モード誌編集者歴35年の
平工京子(ひらくきょうこ)です。
現役の雑誌編集者、
そして究極の
「おひとりさま」である私が、
1年間毎日ブログを
書き続けた結果、
「ブログ添削」という、
新しい道を見つけました。
あなたの大切なブログを
たくさんの方に
読まれるブログへ
大変身させるために、
雑誌編集者歴35年の
スキルを持つ私が
「ブログ添削」の
プロを目指します。
きょうは、
思いっ切り地味な話題です。
とくに写真が。
生活感がない、
と言われる私ですが、
ほとんど外食はしません。
気分転換にもなるし、
お料理はまいにちにしています。
ボロボロなまま愛用しているエプロン。
今年（2020年）の
年明け早々に
冷蔵庫が壊れました。
朝、気がついたら
様子がおかしい…。
ドアを開けると、
まだ少し冷気は感じられるものの、
前日までの冷え方とは
明らかに違うし、
ブーンという、モーター音も
聞こえませんでした。
あああああ～、
ついに…。
と、思いました。
私の冷蔵庫は1988年に
ひとり暮らしを始めた時に
買ったもの。
もう、
30年以上使っていたのです。
なぜ、
ひとつの冷蔵庫を
そんなに長い間？
と、思われる事でしょう。
なぜって、
私は究極のおひとりさまです。
ひとり暮らしを始めて以来、
結婚もしなかったし、
シングルマザーにもならなかったし、
ときどきメンズが
家にいたことはあっても
家族が増えることが
なかったのです。
家族が増えなければ、
大きな冷蔵庫を買う
必要はありません。
しかも、
私は物を買うときに妥協はせず、
デザインと機能を吟味して
これだ、これしかない！
と思えたものだけを買います。
本当に気に入ったものだけを
買っていると、
なんだかしっくりこないから
買い替えようかな、
みたいな気持ちはおこりません。
唯一、買い替えるのは
壊れた時、です。
ところが、私の冷蔵庫は
30年以上、壊れなかったのです。
正直、あちこちに
ガタはきていましたよ。
冷蔵室の灯りは
もうずっと前から消えていたし、
温度調節機能もあやしい。
ブーンというモーター音が
突然、大きくなって
これはもう、
そろそろ買い替えないと
ダメかなと思った事もありました。
量販の電気屋さんを
見に行ったことも
何度かあったのですが、
これなら買い替えてもいい
と、思える冷蔵庫に
出合えたことはなく。
新しい冷蔵庫を探しているうちに
ブーンという大きな音が
なぜか、おさまったりするので
結局、買い替えることなく
30年以上の月日が
経ってしまったのでした。
これが30年連れ添った、私の冷蔵庫です。
だから、年明けに
冷蔵庫が動かなくなったのは
来るべき時が来てしまった、
ということでした。
私は、
冷蔵庫の中に入れていたものを
段ボール箱に入れて
ベランダに出しました。
冷凍庫に入っていたものは
すでに解凍状態。
早く新しい冷蔵庫を買わないと、
腐ってしまいます。
私は、取るものもとりあえず
くらいな勢いで
有楽町の家電量販店へ走りました。
が、サイズのあったものは、
中国のブランドのものが
ひとつだけで、
外側のデザインも中のつくりも
まったく納得できなかったのです。
つぎに、ネットで探しました。
選択肢が増え、
気に入ったものも2点ほど
あったのですが、
配送の条件が合わずに断念。
最後に見つけたのが、
東急目黒線の沿線にある
リサイクルショップでした。
結論から言うと、
このリサイクルショップで
冷蔵庫を買いました。
サイズもぴったりだし、
デザインと機能も納得できるもの。
何年も探して気に入ったものが
見つからなかったのに。
これなら買ってもいいと思える
冷蔵庫にリサイクルショップで
出合えたのです。
値段は配送料込み
壊れた冷蔵庫の処分もしてくれて
3万円でした。
なんと、良心的な事でしょう！
家電買うならリサイクル品で
もういいんじゃないの？
その方が、
環境にもやさしいわけだし。
と、思いながら家に戻り、
中古の冷蔵庫が届くまでの
2～3日を何とか
ベランダの段ボールで
乗り切ろうと思った矢先、
壊れたはずの冷蔵庫が
突然、ブーンと音を立てて
動き始めたのです…。
冷蔵室も冷凍室も
ぐんぐん冷えていきます。
え、何？
私は心の中で
冷蔵庫に話しかけました。
あなた、もしかして
私が新しい冷蔵庫と
出合えるように
止まってくれたの？
そうだよ、
僕はもうそんなに長くもたない。
これからもう少し
頑張れたとしても
夏の暑い時期に
壊れたら大変でしょう？
だから、君がいま、
新しい冷蔵庫に買い替えた方が
いいと思ったんだ。
私の冷蔵庫は
そう言っているみたいでした。
そして、買った冷蔵庫が
くるまでの間、
何とか動いていてくれたのです。
今まで、ありがとうね。
私は、そんな事、
したこともなかったけけれど、
冷蔵庫に声をかけたり
ドアをさすったりして
残りの日を過ごしました。
思えば、30年以上のこの長い間、
辛い時も嬉しい時も
いつもいっしょにいてくれたのは、
他でもないこの冷蔵庫でした。
ところで、私の住まいは、
低層のマンションで
エレベーターがありません。
私の冷蔵庫との別れの日。
配送のメンズが
新しい冷蔵庫をかついで
階段を上ってきてくれました。
身長が高くて体格の良い
ロック系のメンズふたり。
礼儀正しく、
感じのいい人たちでした。
私の冷蔵庫は、
できるだけきれいにしておいた
つもりだったのに、
背面にほこりが付いていて。
運んでもらうのに申し訳ない
と思って拭こうとしたら
「ああ、いいですよ、そのままで。
もう、処分するだけだから」
メンズのひとりが、そう言いました。
最初からわかっていた事だけれど、
あらためてそう言われると、
せつない気持ちになりました。
私の冷蔵庫は今はもう
あまり見かけなくなった
フロン式だったので、
どこか特別な廃棄先に
行くようでした。
これが、リサイクルショップで買った冷蔵庫です。
中はこんな感じ。
私の冷蔵庫が教えてくれたこと。
それは、
リサイクルショップで
家電を買うのも悪くないないなと
気づかせてくれたことがひとつ。
お店の人も、配送のメンズも
感じよかったし。
それから、
やっぱり物をたいせつにして
長く使うのはいい事だなと
あらためて思いました。
メンズふたりにかつがれて
階段を下りて行った
私の冷蔵庫。
今は、どんな姿で
どこにいるのかなと思うと、
ちょっと目頭が
熱くなってしまうのです…。
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