金の国 水の国★3(60点) | 田舎のインドアアラフィフの日々

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AMAZONプライム映画が主体のレビュー。アラフィフです。
★1/最低。見ない方がいい
★2/見どころがないわけじゃないが酷い部分が
★3/普通。あんまり面白くはない
★4/なかなかの良作、力作、工夫作。
★5/面白い。人に勧めてもOK。90点以上は是非観て欲しい。

■短評

原作漫画あり。各所レビューでえらい評価の高い本作だが、僕にはそれほど刺さらなかった。

 

■あらすじ(アマプラ紹介文より)

100年もの間国交を断絶してきた戦争寸前の2つの国。商業国家で水以外なんでも手に入る裕福な<金の国・アルハミト>と、貧しいが豊かな自然と水に恵まれた<水の国・バイカリ>。国の思惑に巻き込まれ、突如、“偽りの夫婦”を演じることになった敵国同士の“金の国”の王女サーラと“水の国”建築士ナランバヤル。2人は自分でも気づかぬうちに、恋に落ちてしまう。“金の国”の深刻な水不足によるサーラの未来を案じたナランバヤルは、戦争寸前の2つの国に国交を開かせようと決意する。そして2人がついた“小さな嘘”が、国を揺るがす大事件を巻き起こし、やがて国の未来を変えていくことに――。国をも動かす2人の恋、その先にある、誰もみたことのない奇跡とは――?

 

■総評

大雑把に言うと、国の外れの田舎に住む頭の良さそうな青年と、ルックスはいまいちだけど人柄の良い末っ子王女の恋物語に、長年いがみ合っていた敵国同士の関係の雪解けというストーリー。

登場人物、特に主人公の一人であり、この敵国同士の関係を改善するために奔走する夫役の青年のバックグラウンドの描き方が非常に少なく、どうしてこんなに熱血漢なのかが分かりにくい。その辺、漫画を原作に持つ映画化の特徴として、長大な原作を端折りすぎたのかなと思ったら、原作も1巻程度のまとまりのようで。

原作は未読なのだが、それでもやっぱり映画化にあたって説明不足が生じているように感じ、余りにも飄々とストーリーが都合よく進みがちな印象。もう一人の主人公である、ぽっちゃりお人好しだけど芯はあるよ、という末っ子王女の人となりがそのまま本作の雰囲気を形作っている感じで、ほんわかとハッピーエンドに向かって進んでいく。

おそらく、本作は原作をきちんと読んで、王女と青年以外の登場人物のバックグラウンドも理解した上で視聴した方が良いタイプの映画なのではないかと思う。異常に武力の高い黒子侍女?のこともよく分からんし。また、映画らしい壮大なアニメ表現もなく、ちょっと長編のテレビ作品のような感じであることにも物足りなさも感じる。そこは原画を尊重したのかもしれないが。

まあ、これらは個人的な感想に過ぎず、多くの人が本作を気に入ったとする評を残しているので、貴重な国産アニメ映画として視聴する価値はあります。特に、絵柄も可愛いのでロー&ハイティーンにはウケるんでは。

ちなみに、餅は餅屋として俳優やタレントが声優をすることには抵抗があるのだが、主演の賀来賢人、浜辺美波に違和感はなかった。というか賀来賢人はかなり良かったし、浜辺美波は実際は相当な美少女なのだが、少しだけ鼻づまり?ぽいやわらかな声が、人の良いぽっちゃり女性のふんわか感に合っていた。ただただ、人気女優だからということだけで選ばれたのではないと思う。