2回目にネズミさんに出くわしたのは家の中だった。



めぐちゃんから噂は聞いていた。





知らんぷり「わたしの部屋、ネズミ出るんだよね〜」



めぐちゃんの部屋は隠れる場所も多いし、食べかけのお菓子なんかもよく落ちている。格好の餌場だっただろう。



夜にキッチンの明かりをつけると、どこからともなくカサカサという音が聞こえてきて、おかしいと思っていた。



チーン「アレ、ねずみだったんか...」




ある日の夕方である。



夕焼けでオレンジに染まるキッチンに入った瞬間、私がドアを開ける音に驚いた黒い影が、テーブルの上に置いてあった袋から弾丸のように飛び出し華麗にダイブ。冷蔵庫の隙間にすごいスピードで消えていった。



チーン「エッ...」



フランス人はパンをよく食べる。

食べかけのバゲットなんかを布袋に入れて保管しておくご家庭も多々ある。



チーン「今、パン袋から飛び出していかれましたよね...?」





チーン「...ちょっとぐらい菌を摂取したほうが、逆に健康になれるって言いますもんね...?」




こうしてフランス人とネズミさんは今日も共存していくのである(完)




 

 


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