青山高原は"風の通り道" 国内最大級の風力発電施設を見学 | シニアの の~んびり道草

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日頃の散歩や近場のドライブ、時には一晩泊りでぶらっと訪ね歩くことがある。そんな折、おお! これは綺麗だ、これは凄い、これは面白いと感嘆したり、感動したようなことを、思いつくまヽアルバム風に綴ってみる。

6月7日、三重県伊賀市東部から三重県津市西部にかけて広がる青山高原を訪ね、高原一帯に設置されている風力発電施設などを見学してきた。

青山高原は若狭湾から琵琶湖をとおり伊勢湾まで抜ける風の通り道になっており、年間平均風速約7.6m/sの安定した風を得られる環境にあり、それを利用して高原全体に風車(風力発電機)が91基建設されている。内訳は新青山高原風力発電所40基/80,000kW 及び青山高原風力発電所20基/15,000kW 、久居榊原風力発電施設4基/3,000kW、ウインドパーク美里8基/16,000kW、ウインドパーク笠取19基/38,000kWであり、合計最大出力は155,000kWで風力発電施設としては国内最大級を誇る。

青山高原を貫く県道512号線青山高原公園線は、三重県津市榊原町から青山高原を通って伊賀市伊勢路に至る延長約23kmの道路で、青山高原区間約15kmは2車線に整備され、絶景、快走路、ワインディングの3点すべてを含んでいるツーリングスポットとしても人気がある。写真は円山草原展望所から新青山高原風力発電所の風車群を望む。




青山高原ウインドファームの発電施設の全体配置図。青山高原ウインドファームとは、風力発電事業及び電力の供給を行う企業であり、かつ同社が保有する青山高原に位置する集合型風力発電所の名称である。中部電力グループのシーテックのほか、三重県津市と伊賀市が出資する第三セクターで、出資する両市に跨って位置している。([株]青山高原ウインドファーム公式HPから)


県道512号線から高原一帯に林立する風車群を展望する。


県道512号青山高原公園線を走ると、至るところに大型風車が立ち並んでいるのが見える。


青山高原ウインドファームの青山高原風力発電所の様子。青山高原が日本最大級の風力発電拠点となっている理由は、①年間平均風速が7.6m/s以上で風況に恵まれていること②航空自衛隊のレーダーサイトがあるため特別高圧線(22kV)が架設されており、系統連系が容易だったこと③風力発電機の部材を輸送するための道路(国道165号と県道512号)が整備されていたことの3点が挙げられるという。


青山高原風力発電所(発電出力15,000kW)の説明用看板と注意看板。周辺一帯には発電用設備があり、車両の駐車、地下埋設物に対する注意標識が立てられている。


カーブを曲がると、突然巨大な風車が姿を現わしビックリする。


風車のブレード(風車の羽部分)は最も大きいもので直径80mのものがあり、近づいて仰ぎ見るとその巨大さが実感できる。


風力発電機の各部名称 出展:NEDO「風力発電導入ガイドブック」より。


青山高原風力発電機を間近で見れるのは、「さかきばら風の館」近くのここだけ。規模はローター直径80m、タワー(支柱)高さ65.4m、出力2000kW。陸上に建設される風力発電機の場合、ブレードが最も高い位置に来るときの高さは120m以上に達することがあり、高さ120mというと30階建てのビルに相当する高さ。また、ブレードの回転の直径が80mを超えることもあり、高さだけでなく幅も大きいことが分かる。


往路は主に伊賀市側の風車群を見てきたので、帰路は津市側を見てくる。


青山高原は伊賀の国と伊勢の国を分ける布引山地に属し、主峰笠取山(標高842m)は若狭湾から琵琶湖を経て伊勢湾へ抜ける"風の通り道"であり、地名の由来も、"笠が取れるほど強い風が吹く"ところから来ており、平均風速7.6m/sと本州屈指の好風況地域である。高原を貫く県道512号線沿いの青山公園第三駐車場で、コンビニで用意した昼食とトイレ休憩をする。青山高原唯一のカフェウインディーヒルは営業していなかった。



三重県伊賀市奥馬野字布引853-1 青山高原風力発電所のMAP