インドネシアのネット広告カオスマップ2015 | Global blog 〜世界の社窓から〜

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アドウェイズの海外社員ブログです。

久々の更新です。

そろそろインドネシアのデジタルマーケティング業界のカオスマップを更新したいと思います。(ちなみに前回のはコレ

図1


最近アドウェイズインドネシアのブログで「クソKPI」という過激な記事を書きました。全部インドネシア語なのですが、どういうことを書いたかと言いますと、「間違ったKPI設定とコネの文化でインドネシアのネット広告市場は伸び悩んでいる」ということです。実際伸びてはいるのですが、インドネシアのポテンシャルからするともっともっと伸びても良いはずだと感じています。

インドネシアのインターネット市場が爆発的に伸びていない理由として、物流インフラ、ネットインフラ、そして決済インフラが未発達だということを挙げられる方が多くいらっしゃると思います。しかし、同じく発展登場国のインドはどうでしょうか。

図2


米国調査会社のeMarketerによると、インドはインドネシアよりも広告全体の市場が小さいにも関わらず、ネット広告の市場規模はインドネシアを上回っています。


インドネシアのネット広告費4.6億米ドルのほとんど占めていると思われるユニリーバなどの大手クライアントは、ブランディングを目的として広告表示回数やクリック数を、あるいはfacebookのファン数(いいねの数)をKPIに設定してプロモーションを実施します。この時点ではまだクソではないです(笑)。このKPIはGoogleやfacebookの広告を使えば簡単に達成できてしまいます。インドネシアではGoogle検索シェアが90%以上で、facebookユーザーも7500万人というソーシャルメディア大国ですので、その2つの広告で大きなボリュームが取れます。そして誰もが出来ちゃうということで、参入障壁が低くなりどんどんどんどんネット広告代理店が増えてきます。つまりクソKPIとは、戦略も無く取りあえず簡単なKPIを追いかけることを言います。

カオスマップにはスペースの関係上入りませんでしたが、小倉予測でインドネシアには100以上のネット専業の広告代理店がいると見ています。一度大手広告代理店かネット広告代理店に入社して、ネット広告の知識を付けて、あとはコネを作って1社でもクライアントを持って行って起業すれば、生きて行くお金を稼ぐことは容易なのです。

コネは大企業や大手広告代理店(最初の図の左の緑枠)との関係が大事です。実際右のアドネットワーク(最初の図の右の紺枠)は、会社の売上の80%は大手広告代理店経由だったりします。売上広告表示回数やクリック数という誰でも簡単に達成できるKPIですと商品力で差別化することができないので、接待とか欲しいもの買ってあげたりとか肩もみとか肩たたきとか頑張るのです。よく接待してくれる仲の良い代理店にクソKPI用の予算を預けておくだけで、彼らはお互いハッピーです。そんなケースがたくさんあると、新しい広告も試されず市場も成長していかないでしょう。

もちろん全ての広告代理店、ネット系広告代理店がそう思っているわけではありません。クソKPIやコネ文化も数多くある要因のうちの1つです。

国によって様々な違いがある中、その国について深く学び、深く知り、その国に必要なモノ・コトを考えて、行動に移していければと思います。そして、インドネシアの成長の一躍を担うことができれば幸いです。