フランスに来て少ししてからフランス語学校に通った。
クラスに生徒は15人ほど。まさに人種のごった煮だった。
首筋に入れ墨がゴリゴリの中国人のおばちゃん。一番後ろの席で授業中ずっとセルフィーを続けるサウジアラビア人の青年。「あなた内気ね。」と真っ直ぐに目を見て言ってきたコロンビア人の女の子。ガラは悪いけどちょっとかっこいい坊主のブラジル人。流暢な英語を話し、ブロンドヘアをなびかせ一番前の席を陣取るツンとすました北欧三人娘。さすらいのミュージシャンのクルド人。優しく話しかけてくれたインド人のナターシャ...。
「みんな、ほんとにいたんだ...!」
平和記念公園に来る観光客か、原宿でTシャツを売りつける黒人のにーちゃん達しか外国人に会ったことがなかった。
どの国の人だって、テレビのニュースやドキュメンタリーで見たことはある。でも、自分と同じように食べて寝て、息を吸って生きているという実感がなかった。テレビの向こうの架空の人物だったのだ。
移民問題はヨーロッパの国々にとって頭痛の種だろう。すべて排除するわけにもいかず、かといって受け入れすぎるわけにもいかない。
パリはたくさんの人種で溢れかえっている。フランス語が全く聞こえてこない通りやお店もたくさんある。
生粋のフランス人が聞くとムッとするかもしれない。
でも私はこの人種のごった煮なパリが好きだ。
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