テナセリム地方 7 蓮と龍

 

久しぶりにテナセリム地方の大型錫貨の新たなタイプを二枚入手しました。蓮のつぼみと龍を抽象化したモチーフで、一枚は丸形、もう一枚は八角形型です。

 

 

 

 

丸型:

 

25.59g/62.6mm, ref. Phayre Plate III no.6,  VC-611, Robinson Plate 9.2 (#21)

 

表:供物台のようなものの上に、単純化された龍と思われる交わった曲線、その上に大きな蓮のつぼみ様のモチーフ。広い周縁にドット。

裏:中心に四角。周囲にビルマ語のような文字。広い周縁にドット。

丸型。

Phayre Plate III no.6と同じタイプ。


 

摩耗により一部デザインが不明瞭で、表面が抽象化・単純化された龍なのか、蓮の花の一部なのかは良く分かりません。

 

 

八角形型:

 

27.15g/59.9mm, ref. Robinson & Shaw 6.5 var. (Oxford Ashmolean Museum), Robinson-Plate 13:6, VC-620, Millies-230

 

表:右向きの単純化された龍。上に小さな蓮のつぼみ様のモチーフ。広い周縁部にドット。

裏:中心に四角。周囲にビルマ語のような文字。広い周縁にドット。

八角形型。

Robinson & Shaw 6.5 var. (Oxford Ashmolean Museum)に基本的には同じデザインだが、表面一番下の供物台の有無、龍/蓮の蕾の形状が異なる。


こちらは単純化された龍が明瞭に分かります。形状と見た印象は異なりますが、この2枚は基本的に同じデザインだと思われます。




(出典: The Coins and Banknotes of Burma, M. Robinson and L. A. Shaw)



 

この2タイプ、特に丸形は、偶に見かけていましたが、既保有品とデザインが似ているので見逃してきたものです。

 

テナセリム大型錫貨の未保有タイプは、円安で価格を追い切れない状態が続いていましたが、コレクターが少ない為か、余り珍しくないタイプはやっと落穂拾いで入手できる価格レベルとなりました。

 

尚、このくらいの大きさです:

 

 

いつも思うのですが、コインとしては大きすぎます。

 

参考:

The Coins and Banknotes of Burma, M. Robinson and L. A. Shaw

テナセリム地方 1 | アジア古代コイン (ameblo.jp)

テナセリム地方 2 | アジア古代コイン (ameblo.jp)

テナセリム地方 3 | アジア古代コイン (ameblo.jp)

テナセリム地方 4 | アジア古代コイン (ameblo.jp)

テナセリム地方 5 マカラ | アジア古代コイン (ameblo.jp)

テナセリム地方 6 ビルマのテナセリム地方の大型錫銭がインドで出土 | アジア古代コイン (ameblo.jp)

 

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