紅葉の大菩薩・長峰を行く②【紅葉と野生動物との出会いが】 | HIROのブログ

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趣味のブログです。気の向くままに山登りをしています。



続き。



大菩薩、小屋平から石丸峠、
牛ノ寝通りを経由して
今回の目的地、ここから長峰に入ります。

長峰(ながね)とはどのようなコースであろうか。
地図を見ると難路である破線ルートで
長峰の縦走路は、踏み跡や分岐が
不明瞭な箇所が多く、判断力を要す
と、あります。
ササヤブ、急坂も記載されています。

どんなコースなのか
じっくり見て行きたいと思います。



ここまでの間違えようもない登山道から一変して

踏み跡レベルの登山道となります。

それにいきなりの急坂です。

転倒しないように慎重に下ります。



しばらく行くと、登って来る登山者と

すれ違いました。

結局、このコースで会った登山者は

その方だけでした。


臨時便のバスが出るほど

この日、この山域に

多くの登山者が入山しているのですが

このコースはほぼ貸し切りでした。




苔むした木の根。




急坂がひと段落しました。




標高が下がると

ここから先はちょうど紅葉の見頃でした。










突然、ガサガサと脇の薮の中から

鹿が3頭現れました。

写真に写っているのは2頭ですが。

鹿は私の方を見て

電車の汽笛のような声で鳴いて

すぐに私の視界から消えていきました。


歩く人が少ないとコースは

野生動物と遭遇する可能性が高くなります。

それは鹿だけではなく

あの黒い生き物も…


このコースはその動物が出る気配を

濃密に感じるコースです。


熊避けの鈴さえあれば安心と言う訳ではありません。

至近距離で鉢合わせにならないように

時々立ち止まり、付近の気配に気を配ります。

単独登山ですので、慎重に歩きます。






倒れた丸太を発見。

ここに腰を下ろして休憩にします。




紅葉の見頃なのに

付近には誰もいません。






空を見上げます。








鮮やかな紅葉を眺めながら

おにぎりを食べて、水分補給もします。


今回は持参しなかったですが

ガスストーブとコーヒーを

持って来れば良かったです。


ゆっくりしたくなる、そんな場所でした。


つい、ゆっくりしてしまいました。

重い腰を上げて、先に進みます。









写真を撮りながら歩きます。




紅葉の絨毯。










紅葉に見惚れて撮影しながら歩くと

なかなか足が進まないですね。






進行方向右側に黒く動くものが見えます。

熊です🐻

私はここまで相当に警戒して歩いていましたが

やはり現れました。

私が様子を伺っていると

突然、成人男性が叫ぶような声が

周囲に響きました。


バリルートを歩く登山者が

熊と鉢合わせになって驚いて

叫んだ声かと一瞬思いましたが

それは熊の鳴き声でした。




拡大してみます。


私は熊鈴を鳴らすと

熊はこちらを向きました。

私と目が合ったように感じました。

やがて熊は私に背を向けて去って行きました。


助かった…


と思いましたが、まだ熊の気配があります。

私の死角にもう一頭いました。

その熊も先ほど去った熊を追って

去って行きました。













やれやれ…

と思いましたが、

まだ熊の激しい息遣いが聞こえます。

9月に登った権現山で熊に遭遇した時に聞いた

喘息のような熊の激しい息遣いです。


3頭目の熊は木の上にいました。

3頭目の熊は、木から降りると

先ほど去った熊を追って去って行きました。


もし木から降りてから

こちらに向かってきたらどうしようと思うと

気が気では無かったです。



最後の写真は木から降りる熊です。


私は茫然としばらくその場に立ち尽くしていました。





熊に遭遇した現場はこの矢印の所です。



気を取り直して行動を再開します。





それにしてもこの紅葉は素晴らしいですね。






朽ちて倒れた大木。









ここで突然、私の目の前から

大きな鳥が2羽飛び立ちました。

キジのようです。

姿が枯れ葉に紛れていて

直前までその姿に気付きませんでした。

いきなり出てくると驚きますよ。







木々の間から見えるのは

雲取山ですね。




飛龍山と、

その右側に見える3つのコブは三ッ山ですね。

奥秩父主脈縦走路ですね。




小さなピークを上り詰めると




白草ノ頭の山頂です。

木々に囲まれていて眺望はありません。




枯れ葉に埋まった三角点を発見。




写真だけ撮ってそのまま通過しました。









この付近にカネツケノ頭のピークが

あったのですが

気付かずに通過してしまいました。





この先、コースは稜線を行くコースと

巻道があります。

私はここまで歩いたら

気持ちは早く下山したいので巻道を行きます。

巻道は稜線の北側ですので

薄暗いです。




巻道を過ぎて、稜線沿いの道と合流します。


七本木山ノ神。

ネットで調べてみると、

数年前まで祠があったようですが

今は残っていません。

今も人の手は入っているようで

祀られています。

手を合わせていきます。








足場の悪い急な斜面を下りながら

スマホで現在地を確認すると

ルートを外れて南側の斜面を下っていました。

うっかり支尾根に引き込まれていました。

急斜面を登り返して引き返します。

思わぬ大汗をかきました。






今回最後のピークにある



939.6mの三角点。





その先は足場の悪い急坂を

木につかまりながら下ります。

所々にテープはありますが

道は分かりづらいです。

歩きやすい所を選んで歩くと

ルートから外れそうです。

今度は道を間違えないように

スマホで頻繁に現在地を確認します。





最後は痩せ尾根を歩きます。





ようやく車道に出ました。

ここまで来たらもう安心です。




橋を渡ります。




橋の下はダム湖、ふかしろ湖です。




橋を渡ると国道139号です。

ここから国道を歩きます。

すぐにトンネルがあります。

トンネルの中は照明が少なく

トンネルの奥は真っ暗です。

平衡感覚が狂うレベルの暗さです。

スマホのライトを点けて通行しました。








深城ダム。




深城ダムのバス停に到着。




時刻表を見ると、間もなくバスが来ます。

ここは午後の便が一本しかなく、

予定では、ここからだいぶ先の

上和田のバス停から

(上和田からはもう少し多く便があります)

バスに乗る事を想定していましたが

このバスに間に合いラッキーでした。



待つこと数分でバスが到着しました。

バスの座席は7、8割埋まっていましたが

席に座れてラッキーでした。




猿橋駅から中央本線に乗ります。





ここでも10分程の待ち時間で

電車が来ました。

紅葉の混雑する時期なので

混雑を予想したいましたが

ここも座れて良かったです。


その後、高尾、八王子で乗り継ぎ

思ったよりも早く自宅に帰れました。




今回歩いた長峰は破線ルートで登山者は少なく

私が途中で会った登山者は

晴天で紅葉の日曜日にもかかわらず

1人だけでした。

それだけに野生動物に遭遇する可能性は

高くなります。

ルートも所々分かりづらく

稜線上を自分で見当をつけて歩く所も

多くありました。 

稜線を歩いているつもりでも

気付かずに支尾根に引き込まれている

場合もあります。

下りで歩く場合は特に

ルートファインディング能力が必要です。


コースは終始樹林帯でほぼ展望は無いので

GPSは必携ですね。


このコースは雄大な景色を見れる訳では無く

ルートも不明瞭な箇所が多く

初心者には全く勧められませんが

山慣れた登山者が時期、天候を選べば

静かな山歩きが満喫できるコースですね。




今回長峰で出会った登山者   1人


出会った野生動物   鹿   5頭

           熊   3頭

           キジ  2羽