■短評
大好きなギレルモ・デル・トロ監督作品。この映画にもやっぱり彼らしさが溢れている。
■あらすじ(アマプラ紹介文より)
アカデミー賞作品賞ほか最多13部門ノミネート! 『パンズ・ラビリンス』のギレルモ・デル・トロ監督が贈る、切なくも愛おしい究極のファンタジー・ロマンス。
■総評
この監督の作品をすべて見たことがあるわけではないが、基本的に「人間ではないもの」を好んで出演させる場合が多い。
特殊メイクによる造形物を創造するのが得意で、それを好むファンも多いと思う。僕のように。
この作品の「異形」も見事な造形と動きで、CGではない特殊メイクの世界がまだまだ頑張れることを思い知らせてくれる。
彼の作品には珍しい一貫したラブ・ロマンスだが、やっぱり一筋縄ではいかない。なんせヒロインは幼いころに喉を掻き切られて声の出なくなった見すぼらしい女性、相手役はアマゾンで捕まった半魚人。
しかし、彼らが触れ合いを深めていくごと、見慣れていくごとに可愛らしく、美しく見えてくるのはデル・トロ監督の妙味。
彼が、登場人物たちを、この作品を愛していることが伝わってくる。
実験動物として捕まった半魚人を殺して解剖する、暴れて指を食いちぎられるなど生々しく物騒な話なのに、ことのほか軽妙でユニークを交えてストーリーは進行していく。
久しぶりに、大好きでDVDも買った「ヘルボーイ」が観たくなった。これもまた、デル・トロ監督が、自分の作品のキャラクターを愛していることがよくわかる一本だ(ヘルボーイは原作があるけど)。