「ねぇ！気絶したんだけど！」
「は？」「気絶したの！さっき！電車の中で！」何やら興奮した様子の彼氏から電話がかかってきた。仕事場でシャンパンを一杯あおった後走って電車に乗り、アルコールが回って気絶したらしい。
「ほんで、どうなったん？」「電車が止まって、車掌が大丈夫か確認しに来た！」体調云々より人生初の気絶にテンションが上がっている様子。アホである。
どうやら気絶したのは一瞬で、乗り合わせた黒人のおっちゃんがすぐに介抱してくれ、これまた黒人のおばちゃんが「これでも食べときな！」とアメちゃんをくれたらしい。
「気絶よ気絶！すごくない？！」「......良かったね。」賛否両論あると思う。でもフランス人は優しい（もしくはフランスに住んでいる人は優しい）。困っている人が放って置かれることはほぼない。誰かが声をかけてくれる。
これならパリで行き倒れても誰かが助けてくれそうだ。
一安心である。
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