八ヶ岳のエンデュランス大会に向け、事前練習に行ってきた(・・)
私が乗る馬は「プリンス(仮名)」☆
しかしプリンスはまだ若く、経験も浅い為、物見(ものみ)をよくするし、
パニくって、暴走したり、尻っぱねをして人を落としたのを見た事は、
時々クラブに行く私ですら1度や2度ではない(・・;)
(物見:馬が周囲のものをやたらと見て、騎手や運動に集中していない状態。)
スタッフも馬配には苦慮したらしく、
「ひめみこさんは、”プリンス”という事で・・(・・;)」
とちょっと言いにくそうに答えた(・・;)
私が乗る2日ほど前にはバイクの集団が走ってくる「バリバリ」という音にビックリしたプリンスは、
スタッフを尻っぱねで前方へ吹っ飛ばしたらしい(・・;)
ガードレールを隔てた車道から、馬上を人の身体が舞う光景を目の当たりにした人が車を引き返して、
宙を舞ったスタッフの処置をしてくれたとの事だった。
当然ながらスタッフは大怪我をして入院した(・・;)
その事故は当然ながら、過去に落馬で背骨や腰骨を折ったり傷めたりした参加者達に
多大なショックをもたらしていた(・・;)
「う~ん、大丈夫かな~(--)」
とブツブツ言いながら、平然とプリンスにまたがった私に驚愕する参加者もいたぐらいである(・・)
とは言え、初日から何かあってはいけないとスタッフが考慮したのだろう(・・)
「ひめみこさん、プリンスに乗っても跳ねたり出来ませんから大丈夫です(^^)h
何しろひっくり返るまで動かしましたから(^^)h
今日は跳ねようと思ってもそれだけの体力が残っていませんから(^^)h」
どんな動かし方をしたのか、興味とプリンスに対する同情心が少し湧いたが、
「今日はそれでいいが、当日は体力がなかったら完走できないと思うが(・・;)」
と危惧した(・・;)
プリンスのパニくりやすさは、馬の性格や経験不足もあるが、
私が今まで落ちた状況を見た限りでは、騎乗者と調教しているスタッフのプリンスへの接し方が
プリンスのパニくりやすさを増長しているように見えた(・・)
プリンスがパニくった時に、プリンスのメンタル面を騎手やスタッフがケアしている場面に
遭遇した事がないのである(・・;)
プリンスは怖くてパニくった上に、人を落とした事で、スタッフからも会員からも
「人を落としたパニくりやすい馬」
という目で見られ、怖がられる(・・;)
「怖がられる」という事は、「嫌われる」のと同意語だと言っていい(・・)
プリンスは、人が自分に対してどういう気持ちを抱いているのか、よく知っている(・・;)
自分を嫌ったり怖がったりしている人の感情を敏感に感じて、
人に乗られる事やクラブの外に出るのが怖くてたまらないのである。
私はプリンスの感受性の鋭さを乗っていてすごく感じるのである(・・)
プリンスは、人に嫌われたり怖がられている孤独感で自信がなく、
クラブの外に出ると怖さで気持ちがいっぱいになってしまう(・・)
そして自信がないからパニくってしまい、人を落とすような事が起こってしまう(・・)
それでまた怖がられたり嫌がられたりして、自信を失い、パニくる(・・;)
暴走して人を落とす・・(・・;)
そんな堂々巡りの悪循環をくり返しているのである(・・;)
私が以前にプリンスに乗った時に感じたのは、
「この馬はあまり誉められた事がない。
だから、叱咤激励や誉め言葉に非常に敏感に反応し、喜びを感じている。」
という事だった(・・)
感受性が鋭いという事は、後ろ向きな気持ちも感じやすいが、
前向きな気持ちも受け取りやすいという事である(^^)
前を行く馬が難渋していた下りを先に行くようにスタッフから指示され、
プリンスに「行け!」と合図すると、プリンスは難なく下りていき、
難渋していた馬はプリンスの後からついて下りてきた(^^)
「よし!上手に下りた(^^)」
とたてがみを撫でると、プリンスは嬉しそうに前に進んでいく(^^)
さて、今回の練習中の事だが、バイクの集団の「バリバリ音」や
トンネルの上から響いた「ガタンゴトン」という音にドタバタしそうになった(・・)
物見も結構していた(・・)
私は周囲のプリンスが反応しそうなものに目を向けながら、
プリンスの耳に向かって何度も大声で喚いた。
「あんたが怖がるようなものはここにはないの!(・・)/」
「あんたの顔の方がよっぽど怖いの!(・・)/」
「前を向け!物見するな!(・・)/」
「あわてなくていいから、ここはゆっくり歩きなさい!(・・)/」
プリンスの前で乗っていた人が私の喚く声に大笑いしていたが、
私はいたって真剣であった(・・)
プリンスは言葉は分からなくても、私が喚くと気を取り直して落ち着いて走っていたからである(・・)
プリンスは速歩(はやあし)の歩幅が狭いので、他の馬に比べるとどうしてもスピードが遅い。
その為、前の馬との距離が離れがちになり、離れると駈歩(かけあし)になった(・・;)
プリンスは前の馬に置いてきぼりにされるのが怖くて仕方ないのである(・・)
距離が離れれば、不安感を高め、パニクってあわてて
足を痛めやすい岩だらけの場所でも暴走する可能性が高い(・・;)
だから足元が安全な場所かどうか確認しながら、追いつく為の駈歩はプリンスに任せて
走らせていた(・・)
岩が多い場所はゆっくり常歩(なみあし)させたり、足元が安全な場所に誘導しながら走らせた。
下りや上りの勾配がきつい場所などや、パニくりかけた後や、つまずいた後は、
「大丈夫か(・・)/」
とか
「頑張った(^^)上手に歩いたね!(^^)」
とたてがみを愛撫したりした(^^)
プリンスはたてがみを撫でられたり、誉められると嬉しそうに反応していた(・・)
その効果なのか分からないが、1日目に馬場へ出そうとした時は嫌がっていたプリンスだったが、
2日目は多少嫌がったが1日目よりは素直に馬場に出てきた(・・)
プリンスは反撞はあまりないので、そういう点は全く問題はない(・・)
練習ではプリンスがパニくるという事はなかったが、
競技会当日はプリンスが初めて体験する事が起こる。
競技会用の標識や方向指示版や看板や初めて見る馬やすれ違う馬(・・)
競技会特有の独特な雰囲気などもプリンスにとっては初めての体験である(・・)
何でパニックを起こすかは分からない(・・;)
プリンスの体力面は練習中、たくさん駈歩しているにも関わらず、
帰ってくると道草の事ばかり考えているようで、食欲もあるし、
水もバケツに2杯半飲んでいたので心配はないようであった(・・)
疲れていると食べようとしなくなるし、飲まなくなってしまうからである(・・)
長丁場の中でプリンスと周囲のの状況に一瞬たりとも油断は出来ない上、
コース状況を見て、足を痛めないよう気配りをしないといけない(・・;)
プリンスのパニックを抑えられるかが、完走できるかどうかの大きな鍵となる(・・)
さて・・当日はどうなるか(・・;)