災害に強い街を作るのは年間たった2兆円程度の投資 | 同床異夢

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 「天災だから仕方がない」

と、最近の地震や台風21号の被害について語る人がいる。

 

天災は必ずやってくるので仕方がないが、

しかし、被害は軽減できるのだ。

 

先人達は、例えば川が氾濫すると、川を深くしたり、幅を広げたり

曲がっている流れを真っ直ぐにしたりと、いろんな土木工事を

行い被害を軽減してきた。

 

 (江戸時代の河川改修工事・・・川幅を広くして深くしている)

 

それには、もの凄いマンパワーとお金が必要だったと想像出来るが

貧乏でも、先人達はそれを優先した。

それがなぜか?を皆に考えてもらいたい。

 

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近年の日本は災害でダメージを受けた所の補修はするが、

次の予防となる強化や改修は、殆ど行っていない。

しかも、使用してきた公共インフラ設備は、50年を越えるものが

多くなり耐久性に問題がある箇所も増えている。

 

    (豪雨のため堤防の一部が損壊した状況)

上の写真のように、堤防のコンクリートが損壊しても、

損壊箇所の補修しかしないのが、現在の行政。

 

当然、その前後のコンクリートも弱っているはずだが、それには予算が付かない。

理由は、

「壊れていない物に予算はつけられない」

と県や市の職員は言う。

 

県や市の担当職員は危険なことは百も承知で、出来れば全て改修したいと思っている。

しかし、予算がつかないから仕方がない。

その予算をつけているのは、県議会であり、市議会である。

 

兵庫県議会議員や姫路市議会議員のブログやツイッターは沢山あるものの

そういう主張をしている人を私は見たことがない。

(知らないだけかもしれないが・・・)

 

次の姫路市長選においても、防災・減災について詳しい公約をしている人はいない。

元官僚で防災担当の経験がある候補者は

「姫路は大丈夫」などと言っていた。

 

こんなことでは、予算がつかないのも当然だろう。

なぜなら、行政を司る人達に関心がないのだから仕方がない。

もっというと、有権者に関心がない表れともいえる。

 

防災とは・・・避難訓練やハザードマップを理解することも含まれるが

災害を軽減するという取組も必要なのである。

避難訓練を否定するわけではないが、

少しのことで頻繁に避難しなければならないのは後進国である。

少々のことでは、避難しなくても大丈夫な街作りが必要なのだ。

 

例えば、関空を例にとって説明すると。

上の図みればわかるように、関空にアクセスするのは1本の道路と線路しかない。

しかも、道路と線路が同じ場所にあるので、今回のように

そこで何かが起こると、車と鉄道の両方が使えなくなる。

(合理的に考えて設計したのだろうが、合理性と安全性はわけて考える必要がある。)

 

そうすると、ヘリか小型船でしかアクセス出来なくなる。

今回実際にそうなり、何千人もの人が数日間、空港内に閉じ込められた。

もう1本アクセス道路があれば、今回のように何日も閉じ込められることは

なかっただろう。

 

何事もスペアが必要なのだ。

参考ブログ「災害から考える・・・道路はスペアが必要」

 

因みに羽田空港は複数のアクセス方法があり、それも別々の路線なので

一つが止まっても大丈夫だ。

 

このように、アクセス方法を複数にし、種類もモノレールと地下鉄など分散しておくのが

理想といえる。

 

防災だけでなく、国の安全保障を考える時に、こういうことは基本にしてもらいたいが

こんなことも知らない国会議員や地方議員が、予算を審議している。

恐ろしいと言うしかない。

 

関空は民間企業になってしまったので、

アクセス道路をもう一つ作る財政的な体力はないかもしれない。

そもそも、A滑走路の復旧にめどが立っていない。

    (第1ターミナルの駐機場も浸水している)

A滑走路と第1ターミナルには、沢山の土砂とゴミがたい積している。

これを取り除くにも多くの時間と費用が必要だろう。

 

「官から民へ」というフレーズが定着し、そのように洗脳されて

しまった人も多いと思うが、大きな公共施設などは

官が管理する必要があるのではないだろうか?

参考ブログ「官から民へが国民を不幸にする」

 

 このように、防災や減災の観点から道路のスペアや、

堤防などの公共インフラの改修と強化を行うとすれば・・・

 

日本土木学会がその資産を算出している。

それは、10年で20兆円程度である。

年間2兆円程度。

 

それで、国土が強靱化され現在よりは安全になるというのだ。

日銀は現在量的緩和ということで、年間80兆円ものお金を刷っている。

そのお金は、都市銀行や地方銀行に眠ったままになっている。

 

銀行にしてみれば、金庫のお金というのは借金と同じなので

そのお金を運用しなければならない。

 

しかし、現在の日本は企業が設備投資をしないので、お金を借りない。

政府も、プライマリーバランス正常化といって、緊縮財政をやっているので

日銀には金を刷らしておいて、自分たちはお金を使わない、という状況が続いている。

 

ここ数年そんな状態が続いているので、銀行の残高は増えるばかり。

地方銀行などは、その金がまわらないので

倒産したり合併するところが増えている。

 

結局、投資するところがないので、アメリカ国債を買っているのだ。

こんなバカな話があるだろうか?

 

国がお金を使わないのなら、地方行政が銀行からお金を借りて、

インフラ投資を行えばよいのではないだろうか?

今、金利は史上最低くらい安いので、借りるのに問題はないし

やらなければならない公共インフラは五万とあるのだから・・・

 

「また借金が増える・・・」

と言う地方議員がいるかもしれないが、

借金が増えるのと、住民の安全とどちらが大事ですか?

また、安全な場所には人がやってくるという考えはないですか?

 

最後まで読んでくださりありがとうございました。

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