84 どうする?デイサービス | プレ介護アドバイザーはまじゅんのおしゃべりサロン

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45歳の佐藤健太は、同級生のケア

マネジャー田中みどりからもらった、

介護サービス事業所の一覧できる

冊子を見て、悩んでいた。

 

認知症の出始めた75歳の母親君江の

為にデイサービスを選びたいのだが、

S市内にはデイサービスが100か所

近くある。

 

どうやって、選んでいいのかが

分からない。

何を基準にすれば良いのだろうか?

 

要介護認定通知が遅れると連絡が

あったので、健太はその週の土曜日

に、中央包括支援センターに出かけ

て行った。

 

朝一番に電話を入れておいたので、

健太が着くと、看護師の早川さんが

待っていてくれた。

 

健太は、認定通知が遅れていることと、

母親にデイサービスを利用させたい

こと、知り合いのケアマネジャーに

相談したら、要支援2か要介護1

だろうと言われたことなどを話した。

 

「お知り合いのケアマネさんは、

どなたですか?」

 

早川さんに聞かれて、健太はみどりの

ことを話した。

 

「ああ、田中先輩!高校の先輩です」

「えっ、でもずいぶん年上ですよね?」

 

先輩という言葉に、健太はびっくりして

聞いた。

 

「高校の時に、職場体験で田中ケアマネの

職場でお世話になったんです。その時に、

介護の現場の大変さと楽しさを教えて

もらって、私が包括の仕事を選んだのは、

田中ケアマネの影響が大きいんですよ」

 

道理で、みどりが早川さんのことを若い

けどしっかり者だと言っていた訳だ、

と健太は思った。

 

早川さんは、おそらく来週ぐらいには

認定通知が来ると思うけれど、とりあえず

デイサービスの事業所選びだけは進めて

おきましょうと言ってくれた。

 

「それなんですけど、どうやって選べば

いいんですか?

100か所ぐらいあるじゃないですか」

 

健太は、みどりに貰った冊子を持って

来ていた。

 

「ああ、介護サービス事業所一覧を田中

ケアマネに貰ったんですね。これを見た

だけでは、選びにくいですよね」

 

早川さんは、デイサービスを選ぶ時の

ポイントをいくつか整理して説明して

くれた。

 

1つ目は、距離の近いか遠いか。

自宅からの距離が近いほうが良いと思い

がちだが、昼間誰も家にいない場合、遠い

事業所の方が送迎に時間がかかるので、

かえって一人になってしまう時間を短く

できる。

また、家族の仕事からの帰宅時間が遅い

場合、遠い事業所の方が良いという考え方

もある。

さらに、近いと近所の人が多いので、近所

の人と会いたくないという場合もある。

 

2つ目は、事業所の規模の大きさ

定員が30人程度以上の規模だと、大勢で

にぎやかに過ごせる。レクレーションなど

も、色々と工夫されて、屋外行事なども

派手にやることろが多い。

逆に、10人以下の小規模な事業所は、

家庭の茶の間でくつろぐような雰囲気で、

レクレーションというよりも、各自の

好きなことをやらせてくれる所が多い。

利用する本人の性格によっても、好みが

違うので、家族が勝手に選ぶよりも、

見学してもらうのがベスト!

 

3つ目は、介護費用の予算

介護保険サービスだから、かかる費用の

全てが1割負担という訳ではない。

食事代やおやつ代、工作などの雑費は、

全額自己負担となる。事業所によって

かなり金額の差があり、一日単位で

増える費用なので、介護に使える予算の

範囲内で収まるかを検討する事が重要。

 

また、事業所の施設整備や人員配置の

状況によって、加算額が違うので、

デイサービスの利用料そのものも費用

に差が出る。費用面を重視する場合は、

ケアプランを立てる時に、しっかり試算

してもらう必要がある。

 

4つ目は、休業日

土日はお休みの事業所もあれば、年中

無休の事業所もある。

家族が変則勤務だったり、サービス業で

土日は基本出勤するような仕事の場合は、

年中無休の事業所を選ぶ必要がある。

 

5つ目は、認知症対応

デイサービスの中には、認知症対応型と

うたったデイサービスもある。

職員が認知症に精通しているし、利用者

も認知症の人なので、安心感がある。

ただし、介護度の重い方が多い事業所の

場合は、初期の認知症の方には向かない

こともあるので、要注意!

やはり見学が重要!

 

「こんな感じで、色々な視点から、選んで

もらうことができます。条件を言って

いただければ、空き状況も含めて、こちら

で問い合わせをして、候補を挙げることも

できますよ」

 

早川さんは、健太にわかりやすいように

的確に説明してくれる。

 

「さすが、みどりの弟子?なだけあるな」

 

と、健太は変に感心していた。

 

「うちの母親は、まだ認知症と言っても

初期なので、明るくてにぎやかなところ

が良いと思います。

場所は、家から近いほうで、費用は特に

気にしません。

僕が土曜日出勤が多いので、土曜日も利用

できる所をお願したいです」

 

健太は、前々から色々とイメージしていた

ので即答した。

 

「わかりました。それでは、今の佐藤さん

のご要望に基づいて、デイサービスを

探しておきますね。

ご連絡方法は、どうしましょうか」

 

「ファックスだと母親が見てしまうので、

できればメールが良いんですが・・・」

 

健太が口ごもっていると、

 

「田中ケアマネとは、どうやって連絡

しています?」

 

と早川さんが言った。

 

「みどり、じゃなかった、田中さんとは、

LINEで色々と相談しています」

 

「わかりました。要支援になるか要介護に

なるか分からないので、田中ケアマネと

デイサービスの情報を共有しておきますね。

田中ケアマネから佐藤さんにお伝えして

もらいますね」

 

健太は、とりあえずデイサービスの候補を

挙げてもらって、今度の土曜日に見学が

できるとありがたいと伝えた。

 

「おふくろの気に入るデイサービスが

見つかると良いなあ」

 

健太! 頑張ってね!

 

TO BE CONTINUED・・・