★私の専門領域と趣味 | 日置研究室 HIOKI’S OFFICE

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作家の日置俊次(ひおきしゅんじ)が、小説や短歌について語ります。
粒あんが好きですが、こしあんも好きです。

 

  ★私の専門領域と趣味

 

 専門は何ですかと聞かれることがあるのですが、うまく答えられません。

 自分でもよくわかっていないというのが、本当のところです。私がわからないのですから、ほかの皆さんがわからないのは当然のことでしょう。

 ここで少し、自分のことを整理しておきたいと思います。

 

 専門は近代文学研究です。横光利一に関する論文が一番多いかと思いますが、そのほか、芥川龍之介、夏目漱石、宮沢賢治、井伏鱒二、太宰治をはじめとする多くの作家について研究を進めています。

 もう一つの研究領域は現代短歌です。これは私が歌人であるために必然的にそうなっているのですが、短歌に関する論考が多いです。

 また、もう一つ専門領域があり、現代アニメーションの研究です。宮崎駿や細田守について、重要な論考を発表しています。これは、私が昔から美術や映像が好きなので、必然的にそうなっているのです。フランス印象派には昔から興味があり、いろいろ勉強を重ねています。それから、子供の頃から映画を好んでたくさん見てきました。映画の問題は、いつも頭の中にあり、私も自分の作品が映画になることを願っています。

 私を支えている領域はほかにもあり、能楽の世界があります。

 腰を悪くするまではお稽古をしていて、舞台でも舞ったり謡ったりしていましたので、能楽堂の楽屋のことも分かります。能楽師の知り合いもいます。大学では能楽サークルの顧問をしています。

 

 また、フランスに何年も住んでいたので、フランスのことが好きで、フランスについてはかなり感覚的にわかる部分があります。パリ大学で学びました。

 パリの学生寮日本館に住んでいたので、日本人の変な凝り固まった発想を認識するのに役立ちました。

 パリ大学で学ぶ前に、南仏のエクス・アン・プロヴァンスという小さな町に1年ほど住み、プロヴァンス大学に通いました。そのため、ポール・セザンヌの後輩ということになります。南仏については、感覚的にわかります。パリの生活しか知らないひとは、完全に片手落ちだと思います。

 慶応大学でフランス語を教えたり、ほかの教育機関でフランス語を教えたり、仏検の採点などをした経験があります。

 台湾にも住んでいましたので、台湾が好きで、感覚的にわかる部分があります。台湾大学で研究をしていました。小説3部作『エメラルドの夜』『サファイアの夜明け』『昼下がりのルビー』は、台湾を舞台にしています。

 日本でも、東京大学を卒業しているので、漱石や芥川が赤門をくぐっていた感覚がわかります。三四郎池は好きな場所です。

 お茶の水のアテネ・フランセという学校に長く通い、英語コースを卒業、フランス語コースは最高免除ブルヴェを首席で獲得しました。卒業式でスピーチをしました。

 出身地が島崎藤村の生家のある場所に近く、木曽のことをよく知っています。山国育ちです。島崎藤村の感覚がわかります。方言もわかります。地方出身者なので、大学進学で受験する苦労、上京する学生が一人で生活を始める苦労を知っています。日本の東京の生活しか知らない人は、日本を理解できないと思います。

 

 また、これは重要なポイントなのですが、ダルメシアンの犬を長く飼っていましたので、ダルメシアンに関しては深い理解を持っています。犬に関しては特別な愛情を感じます。そのほか、リス、チャボ、ハムスター、イグアナ、カメ、ザリガニ、金魚、インコなど多くの小動物を飼ってきました。

 薔薇が好きで様々な薔薇を育ててきました。剪定や、さし木ができます。

 過去に空手を訓練しており、黒帯です。武道が好きで、剣道や太極拳の経験もあります。型というものに興味があり、フェイスブックなどで、さまざまな型を見ることも好きです。

 料理が好きで、台所の洗い物も得意です。一番好きなのはお洗濯です。お風呂掃除も好きです。自分の食事など、身の回りの家事は、一人で全部行っています。

 

 以上をまとめると、私の専門には、文学研究、短歌研究、アニメーション研究という3本の柱があり、そこには比較文化、美術研究という領域も重なっています。そのほか広い趣味の分野があり、それが互いに影響を与えています。いつも地方と都会に目配りができるので、視野は広いと思います。

 

 こうしたバックボーンがあって、私はさまざまな創作をしています。

 小説、短歌、俳句、詩、童話などを書いています。

 ジャンルを区切っているわけではなく、短歌も俳句も詩も、その境界が溶けていくような形で、小説の中に融合した世界を作り出しています。そこには美術や音楽も組み込まれています。

 こうして生まれつつある新しい小説世界を中心とした、ヒオキワールドを建設中です。

 美術やデザインに興味があり、そうした視覚面にも力を入れています。現在、自分で発刊している本の装丁、カバーデザインなどはすべて自分で行い、電子ブックなどの表紙も自分でデザインしています。YouTubeに用いる画像のデザインも一人でやっています。音楽なども工夫しています。

 ヒオキワールドでは、ブログやYouTubeを利用した発信を試みており、そうした「建設」の作業をこれからも継続していきます。

 

 自分の仕事やその背景を整理してみるとこうなるのですが、これをほかの人に理解してもらうことはなかなか難しいです。多くの人が、専門は一つのはずだと考えているからです。

 しかし、それは古い考え方です。

 例えば野球でバッターとピッチャーは両立するはずがないと、多くの人が考えていましたが、その固定観念が誤りであったことは、大谷翔平選手が証明していますね。彼はピッチャーでバッターで走塁も速く、外野も守れます。

 芥川龍之介は、小説家で、俳人で歌人でした。また詩人でもありました。中国の絵画に関して玄人はだしの知識を持っていました。西欧文学にもとても詳しかったのです。また昔の文学者は、漱石でも鷗外でも永井荷風でもそうですが、みな和漢洋の文化に精通していました。

 私の特色は、和漢洋の文化と強い絆をたもっていること、私の内部で通常の芸術的な境界が消えているということです。私は常識と思われている文学のジャンルを、意識して溶解することで、新しい世界を生み出そうとしているのです。

 

 要するに、私の専門領域は、「ヒオキワールドの建設」ということになるのでしょう。それは新しい祈りの空間であり、新しい文学の花園です。しかし、作品というものは読者に読んでもらわないと、命を得られません。

 現代という時代に挑戦している「ヒオキワールド」を、ご支援いただければとてもうれしく思います。

 

 


 

 

 

 

天天快樂、萬事如意

  みなさまにすばらしい幸運や喜びがやってきますように。

   いつもブログを訪れてくださり、ありがとうございます。