買ってはみたものの、さてどう使うか。
そんな初期段階で思考が止まっちゃってたのが馬告。
どこぞの山奥にしか自生しないだとか、幻のだとか、レアスパイスだとか、そんな煽り文句があるわけだけれども、最近ではギャバンあたりでさえ扱うようになっていたりする。
例えば、トルコのスマックだって、数年前までは手に入れるのが難しかったり、やけに高かったり……
したわけで、『三島のゆかりが使えるかもよ』なんて苦労したものの、今やギャバンからも買えたりするし、あっっちこちのスパイスショップで扱っていたりするわけで、それまではこちらもみかん的には幻の香辛料
ま、いずれにせよ、大手が手を出したということで、もはや安定して入手できるものになったと考えて良いだろう馬告だけれども、実際に料理にどう活かすかなんて情報はまだ多くはない。
レモングラスの香りがするさんしょうということでいいのかな
みかん亭専属シェフはそう言うと、ラム肩ロースの厚切り肉を取り出しました。
先月は食べそこねた孜然羊肉片のために……
買っておいたお肉でした
やっぱりお肉に振るのがいいと思うの
ちょっとだけ残念な気もするけれど、好奇心には勝てません
ここまではいいんです、ここまでなら
みかん亭専属シェフはつづけてこう言いました。
山クラゲ、たくさん余ってるね
そうなんです。
戻しすぎた山クラゲが冷蔵庫で幅を利かせていたんです。
そうして、みかん亭最初の馬告料理……馬告羊肉片には山クラゲが入れられることになったのです。喜劇が始まったのです。
羊肉にたっぷり余っちゃった山クラゲを合わせて試作しましたが、食感は楽しいものの、山クラゲである必然性は感じませんでしたので、なにか別のものに変えたいと思っています
ただ、手順や味つけのベースはこんな感じで良さそうだと思っています。
■材料(2人分) ラム肩ロース厚切り肉 180g A. 台湾米酒*1 大さじ2 A. 金蘭醤油*2 小さじ2 A. 馬告*3 小さじ1/4(8粒) A. 砂糖 小さじ1/4 A. 塩 小さじ1/4 山クラゲ(乾物)*4 30g B. 台湾米酒*1 小さじ1 B. 金蘭醤油*2 小さじ1 B. 鶏がらスープの素(顆粒・粉末) 小さじ1/4 B. 砂糖 小さじ1/4 B. テーブルコショー(S&B) 少々 B. 塩 少々 青ゆずこしょう*4 小さじ1/2強 馬告*3 適量 ひまわり油 大さじ1
ラム肩ロース厚切り肉はバットに広げ、Aでマリネし(冷蔵庫で数時間)し、汁気を切って片栗粉(分量外)をまぶして油(分量外)で揚げて油を切っておく。
山クラゲ(乾物)*4はたっぷりの水のなかでもみ洗いして水で戻して、水気を絞り、必要ならば4cmに切る。水気を絞った山クラゲはほぐしておく。が、山クラゲである必然性はまったくありません
フライパンを中火で十分に温め、山クラゲを入れて油が回し、Bと青ゆずこしょう*4を加えていため合わせる。が、山クラゲである必然性はまったくありません
ラム肩ロース厚切り肉()を加え、馬告*3をミルにかけてたっぷり振れば……
できあがり。
*1 馬告が台湾の固有種ということなので……
台湾の料理酒にしてみました
*2 馬告が台湾の固有種ということなので台湾のおしょうゆです
*3 馬告がの別名は山さんしょうと言われ、クスノキ目クスノキ科 (Lauraceae) のレモングラスの香りが高い香辛料で……
スーパーマーケットで見かけることはありませんが、ギャバンも販売に乗り出しています。
*4 いつもの孜然羊肉片ならば、花椒、青花椒に蒜蓉朝天辣椒とユウキのぜいたくラー油なんですけど……
なんか違うような気がして、青ゆずこしょうに辛みを求めてみました
枠内にも書きましたが、食感は楽しいものの、山クラゲである必然性は感じられませんでした
食べてみると山クラゲではないアレやコレやソレがいくつも思い浮かびました
山クラゲならば肉の切り方を考慮すべきで、間違いなくもっとおいしくなります。
馬告とラム肉の組み合わせはどうでしょう?
アリだと思いますが、ラム肉にはクミンがベストマッチであることは間違いないところで、さてクミンとどう合わせるかなんていう大問題にぶつかります
数十種類のスパイスを混ぜバランスを取るのはもちろん難しいんですけど、数種類でも難しいことに違いはありません。
プロならば馬告をカリッと口のなかで潰し、次の瞬間にはいくつもの料理を思い浮かぶんでしょうけど、そこはそれ、みかん亭ですから
ま、ぼちぼちと試していくことにしましょうか。
お肉にガリガリしてかけたり、煮込み料理に放り込んだり、そんなところから始めようと思っています。
馬告とクミンパウダーを使ったレシピを見つけました。
photo by miiinaamiii さん via photoAC
さて、馬告を極める旅を始めることになったみかん亭ですが、実はこんなのも転がっていたりします
ティンブールなるネパールのさんしょう