北アルプス、黒部源流の秘境を行く⑤【水晶岳】 | HIROのブログ

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趣味のブログです。気の向くままに山登りをしています。





続き。

山行3日目、
北アルプス最奥の場所にある
水晶小屋に来ています。


これから百名山、水晶岳を目指します。








印象的な吹き流し。




水晶小屋。















足もとには、
カラフルな高山植物の花が咲いています。







山頂の手前は道は険しくなります。




山頂が見えてきました。




岩に水晶が含まれているのだろうか。














最後に急登を登り終えると




水晶岳の山頂です。







山頂に居合わせた登山者達と
記念写真を撮り合いました。

槍ヶ岳の山頂がガスに隠れていたのが
ちょっと残念でした。

でも、さすが北アルプス最奥の山、
周囲は全部山で、麓の集落らしきものは見えません。




赤牛岳方面。





薬師岳。




黒部五郎岳。



黒部五郎岳と、その稜線。
手前は雲ノ平。


北アルプス、最奥のピークであり、
剱岳に次ぐ標高を誇る
百名山の水晶岳に到着を果たし、
山頂で絶景を満喫して
めでたし、めでたし。
と言ったところで、
他の登山者は水晶小屋方面に引き上げていきます。


しか〜し!
私はまだ気になる事があります。

水晶岳は、言うまでもなく双耳峰です。
双耳峰とは、字の如くピークが2つあります。



こう言うことですね。


今登った水晶岳の南峰は、
水晶岳の最高地点(2986m)ですが、
三角点があるのは北峰(低い方のピーク)で、
近年まで水晶岳の公式の標高は
北峰(2977.9m)でした。

これは、深田久弥氏も百名山の黒岳の項で
指摘していましたが、
正式に測量される近年に至るまで、
水晶岳の最高地点は、
実は3000メートルを越えているのではないか…
と、噂されていました。


水晶岳の最高地点が測量された頃、
立山の雄山も測量されて、
現在の標高に変更された事を
当時の山岳雑誌で読んだ記憶があります。

記憶が些か曖昧だったので、
これらの山が測量されたのがいつ頃だったのか
ネットで検索してみましたが
分かりませんでした。




そんな水晶岳の北峰、
ここまで来てそのピークを踏まずに帰るのは
私にはできません。
水晶岳の双耳峰をコンプリートしたいですね。




これがその水晶岳の北峰です。




少し下って、軽く登り返すと





北峰に到着です。



確かに北峰よりも南峰が
だいぶ高く見えますね。
ただ、深田先生の言う
優に20メートル以上、
そこまでは高くは見えませんが。


この時、北峰まで足を伸ばした登山者は
私だけでした。
折角ここまで来たので、
是非、水晶岳は北峰まで行く事をおすすめします。



三角点を探します。
この岩の先に



ありました、三角点。







赤牛岳から黒部湖に続く読売新道の稜線。
次のピークの温泉沢ノ頭から
高天原温泉に下りる道がありますが、
渡渉を繰り返す難路のようで、
今回は行くのはやめておきます。

読売新道、いつかは歩いてみたいですね。




水晶池。




高天原山荘が見えます。






黒部湖が見えます。





北峰に登り、満足したところで
南峰まで戻ります。




水晶岳南峰から水晶小屋まで戻ります。




小屋が見えてきました。




今度は水晶小屋には立ち寄らずに
岩苔乗越方面に戻ります。









岩苔乗越。
ここから高天原温泉に行けますが
時間的に厳しいので
素直に雲ノ平のキャンプ場に戻ることにします。

早めにテントまで戻り、
テントで、まったりと雲ノ平を満喫するのも
いいものですね。







岩苔小谷方面。






祖父岳の登り。
周囲はお花畑です。




行きには時間的に逆光だった鷲羽岳が
綺麗に見えます。









庭園のような前景の先に鷲羽岳。
何気に左隣りのワリモ岳も存在感があります。





双六岳(右側)、
その左下に双六小屋が小さく見えます。






この赤土は、この山が火山と言う事実を
実感させます。




祖父岳山頂に戻って来ました。
時間的にガスで展望はありません。
やはり、夏山は早朝が勝負ですね。





いかにも、溶岩のような岩。





雲ノ平のキャンプ場が見えます。







今朝、薬師岳を激写したのは、この辺りです。





雲ノ平のキャンプ場が目の前には見えますが、
ここからキャンプ場に向かう道は、
植生回復の為に通行止めになっています。


大きく迂回路を行きます。





行きには立ち寄らなかったスイス庭園。
折角なので行ってみます。





つい先程登った水晶岳が目の前に見えます。
















池塘の水に映る逆さ水晶岳。







水晶池に



高天原山荘が見えます。



スイス庭園、
足を伸ばして良かったですね。




雲ノ平山荘。






キャンプ場に戻ります。


先ずは着替えて、
その後、水場でシャツを脱いで、
頭から上半身、水を浴びます。
氷のように冷たい水ですが、
サッパリしました。
着替えた服は水ですすぎます。
そしてテントの裏のロープに掛けて
干しておきます。





これから1人宴会の始まりです。

山で呑む酒の旨いことよ。

宴会と言っても、1人静かに酒を呑むだけで、
騒いで周囲に迷惑をかけることはありませんよ。










前日は到着が夕方だったので、
マッタリする時間はありませんでした。

今日はたっぷり時間がありました。



ここは、長時間歩かないと辿り着けない
秘境中の秘境です。 
地図には、日本最後の秘境と呼ばれる
と、記されています。

そんな秘境、テントで気ままに過ごす時間の
なんと素晴らしいことよ。

ここは、日程の許す限り、
時間をかけて過ごす価値のある場所ですね。


もし一泊でしたら、
夕方、やっとの思いで到着して、
まもなく日が暮れて、
翌朝、慌ただしく出発して、
そのまま通過して
終わるところでした。

黒部五郎岳に登って、太郎平に戻る
周回ルートも頭にはあったのですが、
敢えて先を急がずに
雲ノ平で連泊する行程にして正解でした。

黒部五郎岳は、次回のお楽しみですね。



なかなか行きにくい場所だからこそ
たっぷりと時間をかけて楽しみたいものです。
ここはその価値がある場所ですね。




テントの中から見る、夕暮れの黒部五郎岳。

ついでながら、今朝、星空を撮影は、
この岩の上にカメラを置いて撮影しました。
翌朝、再び星空撮影する予定です。








そして、雲ノ平の日が暮れていきます。



ここではスマホの電波が入らず、
帰宅してから知ったのですが、
私の自宅は、この時、連日猛暑だったようです。

この標高が高い山の中は、
夜は、下界では真冬に着るダウンを着て
ちょうど良かったです。

妻にその寒さを話しても
信じてもらえませんでしたが。

ついでながら、私は荷物の軽量化の為、
夏山ではシュラフを持参せず、
シュラフカバーにダウンを着て寝ます。

昨年の夏山、
槍ヶ岳の近くの南岳キャンプ場に泊まった時、
ダウンを着ても寒かったです。
その前日の涸沢では快適でしたが、
やはり3000mの稜線は冷えます。


その教訓で、今年は昨年よりも
厚手のダウンを持参しました。
今年は快適に寝ることができました。




続く。