Global blog 〜世界の社窓から〜

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アジア、東南アジアに積極展開するインターネットカンパニー
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久々の更新です。

そろそろインドネシアのデジタルマーケティング業界のカオスマップを更新したいと思います。(ちなみに前回のはコレ

図1


最近アドウェイズインドネシアのブログで「クソKPI」という過激な記事を書きました。全部インドネシア語なのですが、どういうことを書いたかと言いますと、「間違ったKPI設定とコネの文化でインドネシアのネット広告市場は伸び悩んでいる」ということです。実際伸びてはいるのですが、インドネシアのポテンシャルからするともっともっと伸びても良いはずだと感じています。

インドネシアのインターネット市場が爆発的に伸びていない理由として、物流インフラ、ネットインフラ、そして決済インフラが未発達だということを挙げられる方が多くいらっしゃると思います。しかし、同じく発展登場国のインドはどうでしょうか。

図2


米国調査会社のeMarketerによると、インドはインドネシアよりも広告全体の市場が小さいにも関わらず、ネット広告の市場規模はインドネシアを上回っています。


インドネシアのネット広告費4.6億米ドルのほとんど占めていると思われるユニリーバなどの大手クライアントは、ブランディングを目的として広告表示回数やクリック数を、あるいはfacebookのファン数(いいねの数)をKPIに設定してプロモーションを実施します。この時点ではまだクソではないです(笑)。このKPIはGoogleやfacebookの広告を使えば簡単に達成できてしまいます。インドネシアではGoogle検索シェアが90%以上で、facebookユーザーも7500万人というソーシャルメディア大国ですので、その2つの広告で大きなボリュームが取れます。そして誰もが出来ちゃうということで、参入障壁が低くなりどんどんどんどんネット広告代理店が増えてきます。つまりクソKPIとは、戦略も無く取りあえず簡単なKPIを追いかけることを言います。

カオスマップにはスペースの関係上入りませんでしたが、小倉予測でインドネシアには100以上のネット専業の広告代理店がいると見ています。一度大手広告代理店かネット広告代理店に入社して、ネット広告の知識を付けて、あとはコネを作って1社でもクライアントを持って行って起業すれば、生きて行くお金を稼ぐことは容易なのです。

コネは大企業や大手広告代理店(最初の図の左の緑枠)との関係が大事です。実際右のアドネットワーク(最初の図の右の紺枠)は、会社の売上の80%は大手広告代理店経由だったりします。売上広告表示回数やクリック数という誰でも簡単に達成できるKPIですと商品力で差別化することができないので、接待とか欲しいもの買ってあげたりとか肩もみとか肩たたきとか頑張るのです。よく接待してくれる仲の良い代理店にクソKPI用の予算を預けておくだけで、彼らはお互いハッピーです。そんなケースがたくさんあると、新しい広告も試されず市場も成長していかないでしょう。

もちろん全ての広告代理店、ネット系広告代理店がそう思っているわけではありません。クソKPIやコネ文化も数多くある要因のうちの1つです。

国によって様々な違いがある中、その国について深く学び、深く知り、その国に必要なモノ・コトを考えて、行動に移していければと思います。そして、インドネシアの成長の一躍を担うことができれば幸いです。

今インドネシアのネット界隈では、PT Tokopedia(トコペディア)が、オフィシャルとしてはインドネシアのスタートアップにとっておそらく史上最大であろう約1億USDの資金調達が行われたという話題で持ちきりです。1億USDの大半をソフトバンクグループが出資していますが、今回参加したSequoia Capital(セコイア・キャピタル)は、インドネシア企業へ初出資とのことです。

トコペディアは2009年にWilliam TanuwijayaとLeontinus Alpha Edisonらが中心となってマーケットプレイス型のECサイトを立ち上げたのが始まりでした。わずか数名からスタートしたビジネスは、今やインドネシア最大級のオンラインマーケットプレイスとなっています。

インドネシアのEC市場は、2億4000万人という巨大な人口とその消費のポテンシャルの高さから大いに期待されている市場です。元Lazada Indonesia創業者のSusie Sugdenが昨年まとめたレポートによると、今年2014年、市場規模は120億USD、ECユーザー数が8200万人(インドネシアインターネット協会の2014年到達予測)のネット人口に対して32.6%の2700万人、年間でECに使用する金額は一人あたり444USDまで到達するのではないかと予測されています。

図1



インドネシアのECの歴史は、まだほとんどネットユーザーがいなかった1999年に誕生したオンライン掲示板サイト「Kaskus」と2006年に誕生した「tokobagus」が基礎を築いていきました。当時はほとんど個人間の取引しかありませんでした。そこで2009年にマーケットプレイス型の先駆けとして現れたのがトコペディアです。その後、2011年に楽天やBukalapakがローンチされます。BtoC型も同じ時期にいくつも生まれましたが、現在積極的な広告投資で猛威を振るっているロケットインターネットグループの「Lazada.co.id」は、2012年の登場です。最近では昨年11月にインドネシア国営の通信会社テレコムニカシ・インドネシアが米eBay(イーベイ)と共同でマーケットプレイス型ECサイト「blanja.com」を開始したり、今年3月にインドネシアの携帯キャリア大手のXLが韓国SKテレコムの子会社SKプラネットと共同で、こちらもマーケットプレイス型ECサイト「elevenia」を開始したりと、国内外の大資本が動いています。


インドネシア国内のECサイトトップ10

図2

※順位は筆者選定のECサイトを10月24日付Alexaランキング順に掲載
※オンラインチケットとデイリーディール系は除く



EC市場が盛り上がることは我々アフィリエイト事業者にとっても非常にプラスです。今後も引き続き注目していきたいと思います。