■短評
懐かしくもオリジナルに忠実すぎないか?
■あらすじ(アマプラ紹介文より)
6月6日午前6時、アメリカ人の若き外交官ロバート・ソーンは、ローマの病院で妻ケイトが産んだ赤ん坊が死亡したことを聞かされる。ショックに打ちのめされたロバートには、二度と子供が産めない体になてしまったケイトに、その非常な事実を告げることは出来なかった。すると、病院の神父が、出産中に命を落としたある母親の赤ん坊を差し出し、その子を引き取るよう勧めてくる。ロバートはその経緯をケイトに明かさぬまま、二人の子供として育てることにする。その子の名はダミアン。幸せに育てられる……はずだったが、やがて"不吉な前兆"が起こる。ダミアンの前で凄惨な自殺を遂げた家政婦、ロバーツに警告を発する神父の謎の死など。やがて邪悪な影は母親ケイトにも迫っていた!果たして666の刻印を持つ悪魔の復活は真実なのか?
■総評
一部、「人の殺し方」に違いがある程度で、それ以外は完全にオリジナルをなぞっている。
ここまで忠実に作るのなら、リメイクする意味は果たしてどこにあるのか?と思ってしまう。
また、オリジナルにあって本作にはない決定的な要素がある。それは、表現しがたい緊迫感のある恐ろしい音楽と、それによってもたらされる神秘的に怖い雰囲気だ。あどけない少年なのに、本人の意思にはかかわらず悪魔の邪悪な力によって守られているという超自然的で普通の人間には抗う事のできない恐怖感が薄い。全く違う内容だが、ヨルゴス・ランティモス監督の「聖なる鹿殺し」の方が余程それを強く感じるくらいだ。PICKしておくので興味があればどうぞ。
ただ別に、それらが無くたってよい。リメイクとして、それ以外の新しさや驚きがあるのであれば。ただ、本作にはそれらが全くないので、ただオリジナルをなぞって楽して作った、劣化版としてしか評価ができない。
リメイク作のあるあるとして、視聴後にオリジナルが観たくなるということがあるが、本作ではより強くそれを感じた。
現在はアマプラ無料ではないため、わざわざお金を払って視聴はしないけれど、エクソシストと並んでオカルト・ホラー・サスペンスの金字塔である本作をリメイクするのならば、オリジナルを知る視聴者へもっと訴求力のある要素を盛り込んで欲しかった。
ちなみにオリジナル3部作であるが、2006年公開の本作がこれっきりなのは、そういうことだろう。