350 四十九日の準備 | プレ介護アドバイザーはまじゅんのおしゃべりサロン

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母親の君江の葬儀を終えて、健太は月曜日

から通常勤務に戻った。

 

みどりは、月曜日だけ休んで、火曜日から

出勤した。

 

楓は、デイサービスでのパート勤務に戻った。

勤務の合間を縫って、市役所や年金事務所の

手続きを進める。

 

哲也も高橋さんも、いつも通り特養に

出勤する。

 

皆の生活の中から、君江の存在が消えた

だけで、日常生活には何の変りも無かった。

 

通常、七日毎にお寺様が自宅の祭壇にお参り

に来るのだが、最近は、家族みんなが働いて

いて忙しいので、お寺でのお参りをお願い

して、四十九日まで特に家族が集まらない

ことも多い。

 

健太も楓も、四十九日に集まるだけにすると、

東福寺のご住職に伝えた。

 

6月14日の金曜日、みどりの抗がん剤治療

が始まった。点滴で抗がん剤を入れるのだが、

その後のだるさが辛い。

 

みどりは、這うようにして帰宅すると、

金曜日は食事もせずに寝た。

 

週末は、少しずつ起きたが、家事は健太が

引き受けた。

 

7月5日の2回目は、前より少し楽になった。

それでも、金曜日は寝ていて、土曜日には

起きられるような状態だった。

 

楓は、東福寺さんと四十九日の打合せをする。

浩介夫婦が来るので、時間は午後2時からに

した。東福寺の納骨堂の前に集合して、骨壺

を小さい物に入れ替えた後、納骨壇の前で、

読経をして終わる。

 

全部で1時間程なので、その後、境内の

カフェでお茶をして、解散する予定にした。

 

颯介は、納骨堂の場所を知っているので、

また里帰りした時に絵里香さんと行って

くれれば良いと、楓は話してあった。

 

華江おばさんは、直前にならないと分から

ない。みどりは、前日が抗がん剤治療の日

なので、体調次第と話していた。

 

みどりは最近元気がない。

時々ボーっとしていることも多い。

健太は、気付いてはいたが、抗がん剤治療の

せいだろうと思っていた。

 

四十九日の3日前、華江おばさんから七海を

連れて行くと言う返事があった。

朝一番の電車で出て、納骨の後はまた、温泉

に行くのだと言っていた。

 

「華江おばさん、七海ちゃんを連れて来て

くれるそうだ」

 

25日に楓から連絡をもらって、健太は

みどりに話した。

 

「そう、良かったわね。

私、やっぱり納骨は遠慮するわ」

 

みどりがキッパリと言った。健太は驚く。

 

「体調次第じゃなかったのか、みどり」

 

「最近疲れているから、多分、体調が悪いと

思う。楓先輩には、LINEで連絡しておくね」

 

それから、みどりは、ほとんど

しゃべらなくなった。

 

健太には、どうしてみどりの機嫌が悪いのか、

サッパリ思い当たらなかった。

 

健太!  危険信号だよ!

 

TO BE CONTINUED・・