まぁ 何だかんだで見てるんでつが…f(^_^;)

仲間由紀恵を一躍主演女優
の座にまで押し上げた

彼女の代表作
『ごくせん THE MOVIE』
ドラマ→映画
にぁりがちな無駄なスケールup

が目立ってまつが
(冒頭の飛行機ジャックゃやたらと使用されてる無意味なCG)
肝心の生徒キャストの残念感ゎハンパなぃですなぁ


個人的にゎ亀梨クンたちが出てた『ごくせん②』をピークに
徐々にレベルが下がって来てるよぅに感じるのゎ気のせぃでしょぅか


それにしたって
今回ゎヒドぃ



誰ひとりとしてカッコぃぃコがぃない…(=_=;)
一番メィンっぽぃコに至ってゎ
チョット品種改良された千原ジュニアにしか見えなぃんでつが…
ぶっちゃけ
ストーリーゎ『水戸黄門』バリのワンパターンなんだから
せめて
目の保養になるイケメンぐらぃ揃ぇて頂かなぃと
何をモチベーションにして視聴すればぃぃのか解りましぇん




永遠の姉妹 第55話『緊急会見』
「ママ!!」
愛実を保護していると連絡を受け、明生の車で交番に駆けつけた知永子は、愛実から抱きつかれた。
「…愛実。一体どうして…」
自分の胸にしがみつき、泣きじゃくる愛実の髪を撫でながら呟く。
「どうやらお母さんの仕事先に行く途中で、道に迷ったらしいんですわ。道端にしゃがみ込んで泣いていたんで、ここに連れて来たんです」
愛実に代わって、警官が説明する。
「どうして…ちゃんとお留守番出来なかったの?」
愛実が無事だった安堵感から、自身も涙を流す知永子は、愛実に問いかけた。
「だって…寂しかったんだもん。今日は…愛実の、お誕生日なのに…。そしたら…急に、ママに会いたくなって…。だから…」
「愛実…」
愛実の言葉に、知永子は言葉を失う。自分の至らなさを、思い知らされているようだった。
「夜遅くにありがとう。本当に、助かったわ」
泣き疲れたのか、静かに寝息を立てる愛実の頭を撫でながら、知永子は明生に礼を言う。
「気にするな。とにかく、愛実が無事で良かったよ」
明生は、そう言って手を振る。しかし、知永子の表情はどこか冴えないままだった。
「どうした?まだ、何かあるのか?」
明生が問いかける。
「わたしが…愛実を、育てていてもいいのか解らなくて…」
愛実の寝顔を見つめながら、知永子が弱音を漏らした。
「…どうゆうことだ!?」
「わたしといて…愛実は、本当に幸せになれるのかしら。いつも、愛実に寂しい思いをさせてばかり…。今日のことで、心底それを思い知らされた気がして…」
「あんたには、その程度の覚悟しかなかったのかよ!」
思わず、明生が声を荒げる。その後すぐに、声を潜めて
「あんたは…何があっても愛実と生きて行くって、心に決めて来たんだろう」
と続けた。
「えぇ。それはそうだけど…」
「だったら、それを貫けよ。あんたは愛実のことを思うふりをして…結局は、自分が背負った重荷から、逃げたいだけじゃないのか」
明生の厳しい言葉が、知永子に突き刺さる。しかし、それは自然と胸に染みた。口下手な、明生なりの励ましなのである。
「そうね。そうだったのかも知れない…」
知永子は、素直に認めた。
「あんたは、何でも自分ひとりで抱え込み過ぎるんだ。もっと、素直に他人を頼れよ」
「い、いいの…?今までだって、何から何まで明生さんのお世話になっているのに…」
知永子は、明生に問いかける。知永子からの視線に、明生は顔を逸らした。
「あぁ。そもそも、子供なんて言うのは、母親ひとりで育てるもんじゃない。地域で…育んで行くもんだよ」
愛実の寝顔を見つめながら、ぼそりと呟く。
「ありがとう…」
知永子は、明生の横顔を見つめながら礼を言った。
<明生の励ましに、知永子は愛実と共に生きて行く勇気を得た気がしていた。
しかし、遠く離れた東京で母娘を引き剥がす、恐ろしい嵐が巻き起ころうとしていたのである。>
「何なのよ、これは!?」
知香子は、思わず声を裏返らせる。社長室のデスクの上に開いた週刊誌を、穴が開くほど見つめた。
カリスマ女社長の裏の顔。血塗られた黒い履歴書。
誌面を、刺激的な見出しが飾っている。目のところは黒く塗り潰されているが、その横にある写真は、確実に知香子のものだった。
履歴書と銘打つだけあって、記事は今まで知香子がマスコミにひた隠しにして来た事実を、事細かに伝えている。
高校時代に、死んだ恋人の子供を流産したこと。『office C』の社長に就任する前は、六本木のクラブでホステスをしていたこと。腹違いの姉が産んだ子供を育てていたが、今は離れて暮らしていること。
その全てが書かれていた。知香子は、強く雑誌を握り締める。
「社長!ロビーに、取材陣が集まって来ているそうです。社長のお話を聞きしたいって…」
受付からの電話を受けた秘書が、おろおろと言った。知香子は、腹を決める。
「解ったわ。質問に応えるから、ちょっと待つように伝えてちょうだい!」
言いながら、知香子はバッグから化粧用のポーチを取り出す。悠々と、化粧を直し始めた。
恐らく、これは自分にとって一世一代の大舞台になるだろう。そう思うと、気合いが漲った。鏡を凝視しながら、丹念にマスカラを塗り込む。
夥しい数のカメラが、一斉に知香子に向かってフラッシュをたいた。今までに取材は何度も受けたことがあるが、ここまで大勢のカメラに囲まれるのは初めてのことである。
知香子は、フラッシュの瞬きの中を颯爽と歩いた。ゆっくりと、頭を下げる。
「倉内社長!記事に書かれていることは、事実なんですか!?」
「はい。ほぼ真実で間違いありません」
マイクを手にした記者の質問に、知香子はきっぱりと答えた。毅然とした知香子の言い方に、一同がざわつく。
「ほぼ、と言いますと?」
別の記者が聞いてきた。
「記事に書かれていることはほとんどが事実ですが…一点だけ、間違いがあると言うことです」
「それは何ですか?」
複数から、同じ質問が上がる。知香子は、しばらくの沈黙の後に
「…娘のことです」
と言い切った。
「確か…その娘さんと言うのは、腹違いのお姉さんが産んだ子供ですよね?」
「はい」
「記事の、何が間違っていると言うんですか?」
矢継ぎ早に、質問が飛んで来る。
「記事には…実の母の元に返したと書かれていますが、違います。本当は…奪い取られたんです!」
知香子は、はっきりと言い放った。衝撃的な言葉に、一層激しくフラッシュが瞬く。
「…奪われた、と言いますと?」
「でも…今娘さんと暮らしてらっしゃるのは、実の母親であるお姉さんなんですよね?」
方々から、一斉に質問が上がった。知香子は、静かに深呼吸する。
「確かに…私と娘は、正確に言えば母娘ではありません。しかし、私はあの娘に実の娘以上の愛情を持って育てて来ました。それなのに、姉が…私に何も言わず、あの娘を奪い去って行ったんです!」
知香子はカメラを見据えながら、一気に言い募った。
「どうゆうことですか!?」
「そもそも、お姉さんの娘さんを育てていたのは何故なんですか?」
「お姉さんが服役中にその娘を産んだ、と噂されていますが…それは、本当なんですか?」
「…ええ。本当です」
知香子は、初めて目を逸らす。愛実のことを思えば、その事実だけは白日の下に晒したくなかった。
しかし、知香子は自らを奮い立たせて、再び顔を上げる。
「とにかく…私は今でも、あの娘とまた共に暮らせる日が訪れることを願っています。こうして、皆さんの前に出ることを決めたのはその為です」
涙混じりの知香子の演説に、記者達が思わず固唾を飲んだ。
「皆さん、お願いです!私が、あの娘を…愛実を再びこの手に抱けるよう、お力を貸しては頂けませんでしょうか」
知香子は、そう言ってその場に泣き崩れる。知香子の様子に、『office C』の受付ロビーは異様な空気に包まれた。
「やるねぇ。釈明会見になるはずが…すっかりお涙頂戴の娘捜しになったってわけだ」
記者の中にいた高倉が、苦々しく呟く。
つづく
愛実を保護していると連絡を受け、明生の車で交番に駆けつけた知永子は、愛実から抱きつかれた。
「…愛実。一体どうして…」
自分の胸にしがみつき、泣きじゃくる愛実の髪を撫でながら呟く。
「どうやらお母さんの仕事先に行く途中で、道に迷ったらしいんですわ。道端にしゃがみ込んで泣いていたんで、ここに連れて来たんです」
愛実に代わって、警官が説明する。
「どうして…ちゃんとお留守番出来なかったの?」
愛実が無事だった安堵感から、自身も涙を流す知永子は、愛実に問いかけた。
「だって…寂しかったんだもん。今日は…愛実の、お誕生日なのに…。そしたら…急に、ママに会いたくなって…。だから…」
「愛実…」
愛実の言葉に、知永子は言葉を失う。自分の至らなさを、思い知らされているようだった。
「夜遅くにありがとう。本当に、助かったわ」
泣き疲れたのか、静かに寝息を立てる愛実の頭を撫でながら、知永子は明生に礼を言う。
「気にするな。とにかく、愛実が無事で良かったよ」
明生は、そう言って手を振る。しかし、知永子の表情はどこか冴えないままだった。
「どうした?まだ、何かあるのか?」
明生が問いかける。
「わたしが…愛実を、育てていてもいいのか解らなくて…」
愛実の寝顔を見つめながら、知永子が弱音を漏らした。
「…どうゆうことだ!?」
「わたしといて…愛実は、本当に幸せになれるのかしら。いつも、愛実に寂しい思いをさせてばかり…。今日のことで、心底それを思い知らされた気がして…」
「あんたには、その程度の覚悟しかなかったのかよ!」
思わず、明生が声を荒げる。その後すぐに、声を潜めて
「あんたは…何があっても愛実と生きて行くって、心に決めて来たんだろう」
と続けた。
「えぇ。それはそうだけど…」
「だったら、それを貫けよ。あんたは愛実のことを思うふりをして…結局は、自分が背負った重荷から、逃げたいだけじゃないのか」
明生の厳しい言葉が、知永子に突き刺さる。しかし、それは自然と胸に染みた。口下手な、明生なりの励ましなのである。
「そうね。そうだったのかも知れない…」
知永子は、素直に認めた。
「あんたは、何でも自分ひとりで抱え込み過ぎるんだ。もっと、素直に他人を頼れよ」
「い、いいの…?今までだって、何から何まで明生さんのお世話になっているのに…」
知永子は、明生に問いかける。知永子からの視線に、明生は顔を逸らした。
「あぁ。そもそも、子供なんて言うのは、母親ひとりで育てるもんじゃない。地域で…育んで行くもんだよ」
愛実の寝顔を見つめながら、ぼそりと呟く。
「ありがとう…」
知永子は、明生の横顔を見つめながら礼を言った。
<明生の励ましに、知永子は愛実と共に生きて行く勇気を得た気がしていた。
しかし、遠く離れた東京で母娘を引き剥がす、恐ろしい嵐が巻き起ころうとしていたのである。>
「何なのよ、これは!?」
知香子は、思わず声を裏返らせる。社長室のデスクの上に開いた週刊誌を、穴が開くほど見つめた。
カリスマ女社長の裏の顔。血塗られた黒い履歴書。
誌面を、刺激的な見出しが飾っている。目のところは黒く塗り潰されているが、その横にある写真は、確実に知香子のものだった。
履歴書と銘打つだけあって、記事は今まで知香子がマスコミにひた隠しにして来た事実を、事細かに伝えている。
高校時代に、死んだ恋人の子供を流産したこと。『office C』の社長に就任する前は、六本木のクラブでホステスをしていたこと。腹違いの姉が産んだ子供を育てていたが、今は離れて暮らしていること。
その全てが書かれていた。知香子は、強く雑誌を握り締める。
「社長!ロビーに、取材陣が集まって来ているそうです。社長のお話を聞きしたいって…」
受付からの電話を受けた秘書が、おろおろと言った。知香子は、腹を決める。
「解ったわ。質問に応えるから、ちょっと待つように伝えてちょうだい!」
言いながら、知香子はバッグから化粧用のポーチを取り出す。悠々と、化粧を直し始めた。
恐らく、これは自分にとって一世一代の大舞台になるだろう。そう思うと、気合いが漲った。鏡を凝視しながら、丹念にマスカラを塗り込む。
夥しい数のカメラが、一斉に知香子に向かってフラッシュをたいた。今までに取材は何度も受けたことがあるが、ここまで大勢のカメラに囲まれるのは初めてのことである。
知香子は、フラッシュの瞬きの中を颯爽と歩いた。ゆっくりと、頭を下げる。
「倉内社長!記事に書かれていることは、事実なんですか!?」
「はい。ほぼ真実で間違いありません」
マイクを手にした記者の質問に、知香子はきっぱりと答えた。毅然とした知香子の言い方に、一同がざわつく。
「ほぼ、と言いますと?」
別の記者が聞いてきた。
「記事に書かれていることはほとんどが事実ですが…一点だけ、間違いがあると言うことです」
「それは何ですか?」
複数から、同じ質問が上がる。知香子は、しばらくの沈黙の後に
「…娘のことです」
と言い切った。
「確か…その娘さんと言うのは、腹違いのお姉さんが産んだ子供ですよね?」
「はい」
「記事の、何が間違っていると言うんですか?」
矢継ぎ早に、質問が飛んで来る。
「記事には…実の母の元に返したと書かれていますが、違います。本当は…奪い取られたんです!」
知香子は、はっきりと言い放った。衝撃的な言葉に、一層激しくフラッシュが瞬く。
「…奪われた、と言いますと?」
「でも…今娘さんと暮らしてらっしゃるのは、実の母親であるお姉さんなんですよね?」
方々から、一斉に質問が上がった。知香子は、静かに深呼吸する。
「確かに…私と娘は、正確に言えば母娘ではありません。しかし、私はあの娘に実の娘以上の愛情を持って育てて来ました。それなのに、姉が…私に何も言わず、あの娘を奪い去って行ったんです!」
知香子はカメラを見据えながら、一気に言い募った。
「どうゆうことですか!?」
「そもそも、お姉さんの娘さんを育てていたのは何故なんですか?」
「お姉さんが服役中にその娘を産んだ、と噂されていますが…それは、本当なんですか?」
「…ええ。本当です」
知香子は、初めて目を逸らす。愛実のことを思えば、その事実だけは白日の下に晒したくなかった。
しかし、知香子は自らを奮い立たせて、再び顔を上げる。
「とにかく…私は今でも、あの娘とまた共に暮らせる日が訪れることを願っています。こうして、皆さんの前に出ることを決めたのはその為です」
涙混じりの知香子の演説に、記者達が思わず固唾を飲んだ。
「皆さん、お願いです!私が、あの娘を…愛実を再びこの手に抱けるよう、お力を貸しては頂けませんでしょうか」
知香子は、そう言ってその場に泣き崩れる。知香子の様子に、『office C』の受付ロビーは異様な空気に包まれた。
「やるねぇ。釈明会見になるはずが…すっかりお涙頂戴の娘捜しになったってわけだ」
記者の中にいた高倉が、苦々しく呟く。
つづく
永遠の姉妹 第54話『寂しい誕生日』
「先輩、わざわざ呼び出して悪かったわね」
待ち合わせのバーに現れた高倉に向かって、景子は手を上げた。
「珍しいな。お前が電話をかけて来るなんて」
言いながら、高倉は景子の隣に腰かける。
景子は、高倉に向かってグラスを持ち上げた。ふたりで乾杯する。
「実は…先輩に聞いてもらいたい話があるの」
景子は、さっそく話を切り出した。
バッグの中から、知香子に関する書類を取り出す。高倉の前に差し出した。
「…何だ?」
「いいから読んでみて」
景子は、高倉を促す。
「『office C』の社長への持ち上げ記事か…。これが、どうかしたのか?」
高倉は興味なさげに言って、景子に書類を返した。
「先輩なら、解るでしょう。この女には、何か裏があるって…」
「まぁな。確かに、表沙汰にはなっていないけど…美容業界内では色々噂されているらしいな。成り上がりで、目的の為なら手段を選ばない鬼みたいな女だって…」
「ねえ…この女のことを、先輩のところで記事にしてみない?」
景子は、前のめりになりながら言う。高倉の顔を見つめた。
「えっ!?」
「カリスマ女社長の裏の顔。かなりいい線行っていると思うんだけど。『office C』は、うちのスポンサーでしょ。うちでは、記事に出来ないのよ」
「まぁ、そうだろうなぁ…」
「もし、先輩が記事にしてくれるって言うんなら、あたしが直接動いてもいいわ。その代わり…この仕事が成功したら、あたしが元の雑誌に戻れるよう、先輩から話をつけてくれないかしら」
高倉に顔を近づけ、真顔で言い募る。
「お前…まだ、諦めていなんだな。うちへの復帰…」
高倉は溜め息をつきながら、景子に言った。
「当たり前でしょう。絶対に…返り咲いて見せるわ。あの時、あたしをコケにした連中を見返してやるのよ」
景子は、言いながらグラスを飲み干す。景子の気迫に、高倉は黙り込んだ。
「…お前は、運が悪かったんだ。あの時は、俺もお前を庇い切れなくて…本当に、済まないことをした」
しばらくの沈黙の後、高倉は呟く。
「いいのよ。先輩のことだけは…あたし、今でも尊敬してるんだから」
景子は、きっぱりと言い切った。
「あの時…先輩以外の皆は、あたしにそっぽを向いたわ。ほんの前日までは、共に同じ雑誌を作る仲間だったのによ。悔しかったわ。東大を出て、仕事も順調だったあたしにとっては…初めての最大の屈辱だったの。今でも…まるで昨日のことのように鮮明に覚えているわ」
「渡邊…」
「ねえ、お願いよ。あたしに対して済まない気持ちがあるんだったら…あたしに力を貸してちょうだい!」
言いながら、高倉の手を握る。
「確約は、出来ないぞ…」
「えぇ、もちろんよ。上が文句のつけようもないような、最高の記事を書き上げて見せるわ」
景子は、高倉の瞳を真っ直ぐに見つめ宣った。
その日、知香子はケーキを片手に帰宅する。愛実の大好物のショートケーキだ。
「…今年も、買って来たのね」
リビングのテーブルに置かれたホールケーキを前に、澄江がぽつりと呟く。知香子は笑った。
「当たり前じゃない。今日は、愛実の誕生日なのよ」
言いながら、箱から出したケーキに蝋燭を刺していく。
「愛実の…十一回目の誕生日なのよ」
そう言って、十一本目を立てた。
「知香子ちゃんの気持ちは解るわ。でも、もう止めないかしら…」
澄江は、意を決したように切り出す。蝋燭に火をつけていた、知香子の手が止まった。
「あの娘がいなくなってから…もうすぐで二年が経つわ。そろそろ、忘れた方がいいんじゃないかしら。きっとあの娘は…知永子さんとふたり、どこかで幸せに暮らしているわ」
「…ママ。そんなこと、本気で言っているの?」
知香子が、澄江をぎろりと睨みつける。澄江は、思わず知香子から目を背けた。
「…でも、あれだけ探したけど、見つからなかったじゃないの。きっと…それが運命なのよ」
瞬間、澄江が椅子から転げ落ちる。
知香子が、澄江に平手打ちを食らわせたのだ。倒れ込んだ澄江を、更に蹴りつける。
「ふざけないで!何が運命よ。あたしは…愛実と離れたこの二年、一分一秒だって…あの娘のことを忘れたことはないわ。あの娘とまた、一緒に暮らせる日だけを夢見て生きているのよ!!」
知香子は、息を荒げながら喚き散らした。
「そんなあたしに向かって、あの娘を諦めろですって!?ママは、何にも解ってないわ!愛実だけが…あたしの希望なのよ!!」
「…ご、ごめんなさい。ママが…悪かったわ。もう二度と、そんなこと言わないから…だから、ママを許してちょうだい」
澄江は泣きながら知香子にしがみついたが、知香子は奇声を上げながら暴れ続ける。
知香子の暴走で、愛実の為に用意したせっかくのケーキが落下した。床の上で、見るも無残に飛び散る。
「…愛実。一体、今どこにいるって言うのよ…」
知香子の哀しい呟きが、倉内家に響いた。
<知香子が愛実を失ってからも、二年という歳月が経っていた。しかし、知香子は今も尚愛実の幻影に囚われている。
知香子もまた、愛実のことを愛する母親だったのだ。>
倉内家から遠く離れた山梨の地で、愛実は独りぼっちの誕生日を迎えている。今も、知永子は近所のスナックで働いているのだ。
知永子が仕事の合間に買って置いた、小さなカットケーキを食べていた愛実の目から、ふいに涙が零れる。
「ママ…寂しいよ」
知永子の前ではけして出せない、本音を漏らした。愛実の小さな胸に、寂しさが募る。
「お疲れさん。今日はもう帰っていいわよ」
酔客の相手をしていた知永子は、ママから言われた。知永子は、軽く客をあしらいながら立ち上がる。
「ありがとうございます」
「いいのよ。たまには、早く帰ってあげなさいよ。今日は、愛実ちゃんの誕生日でしょう。いつも寂しい思いさせてるんだから、こんな時くらいポイント稼がなきゃね」
礼を言う知永子に、ママは笑った。
知永子はママの気遣いに再び礼を言い、手早く身支度を整え店を後にする。密かに用意したプレゼントを手に、家路を急いだ。
「ただいま。お店のママが気を遣ってくれたお陰で、早上がりが出来たの。遅くなっちゃったけど、ふたりでお祝いしましょう」
知永子は息を切らしてドアを開けたが、室内はひっそりと静まり返っている。
「愛実…どこにいるの?」
言いながら愛実を探し回るも、部屋のどこにも愛実の姿は見つからなかった。
瞬間、知永子の顔が蒼醒める。
その時、部屋の隅に置かれた電話が鳴った。
知永子は絡まりそうになる足を走らせて、電話に駆け寄る。震える腕で、受話器を掴んだ。
「もしもし…」
かすれた声で呼びかける。
つづく
待ち合わせのバーに現れた高倉に向かって、景子は手を上げた。
「珍しいな。お前が電話をかけて来るなんて」
言いながら、高倉は景子の隣に腰かける。
景子は、高倉に向かってグラスを持ち上げた。ふたりで乾杯する。
「実は…先輩に聞いてもらいたい話があるの」
景子は、さっそく話を切り出した。
バッグの中から、知香子に関する書類を取り出す。高倉の前に差し出した。
「…何だ?」
「いいから読んでみて」
景子は、高倉を促す。
「『office C』の社長への持ち上げ記事か…。これが、どうかしたのか?」
高倉は興味なさげに言って、景子に書類を返した。
「先輩なら、解るでしょう。この女には、何か裏があるって…」
「まぁな。確かに、表沙汰にはなっていないけど…美容業界内では色々噂されているらしいな。成り上がりで、目的の為なら手段を選ばない鬼みたいな女だって…」
「ねえ…この女のことを、先輩のところで記事にしてみない?」
景子は、前のめりになりながら言う。高倉の顔を見つめた。
「えっ!?」
「カリスマ女社長の裏の顔。かなりいい線行っていると思うんだけど。『office C』は、うちのスポンサーでしょ。うちでは、記事に出来ないのよ」
「まぁ、そうだろうなぁ…」
「もし、先輩が記事にしてくれるって言うんなら、あたしが直接動いてもいいわ。その代わり…この仕事が成功したら、あたしが元の雑誌に戻れるよう、先輩から話をつけてくれないかしら」
高倉に顔を近づけ、真顔で言い募る。
「お前…まだ、諦めていなんだな。うちへの復帰…」
高倉は溜め息をつきながら、景子に言った。
「当たり前でしょう。絶対に…返り咲いて見せるわ。あの時、あたしをコケにした連中を見返してやるのよ」
景子は、言いながらグラスを飲み干す。景子の気迫に、高倉は黙り込んだ。
「…お前は、運が悪かったんだ。あの時は、俺もお前を庇い切れなくて…本当に、済まないことをした」
しばらくの沈黙の後、高倉は呟く。
「いいのよ。先輩のことだけは…あたし、今でも尊敬してるんだから」
景子は、きっぱりと言い切った。
「あの時…先輩以外の皆は、あたしにそっぽを向いたわ。ほんの前日までは、共に同じ雑誌を作る仲間だったのによ。悔しかったわ。東大を出て、仕事も順調だったあたしにとっては…初めての最大の屈辱だったの。今でも…まるで昨日のことのように鮮明に覚えているわ」
「渡邊…」
「ねえ、お願いよ。あたしに対して済まない気持ちがあるんだったら…あたしに力を貸してちょうだい!」
言いながら、高倉の手を握る。
「確約は、出来ないぞ…」
「えぇ、もちろんよ。上が文句のつけようもないような、最高の記事を書き上げて見せるわ」
景子は、高倉の瞳を真っ直ぐに見つめ宣った。
その日、知香子はケーキを片手に帰宅する。愛実の大好物のショートケーキだ。
「…今年も、買って来たのね」
リビングのテーブルに置かれたホールケーキを前に、澄江がぽつりと呟く。知香子は笑った。
「当たり前じゃない。今日は、愛実の誕生日なのよ」
言いながら、箱から出したケーキに蝋燭を刺していく。
「愛実の…十一回目の誕生日なのよ」
そう言って、十一本目を立てた。
「知香子ちゃんの気持ちは解るわ。でも、もう止めないかしら…」
澄江は、意を決したように切り出す。蝋燭に火をつけていた、知香子の手が止まった。
「あの娘がいなくなってから…もうすぐで二年が経つわ。そろそろ、忘れた方がいいんじゃないかしら。きっとあの娘は…知永子さんとふたり、どこかで幸せに暮らしているわ」
「…ママ。そんなこと、本気で言っているの?」
知香子が、澄江をぎろりと睨みつける。澄江は、思わず知香子から目を背けた。
「…でも、あれだけ探したけど、見つからなかったじゃないの。きっと…それが運命なのよ」
瞬間、澄江が椅子から転げ落ちる。
知香子が、澄江に平手打ちを食らわせたのだ。倒れ込んだ澄江を、更に蹴りつける。
「ふざけないで!何が運命よ。あたしは…愛実と離れたこの二年、一分一秒だって…あの娘のことを忘れたことはないわ。あの娘とまた、一緒に暮らせる日だけを夢見て生きているのよ!!」
知香子は、息を荒げながら喚き散らした。
「そんなあたしに向かって、あの娘を諦めろですって!?ママは、何にも解ってないわ!愛実だけが…あたしの希望なのよ!!」
「…ご、ごめんなさい。ママが…悪かったわ。もう二度と、そんなこと言わないから…だから、ママを許してちょうだい」
澄江は泣きながら知香子にしがみついたが、知香子は奇声を上げながら暴れ続ける。
知香子の暴走で、愛実の為に用意したせっかくのケーキが落下した。床の上で、見るも無残に飛び散る。
「…愛実。一体、今どこにいるって言うのよ…」
知香子の哀しい呟きが、倉内家に響いた。
<知香子が愛実を失ってからも、二年という歳月が経っていた。しかし、知香子は今も尚愛実の幻影に囚われている。
知香子もまた、愛実のことを愛する母親だったのだ。>
倉内家から遠く離れた山梨の地で、愛実は独りぼっちの誕生日を迎えている。今も、知永子は近所のスナックで働いているのだ。
知永子が仕事の合間に買って置いた、小さなカットケーキを食べていた愛実の目から、ふいに涙が零れる。
「ママ…寂しいよ」
知永子の前ではけして出せない、本音を漏らした。愛実の小さな胸に、寂しさが募る。
「お疲れさん。今日はもう帰っていいわよ」
酔客の相手をしていた知永子は、ママから言われた。知永子は、軽く客をあしらいながら立ち上がる。
「ありがとうございます」
「いいのよ。たまには、早く帰ってあげなさいよ。今日は、愛実ちゃんの誕生日でしょう。いつも寂しい思いさせてるんだから、こんな時くらいポイント稼がなきゃね」
礼を言う知永子に、ママは笑った。
知永子はママの気遣いに再び礼を言い、手早く身支度を整え店を後にする。密かに用意したプレゼントを手に、家路を急いだ。
「ただいま。お店のママが気を遣ってくれたお陰で、早上がりが出来たの。遅くなっちゃったけど、ふたりでお祝いしましょう」
知永子は息を切らしてドアを開けたが、室内はひっそりと静まり返っている。
「愛実…どこにいるの?」
言いながら愛実を探し回るも、部屋のどこにも愛実の姿は見つからなかった。
瞬間、知永子の顔が蒼醒める。
その時、部屋の隅に置かれた電話が鳴った。
知永子は絡まりそうになる足を走らせて、電話に駆け寄る。震える腕で、受話器を掴んだ。
「もしもし…」
かすれた声で呼びかける。
つづく