■短評
映画好きに、「好きな監督は?」と聞けば、多くの人が答えそうなクリストファー・ノーラン監督の長編デビュー作。らしい映画ですなー。
■あらすじ(アマプラ紹介文より)
「オッペンハイマー」のクリストファー・ノーラン監督の長編デビュー作。他人の尾行を繰り返す男が思わぬ事件に巻き込まれていく姿を、時間軸を交錯させた複雑な構成で描き出す。作家志望の男ビルは、創作のヒントを得るため、通りすがりの人々のあとをつける行為を繰り返していた。ある日、ビルがいつものように男をつけていると、尾行していることがその男、コッブにバレてしまう。だが、コッブもまた、他人のアパートに不法に侵入し、私生活を覗き見る行為に取りつかれていた。ビルは次第にコッブに感化されていく。数日後、ビルはコッブと二人で侵入したアパートで見た写真の女性に興味を抱く。やがて、彼女の尾行を始めるビルだったが、その日を境に、彼は思わぬ事件に巻き込まれていく……。
■総評
長編といっても、70分程度なのでサクッと見られる。最近はよくある「時系列をバラバラにする」手法を取っているので、視聴には「あれ?これがこうなってこう繋がって?」みたいに軽く混乱を招きはするが、「覚えてもらいたい箇所や場所」は効果的に視聴者の印象に残るように撮ってあるのでそれほど難解ではない。さすが元祖?と言いたい。
モノクロ映像なのに、その辺はやっぱりお見事。後々、話題作・名作を立て続けに撮る才能あふれる監督らしい。お見事です。
こういう映画を無料で配信してくれる、アマプラにも感謝したい。
本作は長編デビュー作であり、時系列で頭をこんがらせる名作として有名な、次回作の「メメント」の基本構想として繋がっていったことは想像に難くない。
そういう意味でも、本作を鑑賞できたことはノーランファンとしてとっても有難かったです。彼の作品はメジャーでヒットを飛ばしている作品ばかりで、最近ではオッペンハイマーや、SFではインセプション、インターステラー、アメコミではバッドマンビギンズなど、超有名な良作ばかりで観たことのある人も多いはず。その「原点」として是非お勧め。歴史的価値だけではなく、普通に面白い。マニアックな部分はありながら、一般の視聴者が置いていかれない程度に留め、ちゃんと娯楽として成立させることの出来る、本当にハズレのない監督さんです。すごい。