日本三大桜の一つ 淡墨桜で春の義理を果たす | シニアの の~んびり道草

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日頃の散歩や近場のドライブ、時には一晩泊りでぶらっと訪ね歩くことがある。そんな折、おお! これは綺麗だ、これは凄い、これは面白いと感嘆したり、感動したようなことを、思いつくまヽアルバム風に綴ってみる。

淡墨桜は、本巣市根尾板所の「薄墨公園」にあり、拙宅から北西へ約30㎞、車で約40分のところにある。ここは、言わば私のホームグラウンドでもあるので、満開の見頃には毎年訪れているが、コロナの感染拡大で外出自粛が呼び掛けられている現状なので、出掛けるのを躊躇っていた。

4月1日のNHKおはよう日本のニュース番組で、京都仁和寺の遅咲き桜「御室桜」の中継をしていた。番組のナレーションで「川端康成の小説『古都』に「御室の桜もひと目見たら、春の義理が済んだようなもんや」という一文がでてくるのを紹介していた。仁和寺の御室桜を見ないと、「春の義理」を果たせないというわけだ。「春に対する義理」という表現、なかなか味わいのある言葉だ。

そこで、私も淡墨桜をひと目見ないと“春の義理”が果たせないというわけで、早速支度をして出掛けることにした。コロナ禍で花見客が多ければ引き返すつもりだったが、客足は極端に少なく例年の見頃のときの2割にも満たない状況で、駐車場もガラガラ、料金も無料だった。例年なら周辺を賑わす30店ほど並ぶ露店もなく、僅かに地元の店が数軒営業しているだけだった。



淡墨桜はエドヒガンザクラで、樹齢1,500年以上とされ、山梨県の「山高神代桜」と福島県の「三春滝桜」と並んで日本三大桜の一つとされる。また、継体天皇お手植えという伝承や、枯死寸前の老木の起死回生術、作家の宇野千代がその保護を訴えて、活動したことでもよく知られている。今年も華やかに色づき、訪れた人たちの目を和ませている。


駐車場の桜の枝越しに真っ白く冠雪した能郷白山を望む。福井県との県境に位置する能郷白山(1,617m)は、泰澄によって開山されたと伝えられ、白山信仰の霊山として古くから多くの人々に崇拝されてきた。


この坂道を上り、店の角を曲がったところが薄墨公園である。


最初に目にする光景は、樹齢1,500余年の淡墨桜と樹齢約100年(大正12年[1923]観音堂建立記念樹)の淡墨二世の共演である。


淡墨桜の正面ともいえる北東側からの眺めで、記念写真はこのアングルでの撮影者が多い 。平成30年9月4日の台風21号の暴風で、直径20~30㎝、長さ6~8mの大枝4本と小枝3本の計7本が折れた。折れた枝の断面は、防腐処理が施され黒くなっており、一見、どこが折れたか分らないくらいだ。全体的なシルエットは台風前とほとんど変化がないようだが、各枝間には隙間が見られる。


南東側から樹齢1,500余年、高さ17.3m、幹回り9.4mの大樹を見る。樹齢1,500年と言うと飛鳥時代よりも前の後期古墳時代から咲いていることになる長寿の樹で、どっしりとした風格がある。


西側の少し高い所からの眺めで、例年より一週間ほど早い3/24に開花、3/29に満開になり、今がまさに見ごろだ。


北西方向からの眺めで、枝張りは東西26.9m、南北20.2mの巨樹。沢山の支柱に支えられて、力強く優しく咲き誇っている。


長い年月をかけ複雑に入り組んだ巨樹の本幹部分で、この眺めが一番貫禄があるようだ(南東側から)。


「さくら名所100選の地」碑とピーク後は名前の由来でもある淡い墨色を帯びるという、その悠然たる容姿を南東側から望む。


新型コロナウイルスの影響で昨年に続き今年も、市がライトアップを自粛し、露店の出店も許可されず、地元の店舗のみが営業している。京丹波栗の焼ポン(左上)、串せんべいと根尾川の鮎塩焼き(右上)、桜ういろ、草(よもぎ)ういろ(左下)、里芋とうるち米、もち米を団子にした里芋もち。山間の根尾谷ならではの名物で、あまり粘りはなく、ふわっとした歯応えと生姜を効かせた醤油味が美味しい(右下)。


帰路に撮った風景で、真っ白な能郷白山の山並み、満開の桜、清流根尾川の流れ、樽見鉄道の橋梁のコラボ。



「国の天然記念物 日本三大桜 満開の淡墨桜」のビデオ 



岐阜県本巣市根尾板所字上段995 根尾谷淡墨桜のMAP