普段音楽系の創作物は全く見ない。漫画やアニメは好きだけど、かなり話題になったアニメ「響け!ユーフォニアム」は少しも見る気になれないし、高校生の時に読み始めて楽しんでいた漫画「のだめカンタービレ」も、途中で買うのをやめてしまった。
大学生の時に、お父様がおすすめ作品として宅急便にしのばせてきた漫画「BLUE GIANT」は、サックス初心者の主人公が、河川敷でドロドロのボロボロになりながら日がな一日スケールの練習をするシーンを読んで崩れ落ちるくらい号泣してから、精神に負担が大きすぎるとして読むのをやめた。名作だと思う。いつか楽器を吹くのを辞めたらもう一度ちゃんと読みたい。中学生の時に見た映画「スウィング・ガールズ」は大好きだったんだけどなぁ。特にトランペット役の貫地谷さんが大好きだった。
そんなわけで、YouTubeに流れてくる音楽系ユーチューバーさんの動画も全く見ない。知り合いの動画なんかが流れてくると、「おぉ...頑張ってらっしゃるな...」とチラッと確認するが、その後はやっぱり見ない。なんだかよく分からない気持ちになるからだ。
ところが先日、突然私へのおすすめとして流れてきたクラリネット奏者の動画。大学時代、毒舌&気の強さでクラリネット科を支配していた最恐のお姉サマ軍団のうちの一人のものだった。
YouTubeだからと言って取り繕わず、言いたいことを物申してらっしゃるあの頃と変わらない姿勢に「さすがです!」と思わずいろいろ見てしまう。その中でひとつ、コンサートの差し入れについてお話している動画があった。
コンサートの差し入れとは!私はこの文化を大学に入ってから知った。どの界隈までこの習慣が浸透しているのかわからないけど、とにかくコンサートを聴きに行くには"差し入れ"なるものが必要だった。
チケット代ですでにお金を使っているのに、その上なんで差し入れとして高いお菓子やらなんやら買わないかんねん!と今は思うけど、当時はとにかく義務だった。大学でクラリネット科のコンサートがあるなら、その他の楽器科から差し入れを渡すためにコンサートへ人が派遣され...大先生のコンサートへ行くなら、お気に召される高級菓子をデパ地下を何往復もしながら選んで...と、結構大変だったもんだ。
あまりにも当たり前すぎて、フランスへ来てからも当然のごとくコンサートに差し入れを持って行ったら、そんなことをやっている人は誰一人いなくて驚いた。最初の頃は、「え、いいのかな...いや、やっぱり持って行ったほうが...」なんてうにうにしていたけど、そのうち慣れてしまってからはもう手ぶら。
両方経験してから思うのは、差し入れなんてもんはない方が気楽でいい。コンサートに高校の同級生をお誘いしたら、どこでこんな悪習を学んだのか、高そうな素敵な差し入れをいただいたことがあって本当に申し訳ない気持ちになった。「こんなことをさせたいがために誘ったんじゃないんだよ..!本当だよ..!」と心の中で泣いた。聞きに来てもらえるだけで充分なんだ。
なんてちょっといい人ぶって書いてみましたが、私、お菓子ダイスキ。一緒にコンサートをしたメンバーから差し入れのおこぼれを頂戴するのを、いつも結構楽しみにしている。貰えたら嬉しい、けどそんな浅ましさが悲しい。難儀なもんです
ちなみにお姉サマの動画では、差し入れはお菓子や生物だと消費に困って廃棄となってしまったりするので、ギフトカードがよい!と仰っておられた。コメント欄の「現金渡しとけ!」との意見にも肯定的な様子で、当然ながら物議を醸している。お姉サマ、さすがです!
...スイス人作曲家フランツ・ティシュハウザーの作品に、クラリネットのための「乞食の協奏曲」という曲がある。
ティシュハウザー 乞食の協奏曲
Tischhauser: The Beggar's Concerto
演奏しているのはローザンヌ室内管弦楽団の首席だった
トーマス・フリードリ氏。めちゃくちゃうまい
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