北アルプス、黒部源流の秘境を行く④【北アルプス最深部を行く】 | HIROのブログ

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8月3日(火)

北アルプスにやって来て山行3日目です。
雲ノ平にやって来ました。

今日は北アルプスの1番奥深い山々を
歩こうと思います。

今回の登山、今日がハイライトです。
楽しみですね。




夜明けの雲ノ平。


夜空を見上げると、
都会では見ることができないぐらいの
満天の星です。
天の川も見えます。
流れ星も普通に幾つも見えます。

しばし星空を見とれます。

そうしているうちに、
私の中で、その星空を撮影したい気持ちが
起こってきました。

今回、星空を撮影することは
全く想定してはいませんでした。

そこで、
カメラのレンズを単焦点広角レンズに交換します。
別にズームレンズでも撮影できますが、
少しでもF値の明るいレンズを選択します。
ピントは♾にします。
ISO感度を上げて、
露出モードをマニュアル、
シャッタースピードを30秒、
絞りを開放から一段絞ったF2.8にセットします。

カメラをテントの前の岩の上に置き、撮影します。

三脚、ケーブルコードが無くても、
工夫次第で
なんとかなるものです。





雲ノ平の星空。
撮影する少し前まで
天の川も見えていたのですが
夜が明け始めていたので、
見える星は少なくなっていました。
ちょっと撮影開始時間が遅かったですね。


露光時間が長いので、
星の光が少し流れて見えます。
雲が少し写っています。










明日、もう一回、
星空の撮影に挑戦するつもりです。








ここのキャンプ場は水が豊富です。
雲ノ平山荘は、小屋の周りに水場は無いので、
山荘宿泊者で、ここまで水を汲みに来る人がいます。

出発前に行動中に飲む水を汲んで、
スポドリの粉を入れます。



準備ができたところで
今日の行動を開始します。


今日はここで連泊なので、
サブザックに最小限の荷物の軽装で出発します。








黒部五郎岳の山頂部に朝日が当たっています。





まずば祖父岳方面に向かいます。





雲ノ平の東端まで来ると、
水晶岳が大きく迫ってきます。









点在する池塘、岩が
独特の景観を作り出しています。














f値の明るい単焦点レンズは
ボケもきれいです。

重量増加を覚悟で持参して良かったです。
























薬師岳に朝日が当たっています。
手前はまだ日陰で、黒く潰れています。
もう少し日が昇れば、いい感じになります。




祖父岳の登り。







ハイマツ地帯を通過します。





徐々に雲ノ平に朝日が当たってきました。
これからが撮影のゴールデンタイムです。











祖父岳方面に向かいます。












水晶岳をバックに撮影。








薬師岳を背景に絞りを変えながら撮影。




もう一丁。




背景のボケ具合を変えながら撮影。

絞りによる被写界深度の変化の
作例のような写真です。
















雪田を横切ります。





雪田を前景に







もう一丁、絞りを変えながら撮影。





さっきから、薬師岳の雄大な姿に
激写が止まりません。




足早に通り過ぎて行く他の登山者を尻目に
私はアングルを変え、露出を変えながら
撮影に夢中です。

私はここで、こんな写真を撮りたかったんです!






登りきった所が祖父岳の山頂です。







標識の字が薄くなっていて、読めません。




今日はここまで広角の単焦点レンズで
撮影してきましたが、
ここからズームレンズに交換します。

遠景の風景を撮影するには
画角が変えられるズームレンズがメインになります。







祖父岳の山頂に来ると、
今度は槍ヶ岳が視界に飛び込んできます。
手前左側は鷲羽岳です。







どこから見ても一際目を引く槍ヶ岳は、
やはり北アルプスのシンボルです。
前日の薬師岳よりも近づいたせいか、
槍ヶ岳が大きく見えます。








鷲羽岳の左側はワリモ岳です。



三俣蓮華岳(左側)と、右奥は笠ヶ岳です。

三俣蓮華岳は、北アルプスの名だたる百名山に
囲まれた地味な(?)ピークですが、
こうしてみると、
なかなか根張りの大きな立派な山容です。






黒部五郎岳。
ここまで来ると、口を開けたような
カールの中が見えます。











私、個人的には、
薬師岳のスケールの大きな山容に惹かれます。
その膨大な山容は、
北アルプスの数ある名峰の中でも随一ですね。
さっきから、アングル、露出を変えながら
しつこいぐらい撮影しています。






祖父岳は広い山頂です。
周囲を北アルプスの名だたる名峰に囲まれた
好展望台です。

名残惜しいところですが、
まだ先は長いので、
そろそろ山頂を後にします。














ハクサンフウロ。





祖父岳からの下り。






イワギギョウ。
チシマギギョウよりも、少し薄い色ですね。








ハクサンイチゲ。





高山植物の花を愛でながら歩きます。
道草しまくりです。
素通りするには惜しい場所ですね。


ソロ登山のいい所は、
自分のペースで歩けることですね。
気になったポイントがあれば、
納得がいくまで撮影できます。
勿論、他の通行する登山者の
迷惑にならない範囲ですけどね。







突然、ガスが流れてきました。













肉眼では、稜線を歩く登山者が見えました。





先ずは、百名山の鷲羽岳を目指します。









今回の山行で至る所で見た
コバイケイソウ。







先程越えてきた祖父岳(右側)、
黒部五郎岳(左側)。













ワリモ岳の巻道を
慎重に通過します。





ワリモ岳を巻くと、
槍ヶ岳と鷲羽岳のツーショットが見えます。
ガスに浮かび上がる槍ヶ岳も
なかなかいいですね。



三俣蓮華岳(右側)から双六岳(左側)に続く
裏銀座の稜線。




鷲羽岳の登りから振り返ると、
今、通り過ぎたワリモ岳と、
写真中央奥に水晶岳が見えます。





最後の登りを終えると






鷲羽岳の山頂です。




三角点。









鷲羽岳山頂からの眺望の主役は
槍ヶ岳ですね。





ガスが沸くと、更に迫力が増します。





今度は縦位置で。

何回シャッターを押しても
撮影し足りない感じですね。









三俣蓮華岳、笠ヶ岳方面。



赤い屋根の三俣山荘も見えます。
三俣山荘のランチメニューのジビエ丼が
気になっていたのですが、
行程の都合、今回は諦めます。





余談になりますが、
鷲羽岳は、私が最初に登った百名山でした。
1984年、今から37年前です。

今(登山時)、東京2020オリンピックが
行われていますが、
当時、ロサンゼルスオリンピックが
行われていた事を記憶しています。


当時、私は中学1年生でした。
山岳部に入部して、初めての本格的な山が
北アルプスのこの山域でした。


北アルプスの雄大な自然に魅了された私は、
以後、山登りにのめり込んでいくことになります。




先日の薬師岳でも触れましたが、
その時の山行は、鷲羽岳に登頂後、
翌日槍ヶ岳に向かった訳ですが、
槍ヶ岳の肩に着く手前で
猛烈な雷に遭遇して、
その山行では、槍ヶ岳に登頂は叶いませんでした。

山の素晴らしさと共に、
厳しさも味わった山行でした。


以来、私は色々な山に登りましたが、
今までで1番印象深かった山行はどの山行か?
と聞かれたら、
その最初に登った北アルプスと答えます。





最初に北アルプスを訪れた数年後、
この北アルプス奥地を再訪しようと
自宅を出発したのですが、
その時の山行は悪天候に阻まれて、
再訪は叶いませんでした。



社会人になり、随分長い間
本格的な山登りからは離れていましたが、
いつか、北アルプス奥地にあるこの山を
再訪したい気持ちは、ずっと持っていました。

今、その願いが叶いました。






黒部五郎岳。





裏銀座縦走路、野口五郎岳(右側)。




ワリモ岳(左側)、水晶岳(右側)。


最高の天気の中で再訪が叶い、
絶景は見飽きることはありませんが、
そろそろ次に向かうことにします。



黒部源流域。




あれは、餓鬼岳方面ですね。




至る所に残雪があります。




チシマギギョウの先に黒部五郎岳。
いかにも夏の北アルプスの写真ですね。





同じく鷲羽岳。





さっきから、槍ヶ岳がガスの影響で
見え隠れしています。
ガスがあると、険しさが増して見えます。









行きには気付かなかった
ワリモ岳頂上の標識。
せっかくなので、行ってみることにします。





数メートル登ると、ワリモ岳の山頂です。
頂上には、標識らしきものはありませんでした。
分岐点に気付かない人も多いでしょうね。
ワリモ岳山頂は、私だけの貸切でした。

ここは鷲羽岳を間近に望む
絶好の展望台です。
せっかくここまで来たので、
余裕があれば、立ち寄ることをおすすめします。





ワリモ岳の山頂は、こんな感じです。













さっきから同じような写真が続きますが、
撮影場所が変われば
微妙に山の見える角度が違います。







次の目的地は、あれですね。
北アルプス最奥の山、水晶岳。




雲ノ平と薬師岳。
ここをずっと歩いて来ました。




先程通過した分岐点まで戻りました。
今度は水晶岳方面に向かいます。









二重山稜になっています。





その中に僅かに雪が残っていました。








雲ノ平と、
その奥は太郎平から黒部五郎岳に続く稜線。



鷲羽岳(左側)、ワリモ岳(右側)。
だいぶ歩いてきました。






もうひと頑張りです。




















お花畑の先に青空が広がっています。

極楽浄土に続く道があるとすれば、
こんな道なのであろうか。





絶景です。






登りきった所が水晶小屋です。















野口五郎岳。
芸能人のあの人の名前は、
この山の名前からきているのは
有名な話です。






眼下に見えるのが東沢谷です。






その先に黒部湖が見えます。




先程、鷲羽岳でも触れましたが、
私の北アルプスデビューは、
黒部ダムから黒部湖沿いを歩き、
東沢谷を遡行しました。
今思えば、北アルプスデビューの
初っぱなから凄いコースでした。
そして山行3日目の昼に
東沢乗越を経由して
この水晶小屋に辿り着きました。


水晶岳は、言うまでもなく百名山の一座で、
ここから僅かな距離で登ることができます。

しかし、当時私は初めての本格的な山行で、
山岳部の一行に付いて行くので精一杯でした。
水晶岳に登る体力的な余裕は無かったです。
それに百名山は、
当時は、その存在すら知らなかったです。

結局、その時は水晶岳は登らなかったです。

後に、百名山の存在を知り、
あの時登っておけば…
と、思いましたが、後の祭りです。

水晶岳は、北アルプス最奥の場所にあり、
行くだけでも通常最低2日かかります。
日程に余裕が無いと
なかなか登りにくい山です。


今回、私が3泊4日の計画を立てたのは、
この水晶岳に登ることが最大の目標でした。




雪田が見えます。
昔、水晶小屋の前の雪田の雪をカップに入れて、
かき氷のシロップをかけて
食べたことを思い出しました。
雪田の下を流れる雪解け水を
水筒に汲んだ記憶もあります。
たぶん、あの雪田ですね。


今思えば、夏の残雪を食べるなんて不衛生で、
今はそんな事をしている人は誰もいません。

昭和の頃は、そんな事もしていたのですね。


それと、今回思った事は、
現在は植生保護の為、
登山者が道を外して歩かないように
道の両側、小屋の周りにも
ロープを張られた所が多かったです。

何事も緩かった昭和の頃とは
時代が違いますね。





水晶岳が目前に見えますが、
ひとまず腹ごしらえです。




売店でパンを購入します。

行動食のパン等も、
今回は長い日程の山行ですので
多めに持ってきてはいたのですが、
テントに忘れてきていた事に
その時気付きました。
それでも山小屋が多いこの山域、
なんとかなりますね。
逆に、積極的に山小屋の食事を利用した方が
色々な物を食べることができて、
荷物も軽量化できて、
正解でしょうね。





腹ごしらえを済ませて、水晶岳に向かいます。





水晶小屋のあるピークを赤岳と呼ぶようです。




東沢乗越から続く荒々しい道。


深田久弥氏は、
日本百名山の黒岳(水晶岳)の項で
この赤岳のことを、
赤褐色にただれた無残な断崖
と表現しています。
深田先生、
なかなか手厳しいですね。




いざ、水晶岳ヘ!





長くなりましたので、
次回に続きます。