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Global blog 〜世界の社窓から〜

アジア、東南アジアに積極展開するインターネットカンパニー
アドウェイズの海外社員ブログです。

インドネシア人はソーシャル大好きと言われています。

mobiThinkingの調査によると、2012年12月時点のインドネシアの携帯端末の普及台数は2.6億台で人口比107.3%となっています。また、ニールセンの昨年(2012年)の調査によると、モバイル経由のインターネット利用率は東南アジア主要国でトップとなっております。



図1



続いては、モバイル端末を利用したソーシャルメディア利用率を見てみましょう。インドネシアは世界各国と比較しても非常に高いことがわかります。


モバイル端末を利用したソーシャルメディア利用率(出典:Nielsen)

図2




インドネシアはシンガポールに次いで第2位です。

では、ソーシャルメディアを使う目的はなんでしょうか。


ソーシャルメディア利用の主な目的(出典:Nielsen)
少なくとも週 1回以上の利用、アジア太平洋 対 グローバル

図3



こちらはインドネシアに絞った調査ではありませんが、世界全体と比較してアジア太平洋のユーザーの方がよくソーシャルメディアを利用していることがわかります。1位は主にfacebookメッセンジャーでしょう。私のまわり、特にジャカルタでは、BlackBerryやAndorid端末を持った人が、暇さえあればfacebookメッセンジャー、BlackBerryメッセンジャー、What’s up、LINEなどのメッセンジャーツールを暇さえあればピコピコ使っています。

また、4位の「ブランド・商品・サービスについて調べる」、6位の「製品・人・サービスについて経験者の好・悪印象を聞く」というのが、マーケティングを考える上で非常に重要です。インドネシアでは、特にインドネシア国内産の製品に対して、この製品は本当に大丈夫なものだろうかと疑ってかかるのです。それに対して、自社のホームページよりも各製品ブランドのfacebookページを重要視している企業を多く見かけます。HPが無いにも関わらず、facebookページは存在するということも少なくありません。


インドネシアでは、ソーシャルマーケティング支援を行う会社を多く見かけますが、このようなデータが調査会社より発表され、ニーズが高まっている証拠でもあります。

ニールセンのデータによると、インドネシアの広告費は毎年約20%前後で成長し、2012年に874710億ルピア(約8740億円)まで到達したとあります。インターネット広告は、広告費全体の5%未満ということで、このデータには含まれていないのですが、同社の別の調査データには13250万米ドル(約132億円)と発表されています。インターネット広告比率は1.5%です。

 

日本の広告市場はというと、広告費全体が58913億円で、インターネット広告が8680億円、インターネット広告比率は14.7%です。

 

継続して20%もの成長率を誇り、インターネット広告の伸びしろもまだまだあるインドネシアの広告市場は、非常に魅力的であります。

 

 

では、現状のこの874710億ルピア(約8740億円)というお金の内訳はどのようになっているのでしょうか?

カテゴリ別に見てみましょう。金額の単位は10億ルピアです。

2012年イ広告上位


1位:通信機器・サービス

こちらにはテルコムセル、インドサット、エクセルなどの携帯通信キャリアや、サムスンやソニーの携帯端末などが含まれています。

 

2位:政府政党

去年ですと、ジョコウィさんで話題になったジャカルタ特別州知事の選挙がありました。ジョコウィさん自身は広告費を節約していた方ですが、他の候補者はガンガン投資しておりました。2014年に大統領選挙がありますので、来年はさらに大きく伸びることが予想されております。

 

3位:ヘアケア製品

こちらはユニリーバとP&Gが強いです。日系ではマンダムさんも強いですね。

 

あとは、インドネシアでは特に強いのがタバコ産業です。業界首位のハンジャヤ・マンダラ・サンプルナは2012年の売上高で前年比26.1%増の666261億ルピア(約6662億円)を記録しており、さらに上場企業純利益ランキングでも99450億ルピア(約994億円)で第6位に食い込む儲かり様です。

 

続いては製品別です。


2012年イ広告上位(ブランド)


1位:ポンズホワイトビューティー

ユニリーバの製品です。ユニリーバ・インドネシアは2012年の売上高で前年比16%増の273000億ルピア(約2730億円)を記録しており、日用品の分野で大きなシェアを持っています。このユニリーバの広告をインドネシア広告業界首位のグループMが独占しているため、2位群にいる電通インドネシアは1位を諦めていると言われています。

 

2位:スダップ

数々の日系企業とパートナーを組んでいる財閥、ウインググループの一ブランドです。ラインオンやカルビー、ファミリーマートと組んでいるのが有名です。最近では、江崎グリコと組むことが発表されました。ミースダップは即席麺市場において、インドミーに次ぐ2位の規模をしっかり抑えています。

 

3位:XL

業界第3位で15.5%のシェアを持つ携帯通信キャリア。XLは今月業界第5位のアクシスの株式95%を取得する計画を表明しており、実現すれば21.3%のシェアになり、業界2位に浮上することになります。

 

 

こうやって見ると、日系製品は車とバイクしかありません。しかしながら、広告費は売上規模をはかる尺度になることもありますが、高ければ良いというものでもありません。我々はインターネットの力を駆使し、少ない予算でも高い効果を発揮できるプロモーションをどんどん開発し、帝国グループMに挑んでいきたいと思います!




※レートはわかりやすく10000ルピア=100円=1米ドルとしています

2013628日のTechinasiaLINEユーザーがインドネシアで2300万人を超えたというニュースが掲載されました。

 

http://www.techinasia.com/line-160-million-users-worldwide-suite-apps-pass-23-million-downloads-indonesia/

 

インドネシアのスマートフォン普及台数は各種調査から分析して、2500万~3000万台までの間と予想していたので、少なく見積もってもスマホユーザーの70%LINEをダウンロードしているのではないかということになります。

 

facebookの広告管理画面によると2400万人のスマホユーザーがfacebookを閲覧している

 

 

LINEはインドネシアで、マス広告やイベント、通信キャリアや端末メーカーとのタイアップなど、ありとあらゆるプロモーション手段で露出を拡大させています。

 

そして、日本同様、プロモーション活動でもLINEを取り入れた手法が現れてきました。

   

インドネシアでは2013717日時点で37の公式アカウントが存在します。

上位20アカウントを紹介しましょう。

順位       アカウント名       友だち数
1            LINE EVENT      5,378,116

2            Lee Min Ho         1,847,592
3            miss A   1,708,102

4            Girl's Generation              1,595,050
5            Wonder Girls       1,557,114

6            2PM       1,398,816
7            Super Junior       1,331,776

8            CNBLUE             1,281,435
9            POCARI(ID)       1,175,314

10          2AM      1,040,339

やはり韓国本社だけあって、韓国人アーティストが多いですね。ちなみに日本人アーティストは、浜崎あゆみが22位、倖田來未が32位に入っています。

 

注目すべきは9位のポカリスエットです。ブランドでは断トツ1位の友だち数を誇っています。実はインドネシアでポカリスエットを展開する大塚製薬は、常に最先端のマーケティングプロモーションを行うことで有名です。例えば、ソーシャルメディアに関してはインドネシアではまだ初期の頃からfacebookページ上でゲームを提供したり、スマートフォンアプリでオフラインとつなげたポイントプログラムを実施したりしています。そして、本テーマのLINEに関しても一番乗りで企業アカウントを使ってプロモーションしています。


Pocari


5月よりPOCARI(ID)と友だちになると、イメージキャラクターであるポカリマンの公式スタンプが無料でダウンロードできるというプロモーションを行なっているのですが、毎週10万人のペースで友だちが増え続け、ついに117万人まで到達しました。

 

日本での成功事例ではスパイダーマンが知られていますが、そのスパイダーマンでも3ヶ月で113万人です。

http://facebook.boo.jp/line-amazing-spiderman-close

 

POCARI(ID)はスタンプ配布を開始してまだ3ヶ月経っていません。

スマートフォンの普及台数だけで無く、もう既に活用されているという驚きの事実です。

 

しかもただ日本のスタイルをそのまま持ってきただけでは無いところも凄いです。インドネシアという国にローカライズした展開も行われています。

 

現在インドネシアではイスラム教の信仰の基礎となる断食(プアサ)が行われるラマダンというシーズンで、人口の9割を占めるイスラム教徒達が毎日日の出から日の入りまで飲み食いを断っているのですが、ラマダンシーズン用に限定スタンプが配布されています。


 

 Ramadan

 

また、インドネシア語でMaaf(ごめんなさい)というメッセージが入ったスタンプもあります。

 

 

 

今後もインドネシアで急拡大のLINEに注目していきたいと思います。