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今回のワンポィントhy Loves …-DIMG0752.gifhy Loves …-DIMG0667.gifゎ↓
 
 
 
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何と…
 
 
 
 
 
 
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自分好き丸出しな感じでっすが
 
 
 
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手始めに
 
 
 
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永遠の姉妹 第13話『知香子の妊娠』

「おめでとうございます」
豪に連れられた産婦人科の診察室で、知香子は妊娠を告げられた。
「えっ!?」
「ちょうど現在十二周目に入ったところです。ちょっと栄養状態がよろしくないようですが、その他は順調に育ってますよ」
医師は、笑顔で語る。
「あたしのお腹に、赤ちゃんが…」
「ええ、ただ安定期にはいるまでは注意が必要です。赤ちゃんのためにもきちんと栄養をとって、規則正しい生活を心掛けるようにして下さいね」
医師は笑顔のまま、妊娠の心得を説いた。知香子は、医師の言葉に耳を傾けながら、自らの腹部に触れる。
今はまだ、何の変化も感じられないが、ここに新しい生命が宿っていると思うと、自然に頬が緩んだ。


「おい。どうだったんだ?」
病院の外で待っていた豪が聞いてくる。
「十二周目だって…」
「そうか…で、どうするんだ?」
「どうするって、産むに決まってるじゃない」
「決まってるって、お前…」
豪は、息を飲んだ。
「死んだ男のガキなんだろ?」
「ええ、きっと。いや…絶対にそうに違いないわ」
「だったら…」
「だからこそ、産むんじゃない。この子は、照矢の忘れ形見なのよ。神様が、あたしに与えてくれた、照矢との愛の証なのよ」
知香子は、歌うように言った。その瞳には、照矢が死んで以来失われていた輝きがある。
あまりに劇的な知香子の変貌に、豪はただただ戸惑っていた。軽やかに進む知香子の後を追う。


そんなふたりの様子を凝視する影があった。豪の元パトロン、麗香である。
「豪…豪……」
麗香は、豪の背中を見つめ、呟き続けた。その瞳は、とうに正気を失っている。
豪の隣に寄り添い、しかも産婦人科から出て来た女に対する憎しみが募った。



「何ですって!?」
久しぶりに家に帰って来た知香子の言葉に、澄江は驚愕した。
「に…妊娠したですって…」
「ええ、あたし産むわ」
知香子は、きっぱりと言い切る。
「産むって知香子、あなた…。あ、相手は一体誰なの?このことは、知っているのかしら…」
「いないわ。もう死んでしまったの」
「まあ…もう死んだだなんて、そんな…じゃあ、まさか…」
「そうよ。この子の父親は照矢よ。いったい、他に誰がいるってゆうのよ」
「そ、そんなこと、あたしは許しませんよ。大体、あなた今自分がいくつだと思ってるの。その年で、父親のいない子供を産もうだなんて…」
「…お母さんは、この子を諦めろって言うの?」
「当たり前です!!」
澄江は立ち上がり、声を張り上げる。
「母親として、そんなことは絶対に認められないわ。一刻も早く始末しない!」
「ひどい。この子は、照矢の忘れ形見なのよ。それを、始末しろだなんて…」
澄江は、激高する知香子に縋りついた。
「それが、あなたのためなの。確かに、しばらくは辛いかも知れないけど、その方が知香子ちゃん、あなたにとってもいいに決まってるんだから!!」
「絶対に嫌!」
知香子は、澄江を跳ね退ける。
「この子は、誰に何と言われたって絶対に産むわ、絶対に。だって…この子は、照矢の生まれ変わりに違いないんだから!!」
「な…何を言っているのよ」
「だって、そうでしょう。照矢の死と、時を同じくして芽生えた命なのよ。それ以外に、考えられないじゃないの」
「…知香子」
「とにかく、この子は産むわ。たとえ、何があってでも」
知香子は立ち上がり、澄江に背を向けた。
「待って…待ちなさい。知香子!知香子!!」
澄江は、ひとり部屋の床にうずくまり、すすり泣いた。
何故、こんなことになってしまったのだろうか。ほんのついこの前までは、何の問題もない、平和な家族のはずだったのに…。
いや。そこまで考えて思い直す。この家は、始めから歪んでいたのだ。歪みの原因はもちろん…。
「知永子…」
澄江は、地獄の果てから響くような声で呻いた。



実母の愛情に包まれ、知永子は徐々に回復しつつあった。何とか食事も喉を通るようになり、放課後には織江の店の手伝いを出来るまでになった。
「別にいいのよ。そんなことしてくれなくても」
「いいの。それに、今は何かをしていた方が気が紛れるから」
「そう…。正直わたしも知永子が手伝ってくれて、ありがたいんだけど」
ふたりは顔を見合わせ、笑った。



<照矢の死から早一ヶ月、知永子は母の愛を間近に感じ、徐々に立ち直りつつあった。
織江との穏やかな生活が少しでも長く続けばいい、と知永子はただそれだけを願っていた。>



「いらっしゃいませ」
店の引き戸が引かれ、ふたりは声を揃えて客を出迎えた。
「…えっ!?」
意外な客の登場に、知永子の表情が凍りつく。
「ち…知香子」
「あ、あなた、一体何しに来たのよ」
「久しぶり」
緊迫するふたりを尻目に、知香子は笑いかけた。カウンターに座り込む。
「実は、お姉ちゃんに報告があるの」
「な…何なの?」
「あたし、妊娠したの。今ここに、照矢の赤ちゃんがいるのよ」
言いながら、腹部を撫でた。まだ何の膨らみもないそこを、愛おしそうに摩る。
「ほ…本当なの!?本当に…」
「ええ」
「知香子のお腹の中に、照矢の赤ちゃんが…」
「ええ」
知永子は複雑な気持ちで、知香子の顔を見つめた。
「だから、お姉ちゃんもこの子のことを愛してあげて。この子は、照矢の生まれ変わりなのよ」
「何を勝手なことを!大体あなた、自分が何をしでかしたか理解しているの?」
織江が口を挟む。
自らの感動を邪魔された知香子は、舌打ちして
「うるさいわね。おばさんは黙っていてよ」
と怒鳴った。
「パパの遠い親戚だか何だか知らないけど、赤の他人が口を挟まないでくれるかしら」
知香子は、織江を睨みつける。織江は、その顔に澄江の面影を見つけ出し、言葉を失くした。
「ねえ、お姉ちゃん。喜んでくれるわよね。この子を、愛してくれるわよね。何たって愛した男の子供なんだから」
知香子は、知永子の手を握り、笑った。知香子の笑顔に、知永子はただひたすら動揺していた。



つづく

永遠の姉妹 第12話『愛する者の死』

集中治療室の前に置かれたベンチに座った知永子は、ひたすらに祈っていた。
あの時、寸前のところで知永子を庇い、トラックに轢かれた照矢がそこに運び込まれてから、もう二時間が過ぎている。しかし、依然として治療室中のランプは灯ったままだった。
「知永子!!」
血相を変えた織江が、走り込んでくる。知永子は、織江に縋りつき
「照矢が…照矢が……」
と泣きじゃくった。
その時、治療中のランプが消える。
「先生!照矢は…」
知永子は、集中治療室の中から現れた手術着姿の男に問いかけた。
「誠に残念ですが…」
男は、深刻な顔を横に振る。
男の背中越しに、手術台の上に横たわった照矢の顔が見えた。とても、安らかな顔をしている。まるで、ただ眠っているようだ。
「いやあ~………」
知永子は絶叫し、その場にくず折れる。織江に肩を抱かれ、この世の終わりのように泣いた。


「照矢…」
しばらくしてから何とか冷静さを取り戻した知永子は、照矢の亡骸の前に立ち、その頬に触れた。
すでに死後硬直が始まっているらしく、冷たくて硬い。知永子は、照矢の頬を撫でながら、静かに泣いていた。
「照矢!!」
知香子が声を裏返らせて、霊安室に駆け込んでくる。驚く知永子を押しのけ、照矢に飛びついた。
「照矢…何で、何でよ……」
知香子は、照矢の体にしがみつき号泣する。
「知香子…」
手を差し伸べようとした知永子の腕を、思いっきり振り払った。
「触らないでよ!!あんたのせいよ。あんたが照矢を殺したのよ。あんたが、あんたが…あんたが代わりに死ねばよかったのよ!!」
知香子は、鬼の形相で知永子に掴みかかった。知永子の首に手をかけ、搾り上げるように力を込める。
「お前なんか、死ねばいいんだ。この泥棒猫が!疫病神が!!」
知永子は、されるままに任せた。抵抗する気など、起こるはずもない。
本当に、その通りだと思った。照矢の代わりに、わたしが死ねばよかったんだ。そう思った。
次第に、視界が霞み出す。知永子は、死を覚悟した。
「やめなさい!!」
織江が、知香子に体当たりする。知香子は、その場に倒れ込んだ。
「何やってるの、あなた!」
織江は、知永子を抱き締めながら、知香子を怒鳴りつける。
知香子は、喚き散らしながら霊安室を飛び出した。
「しっかりするのよ。知永子」
織江に髪を撫でられつつ、知永子は死に損なったことに絶望していた。



<理不尽とは知りつつも、知永子は織江に対して恨みを覚えていた。いっそ、あのまま死なせてくれていれば楽だったのに…と。
知永子は、自らの生を憎んでいた。>



「知永子は、相変わらずなのかい?」
『長谷倉』のカウンター席に座った浩二郎は、織江に問いかける。
「ええ、自分の部屋に篭もったきり…ろくに食事もとらないの」
織江は二階を見上げ、心配そうに呟いた。
照矢の死から一週間。知永子は、ずっと自室に引き籠もっている。織江や浩二郎が声をかけても上の空で、まるで生きることを拒否しているようだった。
「ねえ、あなた…」
「うん?」
「あたし、知永子に真実を告げようかと思ってるの」
「真実か…」
「そう。あたしがあの娘の本当の母親だってこと。そうしたら、あの娘ももっとわたしに対して甘えられるようになると思うの。駄目かしら?」
「…そうか。まあ、恐らくは知永子も薄々は感づいているようだし、その方がいいのかも知れないな」
浩二郎は、静かに頷いた。


「知永子さん、ちょっといいかしら?」
織江は、知永子の部屋をノックする。しかし、中からは何の反応もなかった。
「知永子さん…知永子さん!?」
ふたりは顔を見合わせ、それから弾かれたようにドアを開ける。
「きゃっ!!」
中の惨状を目の当たりにした織江は、思わず悲鳴を上げ、浩二郎にしがみついた。シーツに広がる血の海の幸中、深く手首を切った知永子が青白い顔をして、横たわっていた。



「…ここは、わたし…」
目を覚ました知永子の頬が鳴る。織江が、その頬を張ったのだ。
「馬鹿なことをして!全く、何考えてるのよ」
「…わたし、生きてるの?」
「当たり前じゃない。あなたまで死んだら、照矢さんの死が無駄になるのよ」
織江はぽろぽろと涙をこぼし、知永子の胸を叩いた。
「…わたしが、死ねばよかったんだわ」
再び、知永子の頬が鳴る。
「馬鹿…馬鹿!あなたは、照矢さんから…命を受け継いだのよ」
「…命を、受け継いだ…?」
「そう。だから、あなたは照矢さんの分もしっかりと生き続けなければいけないのよ」
「でも…」
「もし、あなたが照矢さんの後を追ったとして、それを彼が喜ぶと思う?あなたは、照矢さんのためにも力強く生きていくのよ!」
「…お、お母さん…」
思わず、知永子の口からその言葉が漏れた。
「あ…あなた、知っていたの?」
「きっと…そうだろうって思っていたの。やっぱり、そうだったのね」
「知永子!」
「お母さん!!」



<母の胸に抱かれ、知永子は心に誓った。
照矢にもらったこの命。それを無駄にせず、力強く生き抜いて行こう。そう誓っていた。>



「おい、飲み過ぎだよ」豪は、知香子の手からウィスキーのグラスをひったくった。
「飲ませてよ」
知香子は、豪からグラスを奪い返し、それを一気に煽った。苦しげに咳き込む。
「いい加減に体壊すぞ。毎日毎日酒ばっか飲んで…。ちょっとは飯も食えよ」
「うるさいわね。黙っててよ。あんたに、あたしの気持ちなんか、解るわけないんだから」
知香子は、ボトルを持ち上げ注ぎ足そうとするが、中味は空だった。舌打ちして、ボトルを投げ捨てる。
照矢のいない世界になど、何の意味も感じられない。ふいに、後ろから豪に抱き締められた。
「お前には、俺がいるじゃないか」
豪が、耳元で囁く。
「ふんっ。それが何だっていうのよ。あんたなんか…」
ふいに吐き気を感じた知香子は、豪の腕を払い洗面所に駆け込む。腰を折り曲げ、嘔吐した。
「ほら、言わんこっちゃない」
しかし、知香子の吐き気は、いっこうにおさまらない。知香子は洗面台にへばりつき、空っぽの胃袋から胃液を吐き続けた。
「…お前、まさか…」
豪の呟きに、知香子は無意識に腹部を押さえた。



つづく