夏山登山で、北アルプスに来ています。
入山2日目の朝、薬師岳に登頂を果たしました。
今回のブログはその続きです。
太郎平小屋で予約しておいた弁当を受け取りました。
今日はまだ先が長いので、
急いで出発しようと
小屋の前のベンチで支度をしていたら、
小屋の方が無線で会話する声が耳に入ってきました。
雲ノ平で怪我人が出て、
救助のヘリの要請のようでした。
雲ノ平は、今日これから私が向かう場所です。
気を引き締めて行くことにします。
太郎平小屋を後にします。
しばらく行くと、
黒部五郎岳方面と道が分かれます。
私が進むのは、薬師沢方面。
一度大きく下ってから登り返します。
太郎平小屋。
足もとには、至る所に高山植物の花が咲いています。
楽園のような場所ですね。
今回の山行では前衛の山である
太郎平の稜線を越えて、
これから秘境、
黒部川源流の流域に入って行きます。
奥の稜線が
水晶岳(左側)、鷲羽岳(右側)。
その手前の平らの稜線が雲ノ平。
まだ遥か彼方です。
歩いていると、救急搬送と思われるヘリが
雲ノ平方面に飛んで行くのが見えました。
ハクサンフウロ。
小一時間下ったであろうか。
普段はお昼には早いのですが
朝食は3時頃だったので
だいぶお腹が空いていました。
第一渡渉点を渡った先の木陰で
ランチにします。
これを楽しみにしていました。
疲れて、腹ペコには、ちらし寿司弁当は
美味すぎです。
あっという間に完食です。
注文して良かったです。
この太郎平小屋のちらし寿司はおすすめですね。
お腹を満たしたところで行動を再開します。
周囲を山に完全に囲まれた
秘境感がある、なかなか気持ちの良い場所です。
異国の山を歩いているように感じるのは
私の想像し過ぎでしょうか。
今回の山行で、ここだけに咲いていた
ワタスゲ。
少しずつ水晶岳が近づいてきました。
この辺りは、カベッケヶ原と呼ばれるところです。
ニッコウキスゲ。
木道に生えたキノコ。
薬師沢小屋に到着。
一息入れます。
ペットボトルの水を
ここの冷たい水に入れ替えます。
その中にスポドリの粉を入れます。
吊り橋を渡ります。
下を見てはダメですよ。
この辺りは、奥の廊下と呼ぶようです。
秘境感がある場所ですね。
橋を無事に通過しました。
ここではない別の沢ですが、
昔、黒部の源流の沢を遡行したことがあります。
その時の記憶が蘇りました。
一旦、川に降ります。
エメラルドグリーン色の水です。
冷たくて気持ちいいです。
私は雲ノ平に向かいますが、
高天原温泉に向かう大東新道は
熟練者向きのハードコースです。
これから、この山行最大の試練が待っています。
いきなり急なはしごです。
足もとに動くものが。
大きなカエルでした。
蛇に食われるんじゃないぞ!
と、言っておきます。
この急登がなかなか凶悪でした。
1番暑い時間帯で、
暑さで体力の消耗が著しい上に
急なだけならまだいいのですが、
道はジメジメしていて、
苔むした岩が滑る、滑る…
登りなのに一度、
ズルッとコケました。
ゴゼンタチバナ。
それでも写真を撮り続けます。
延々と続く急登を
どれだけ歩いたであろうか。
傾斜がなだらかになり、
木道が現れるとホッとします。
どうやら雲ノ平の領域に入ったようです。
雲ノ平は、祖父岳の噴火によって形成された
溶岩台地です。
この木の根の隙間に空いた空洞は
富士山の樹海でも見られます。
溶岩の影響なのかも知れません。
アラスカ庭園。
ベンチで小休止します。
各地に池塘が点在しています。
なかなかいい雰囲気です。
水晶岳がだいぶ近付きました。
雲ノ平は、平と名が付いていますが、
全く平坦ではなく、
それなりに起伏があります。
特にこちらからは、登り一辺倒ですね。
今度は、奥日本庭園です。
池塘にアメンボがいます。
やっと雲ノ平山荘に近付きました。
山荘で、テント泊の受付を済ませてます。
ここで連泊、2日分の料金を払います。
今回の目的地はこの雲ノ平です。
雲ノ平には、いつかは行きたいと
ずっと思っていました。
今回は連泊して、じっくりと雲ノ平の魅力を
満喫するつもりです。
山荘を後にして、テント場に向かいます。
雷岩。
この先が雲ノ平のテント場です。
キャンプ場が見えてきました。
平坦そうな場所を確保。
取り敢えずテントを張ります。
ちょっとジメジメしていましたが、
空いていた場所の中では、
ここが1番平坦そうでした。
テントのすぐ後ろに、コバイケイソウが群生して、
花が咲いていました。
今年はコバイケイソウの当たり年のようです。
そして、雲ノ平初日が終わります。
続く。