔵のワークレート、大戸のゲームを読んだ接点、ルーズプレーでの駆け引きを評価した。パブロは上記FL2人を選ぶために#8に回した。

 

No8は裏を返せば、それほど評価、選出が難しかった。どの選手も1位投票には何か足りない。象徴的なのは〝府中のマイケル〟。シーズン通算タックル成功回数296は、2位に60差をつけてのダントツ1位。試合数は違うが、参考までに昨季の1位フランコ・モスタートは229回。300近いタックルで、自身初のベストタックラーを受賞し、オフィシャルのベストXVにも選ばれている。文句のない活躍を見せたのだが、フィジー人の血を感じさせるスピードをベースとした攻撃面でも高いスタンダードを見せてきただけに、マイケル基準で今季「ベスト」に投じるのを躊躇した。そうなるとベストはパブロであるべきだと考えているが、残念ながらこのポジションでのノミネートはなかったために、フィジカルだけではない高いワークレートでも次世代の〝桜〟の資質を湛えるマイケルの後輩に1票を入れた。分厚い上位争いの〝とばっちり〟を受けたのはFL/No8吉田杏。三河からの移籍で覚醒の時を感じたが、なかなか圏内に食い込めず。それでも、今季の活躍は「ポスト姫野」への挑戦権を与えるに十分なパフォーマンスだった。

 

#9は言わずもがなのTJに、〝裏〟は船橋のスピード系、チームの苦境を巧みな判断力で支え続けた是政のベテランらと悩む中で、3位に食い込むまでの終盤戦の判断力、勝負勘を発散させた神戸の38歳を選んだ。このチームは、#9以外にも、今日6月1日に40歳に達したタイトヘッド、34歳のオールブラックLOと、おじさん軍団が推進力となって3位を掴んだ。

 

#10も#9同様に圧倒的過ぎた。で、その〝裏〟は、様々期待の若手はいたものの、やはり相手の嫌な事を仕掛けてくる〝人の悪さ(失礼!)〟で、この男の右に出る者は、まだまだ現れない。若き司令塔よ、もっと悪い人になれ!(ただし対戦相手にとってね)

 

 

▲2季連続の圧倒的MVPも、アワードは昨夜のアルコールを

多分に残してのご機嫌参加。「東芝はHard Work,Hard Drink

ね!」と声をかけると「Hard Work,Harder Drink!」だとさ

 

 

CTBも候補はザクザクといた。France2023前からの輝きを今季も発散し続けた〝ハマのジェシー〟、終盤戦でボールドライバーとして円熟の味わいを魅せた〝神戸のティム〟、〝浦安のサム〟も復帰後に流石の存在感をみせたが、2027へ向けた桜のジャージーでも期待度の高い2人に投じた。実績、ネームバリューでは〝ベスト〟に選ばれたダミアンかも知れないが、シャープなランでの仕掛けも、アウトサイドを生かすパスも、今季のロブは一票を投じる価値のあるパフォーマンスを見せてくれた。ライリーと共にアウトサイドに強みを感じるが、優勝チームでのアタックの仕掛け、ラインを動かせる能力に加えて、防御のレンジやスキルも含めての選出。

 

アウトサイドは、怪我の離脱は残念ながら、シーズン毎に「ただの」走り屋から〝府中のセヴ・リース〟へと進化を続けるジョネはマストの一票。〝ベスト〟に選出された〝遠州のダンプカー〟も、ラン、接点とインパクトを残したが、パワー系WTBであっても基本的には走り屋タイプながら出場19試合で8トライはやや物足りない。〝ボカ〟のフィニッシャーは、チームの苦闘もあり厳しいシーズンではあったが、相模原を去ったカートリーと共に、走るだけじゃなく、トライチャンスを創り出すクリエーターとしての存在感で、常に観るに値する選手だった。

 

しんがりFBに関しては、絶対的な存在が希薄なシーズンでもあった。離日前の数試合での日本のラグビーの理解力を見れば、現チーフスFBが船橋でプレーを続ければベストに浮上した可能性は高いが、代表経験もプラスしての日本一#15の成長もベストには相応しい範疇と評価しよう。〝裏〟に推した押川くん。勝利への貢献度なら1歩譲ったが、〝ベスト〟との格差は実はそう大きくない。昨季の松永くん同様、すこし国際舞台でチャンスを得て経験を積めば、イッキに真のベストに躍り出る可能性は秘める。もしかしたら、来季以降のベスト選出は#15じゃなかも知れないが…。敢えて〝次々点〟を紹介しておくと、FB兼ダブルSOという評価での伊藤耕太郎くん。

 

新人賞は、文句なく今季15Tの#9となったようだが、シーズン中にチームが勝っていく上で大きく貢献したのは―と考えた時に、敢えて同僚のBRを選んだ。もちろん北村くんも、あのトライ数で十分勝利に貢献したが、フィジーから摂南大学にやって来て、昨シーズン静岡へ。経歴、存在こそ地味だったが、190㎝クラス(決して超大型ではない)であのしなやかなスピードを併せ持つバックローは、今季怪我で〝不発〟に終わった環太平洋大OBティアナンと共に〝超速〟時代の3列としての魅力と可能性を発散させる。こんな原石に、是非Brightest Hopeとしての一票を投じたかったし、もう1人の、粗さも洪水のようにあるが、同じくらい、否それ以上の可能性も発散させる〝大原石〟、投票対象外のミッドフィールダーを〝裏〟に挙げた。

 

各賞受賞者等はリーグHPをご覧いただきたいが、HPにアップされていない(たぶん→事後注釈:すみませんHP■ベストフィフティーン獲得ポイント数の表に覚者投票数掲示アリ)ものに、チーム監督/HC、キャプテン、メディア、ファンなどの投票詳細のデータがある。あまり事細かに書いてもどうかと思うので興味深い票を紹介すると、コーチ、キャプテン投票で顕著に他と違ったのは、PR3パディー・ライアンがかなり高位に位置(共に2位)していたこと。でも、押しの強さではこの票は正当だ。個人的な見解をしておくと、シンプルに押しの強さなら小生が投じた〝戦う課長〟と互角かやや上かも知れない。だが、静岡戦序盤のスクラム戦で相手をガッチリと受け止めて、好きなように組ませなかった殊勲など、シーズン中でも重要な勝負に大きな貢献をみせた点で課長を推したい。

 

我々メディアの票は残念ながら人気・知名度投票のような体なので語る必要もないのだが、他には同じ監督、キャプテン票でNo8の1位はコーネルセンとマキシというのも、なんとなく頷ける。CTBのキャプテン投票では、ロブがディランを上回る2位、関係者による表彰選考委員会の票では、FLがクワッガ&ヴェティの静岡コンビ、CTB2位タイにリカスが入っているのも興味深い。

 

 

 

取り急ぎファイナルのおはなし。詳細はあらためて。

 

スコア以上にブレイブルーパスが〝マウント〟と取った80分だと感じた。

キックオフでの、マイケルのキャッチ→ボールキープからの展開で、接点で重圧を受け止め、スクラムでも前半30分のコラプシングまではガッチリと組み合えたことで、ルーパスの勝機がいきなり跳ね上がった。

 

スピアーズの強みに立ち向かったFWに対して、HCのトッドさんは「(スピアーズはじめ)FW戦で私たちを圧倒したいというチームが多い中で、そういうチャレンジに対して、選手、コーチが進んで立ち向かってくれたと思う」と前8人を称賛。ここがゲームの大きな岐路になった。

 

さらに勝負の一つの〝肝〟と感じたのは、SNSでも呟いたが3つ目のクォーター、つまりルーパス22-10で始まった後半開始からの20分。反則数1対5、22mライン内部侵入4対0。この数値で、相手が巻き返しをしようと挑んでくる20分間を戦えたことで、勝利のメーターはさらに府中サイドに傾いた。残り15分で相手が反撃に転じたが、「ラインアウト→モール」の繰り返しでのタイムロスで万事休した。

 

この日〝も〟ヒーローに輝いた#10リッチーは、試合後に右手の骨折を明かしたが、HCトッドさんの「70%出場は難しいと思っていた」という見通しに対して、本人は「絶対出るつもりで準備した」と涼し気に語った。そんな状態で、主導権争い最中の開始8分に自ら個人技でトライを奪ってしまうのが恐ろしいが、本人は「ただプレーをしただけ」。

 

 

 

 

スティーラーズ戦での負傷だったが、リーチの誘いもあり3日間、高圧酸素カプセルでの治療を続け見事に回復。そんなサポ―トをしてくれたクライストチャーチの先輩に#10は「兄貴のような存在」と話したが、〝兄貴〟のほうも「府中という町を、そして東芝というクラブを心から愛してくれている。日々そこで暮らしながら、チームにコミットしてくれているのがパフォーマンスに表れているかなと思う。本当に一緒にプレーしていて嬉しく思う選手」と語っている。

 

リッチー&リーチの、まさにBrothers-in-armsが、このチームの強さの大きな柱になっているのは間違いない。

 

 

 

3位決定戦。雨だ、風だ、雷だ! と自然の猛威に晒され中断すること48分。お隣神宮での、雨に弱いはずの競技による伝統の一戦が普通に続けられたのは色々今後の課題はあるかも知れないが、なんとかフルタイムで決着はついた。その結果、リーグワン発足から過去の3季は全てファイナルに進んだ野武士が4位に沈み、西の鉄人が2018-19年シーズンのトップリーグ制覇以来6シーズンぶりのトップ3に返り咲いた。

 

互いに幻のトライありという後味の悪さはあった。15-17のビハインドで迎えた後半25分の鉄人のノーグラウンディング、野武士の逆転と思われた後半34分のノックオン→ノートライ。鉄人がノートライ判定後の敵陣ゴール前タップスタートからしっかり逆転したのに対して、野武士は残り時間の少なさもあって、仕留め切れなかったのが5点差という結末になった。

 

もちろん勝負を分けたのは、他にも理由がある。

勝者からみれば、一つの象徴的なプレーが後半17分にあった。ノートにはこう殴り書きした。

 

「57min ワサ セービング!」

 

野武士が4分前の〝エース〟マリカ・コロインベテのトライ(ゴール)で14-15と迫る中で、ミッドフィールドのイーブンボールに凄まじいスピードでセービングに入ったのが〝ワサ〟こと38歳の#9日和佐篤だった。勿論、その時間帯からも野武士もスコアチャンスを何度も掴み、実際に一度は17-15とリードを奪うPGも獲得している。だが、この火の出るようなセーブが、逆転無双の野武士の反撃を数分遅らせ、結果的に5点のビハインドを守り切った要因になった。

 

雷中断のとばっちりで、3決戦の後に設けられた決勝前日会見を優先したため、この38歳のハッスル38歳のハナシは聞けなかったが、この日のような伸るか反るかの死闘のときこそ、経験豊富な「オジン(失礼!)」の役割があると痛感させられたプレー。鉄人にはこの38歳に加えて、34歳でフルタイム献身的に動き続けるLOブロディ・レタリック、気の利いたパスでアタックラインを操る〝ティム〟ことCTBラファエルティモシーと、頼りになるチームオジンが居並ぶ。彼らの勝負どころという状況での体を張ったプレーが、チームを鼓舞し、戦うためのテンションを緩めない。

 

対する落ち武者になってしまった野武士は、序盤から僅かながら無理なパス、ハンドリングミスで、攻撃権を手離すシーンが目につく。もっと無理せず、余裕と忍耐力を持ちながら攻撃を続ければ、まだまだ粗さがある鉄人の綻びを突ける機会があったと思われるが、どうしても気持ちがゴールラインに向いてしまっているような印象。若干メンバーリストに〝手を入れた〟影響が、いつもの余裕の無さに繋がったように感じたが、皆さんどう観ただろうか。

 

正直にいうと、失礼ながら今季の鉄人は、地力としてはトップ4よりすこし下位だと感じていた。このレベルのチームのスタンダードを考えると、フィジカリティーや攻撃力は十分に渡り合える一方で、プレーの精度、遂行力という部分ではどうかと感じてきた。先に触れたオジングループと新しい世代がミックスされたのが今の神戸。「有り余るパワーと同時に、どうしても粗さがあるチーム」。僭越ながら、そんな見方をしてきた。すこし意地悪に書けば、4強常連のサンゴリアスの苦闘、そしてQFでレヴズ自慢のスクラムを〝戦う課長〟山下裕史らFWがガッチリと受け止めたことが、3位ジャンプアップに繋がったと感じている。

 

その粗さを残す中で、スタメンで半数の「オジン」以外の若手が準々、準決、3決という一発勝負の修羅場を経験して、尚且つ準決以外で勝ち試合を体感出来たことが、来季以降への大きな財産になるはずだ。勿論、3位で臨む来シーズンのシード(組合せ振り分け)でも恩恵はあるだろう。古豪・神戸の本当のトップ4以上のバトルは、来季から始まる。

 

個人的には存在自体疑問を持つ3rd Finalだが、十分に見応え、ゲームや選手の〝ヨミ応え〟のある80分だった。その一方で、この土曜日は3決戦の後に決勝前日会見も準備されていた。冒頭に触れたように、長い〝空白〟のとばっちりもあって、試合後の取材対応と、前日会見が重なってしまう異常事態。秩父宮のミックスゾーンでの取材を泣く泣く諦めて、国立会見室での前日会見へ赴いた。以前にも何度か触れたように、防御のスピアーズvs攻撃のBルーパスの様相だが、会見のHC、スキッパーは揃って「自分たちのラグビーが出来るか」を焦点に挙げた。

 

 

興味深いのは、互いに指揮官が決して短期間とはいえない時間を使って、チームの文化やストラクチャー、スタイルを築き上げてファイナルに辿り着いたこと。効率ではなく、じっくりと土台を創り、勝つための肉付けをして、最高峰の舞台に戻って来た。

 

2025年6月1日国立。チケットセールスは5万枚を超えている。フルキャパシティ67750席の器としてはあと一歩だが、実は夏の世界陸上等の準備で、使用不可の席もあるための数字でもある。使用可能な座席からの換算では、かなりの席が埋まることになるシーズンファイナル。この舞台が、一昨季のスピアーズ、昨季のルーパスから、さらに分厚い戦闘装備を肉付けした両雄による、過去最高の80分になると期待して、15:05のキックオフを待つ。