一足先に春満開 夜叉堂の河津桜が咲き誇る | シニアの の~んびり道草

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日頃の散歩や近場のドライブ、時には一晩泊りでぶらっと訪ね歩くことがある。そんな折、おお! これは綺麗だ、これは凄い、これは面白いと感嘆したり、感動したようなことを、思いつくまヽアルバム風に綴ってみる。

気象庁は3月14日、東京都心部で桜(ソメイヨシノ)が開花したと発表した。平年より10日早く、今春のソメイヨシノの開花発表は全国で初めて。暖かい日が続き、全国各地でも開花時期が平年より早まる見込みという。

そんな中、新聞報道で岐阜県西濃地域に伝わる雨乞い伝説「夜叉ヶ池伝説」ゆかりの神戸町安次の「夜叉堂(やしゃどう)」で、早咲きの河津桜が見頃を迎えていることを知り、早速、その日(14日)に行ってきた。

夜叉堂は、岐阜県安八郡神戸町にある神社である。正確には神社や寺院とはいえないが、その性格上、神社扱いで記述する。夜叉堂は、平安時代に実在したという夜叉姫とその父親である郡司安八太夫安次を祀る。毎年8月16日には、例祭である夜叉龍神大祭が行なわれる。夜叉堂の隣にある萬歳館には、夜叉姫、夜叉ヶ池の資料を展示しており、夜叉姫絵伝や夜叉ヶ池登山往程の図の他、同町日吉神社の日吉山王祭、善学院(日吉神社の別当寺)などの資料も展示している(この項フリー百科事典 Wikipediaによる)。



夜叉堂入り口の案内板と早咲きの河津桜。新聞報道もあって多くの近隣住民らが訪れていた。


ここは知る人ぞ知る桜の名所で、一足先に春を感じられる。桜色の衣装で満開の桜を楽しむ人も。


3年ぶりに、新型コロナウイルス対応の行動制限もなくなり、暖かい日差しを浴びて子ども連れの人たちも満開の河津桜を楽しんでいる。


夜叉堂一帯の約20本の河津桜は、当主が15年ほど前から植えており、青空に色の濃い河津桜が映え美しい。


青空に映える濃いピンク色の花が、今、まさに満開である。


鮮やかに咲き誇る花枝をズームアップ。


ソメイヨシノよりも赤みがかった可憐な花弁をズームアップ。


夜叉龍神の本地伝説の現地案内板。弘仁8年(817)、延暦寺の荘園である美濃国平野庄(現、岐阜県安八郡神戸町)は大干ばつに見舞われた。この時、郡司の安八太夫安次が道端にいた小さな蛇に、「もしそなたが雨を降らしてくれたなら、我が娘をやろう。」と語ったという。この小蛇は揖斐川の上流に住む龍神であり、安次の夢枕に「その願いをかなえよう。」と告げ、その夜、大雨を降らせた。翌日、約束どおり娘をもらう為、龍神は若者の姿に変えて安次の前に現れた。安次が娘たちに事情を話すと、一番心がやさしい次女(三女の説もある)が、「村人を救っていただいたからには、喜んで嫁ぎます。」と、若者とともに揖斐川上流へ向かったという(この項フリー百科事典 Wikipediaによる)。また、『夜叉ケ池』は泉鏡花が大正2年(1913)に発表した戯曲でも知られ、これを原作とする演劇や映画化もされている。


夜叉堂は、安八太夫安次が龍神と龍神に嫁いだ娘の夜叉姫を祀る祠を、自宅内に建立したのが始まりという。昭和2年(1927)、安八太夫安次の子孫、石原家(戸主は代々石原伝兵衛を名乗る)により整備され、境内に夜叉姫観音を祀る。写真は群主安八太輔安次公と夜叉姫の碑(左)と夜叉堂。


岐阜県安八郡神戸町安次151-2 夜叉堂のMAP