歴史教科書よ・・・・これは・・・・ | 日野智貴の雑感いろいろ

日野智貴の雑感いろいろ

龍野高校生時代に使っていたブログですが、ちょっとスピリチュアル系を主に色々とリブロク中心に再開してみようかな、という感じ。

私は、多元的古代史観という、まあ、教科書とは違う、古代史についての仮説を持っているわけです。


で、先日、家で『日本書紀』を読んでいたわけですね。


すると、「あっ!」と、驚いたことがありました~


ええと、中高生の読者が多いこのブログですが、みなさん、「任那」って、知っていますか?


今は、「伽耶諸国と言え!」という風になっているそうですけど、古代から倭人がたくさん住んでいた、朝鮮半島南部の国です。(実態は、任那は連邦制国家でしたが)


そして、大伴金村という人が、同じく朝鮮半島にあった国の百済に、任那の一部を割譲した、それで、大伴金村は失脚した、と、教科書には書いてあるわけです。


ところが、ですよ、『日本書紀』を読むと、「大伴金村は失脚した」とは、一切、書いていないんですよ!


『日本書紀』は、本当なら原文を引用して読んでほしいのですが、PCで古文を打つのは難しいので、その概略だけ、紹介しますね。


野々村竜太郎大伴金村は、公金横領対朝鮮外交での失敗を、ほかの議員豪族に責められたので、そのショックで引き籠りになった。欽明天皇は「別にそのようなことはきにしなくていい」的なことを言って、それからも、大伴金村を寵愛した。


・・・・・と、いう感じの文章です。


いえ、ついつい、野々村議員に重なってしまうのですが、全く別の出来事です。


ともかく、岩波書店の注釈には、


実際には、ここで大伴金村は失脚したと考えられる。」


と、あります。


うん?「実際には」?


本当に大伴氏が失脚したのなら、官位とか身分とかが下がっているはずです。野々村さんも、議員を辞職することになりました。


ともかく、今の教科書は、『日本書紀』を原文で読んだりもしていないんじゃないのかな?


例えば、よく、「聖徳太子が隋の煬帝に『日出づる処の天子、日没する処の天子に国書をいたす、恙なきや。云々。』の国書を送った!」とか、言われていますし、教科書にもそう書いてあります。


だけど、『日本書紀』には、そんなこと、一言も書いてない、って、知っていましたか?


『日本書紀』では、「唐に倭国が朝貢してきた」という内容の、唐の皇帝の国書が載っています。当時の中国の王朝は、定説では隋ですが、そのことについては別述。


そして、「日出づる処の天子、日没する処の天子に国書をいたす、恙なきや。云々。」の国書は、『隋書』や『北史』では、「倭国」ではなく、「俀国」が送った、と書いてあるわけですよ。


で、その「俀国」には、「阿蘇山有り」とも、かいています。・・・・じゃあ、九州王朝じゃないか!


従来は、「俀国」は「倭国」の誤りであり、大和の事だ、としていましたが、それじゃあ、どうして、『日本書紀』には載っていないの?という話になります。


とりあえず、教科書を作る人は、最低限、『日本書紀』を読んでいただきたい。


それが嫌なら、『隋書』でも何でもいいから、中国の歴史書でも何でも、読んでほしい。


とにかく、今の教科書の古代史の記述には、雑な面があります。


「近代史の歴史認識」も大切ですが、もう少し、「古代史の歴史認識」も議論の俎上に載るべきだとおおいます・・・・・。


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