11月初めにアキレス腱が炎症を起こし、しばらくまともに走れず、下旬のハーフでは途中棄権という苦汁を味わいました。

それから1ヶ月が経ち、ようやく痛みも引いて走れるようになってきました。

仲間と走るたびに衰えを痛感します…やはり故障で走れなくなる期間があるとつらいです。でも今は痛みなく走れる、ただそれだけの、当たり前のことのありがたみを身にしみて感じています。


シーズン最後のトラックレース、そして駅伝前のこの時期に走れなかったのは精神的にかなり辛いものがありました。しかしやはりこの時期だからこそ故障のリスクが高まるというのは事実だと思います。気温が下がって体調管理が難しいうえにロードレースに向けて走り込み、過密ともいえるスケジュールで試合をこなす…実際この時期は相当にケアに気を遣わないと故障を避けるのは難しいでしょう。


中高生のように毎日練習を見てくれる指導者が入れば練習を調節してもらえますが、それ以降は基本的に自分で調整をしなければいけません。裏を返せば故障はすべて自己責任だということです。


私の場合も、試合の疲れをため込んだまま練習を積んでしまったことが原因だというふうに分析しています。

加えて、10月半ばごろからフォーム改造に取り組んでいて普段とは違いふくらはぎに張りが出ていたこともあったと思います。アキレス腱を直接支えているのはふくらはぎですから、これも大きな原因でしょう。

結局、「自分の身体をわかっていなかった」この一言に尽きると思います。



長距離にとって重要な試合が続き、焦ってしまうこの時期ですが、その分疲労も溜まります。自分の身体に違和感を感じた時は思い切って休むことも必要だと感じました。ただ駅伝というチーム競技もあり、全体練習を休むことは相当に焦りますし、チームに迷惑をかけるのではないかというふうに考えてしまうのも仕方のないことです。


しかし最終的に、故障して長期間練習を離れたり、試合自体を欠場することのほうが本人にもチームにも大きな負担となります。焦ってしまう気持ちをコントロールすることも選手としての実力のうちでしょう。身体だけでなく精神面でも我慢が必要である、今回のことで長距離とはそういうスポーツなのだとつくづく感じました。


「革新的テクノロジー」とかいった売り文句を見る度に買いたいとは思うものの、大抵思いとどまる…そんなことを毎年繰り返しています。


というのは、今までになかったデザインや機能の商品を購入して当たったためしがほとんどないからです。

企業の側も発売の前にテストを繰り返しているのでしょうが、それに充てる人員には限りがあり、また市場で購入する人々は企業が思いもよらぬ使い方をすることもあります。企業のテストだけでは不具合が起こらないことはなかなか証明できないと思います。(電子レンジで風呂上がりの猫を乾かそうとした、とかは極端な例ですが。)


そのため、私は従来とは違った商品が発売された際、少なくとも1シーズンおいて、次のシーズンの商品が発売されてもカタログに残っている、あるいは改良を加えられたものが新発売となった場合に手を出すことが多いです。


話題になった商品にも、私が知っているだけでいくつかエピソードがあります。

「ナイキフリー」初代はアッパーのかかと部分の素材が破れやすかったらしく、第2世代からは改良されたそうです。

これは自分の例ですが、流行り(?)の着圧サポーターの、「C3fit」レッグサポーターを昨年購入してみたのですが、上のサポートが不十分なのか運動しているとずり落ちてきます。気になって通販のレビューをいくつか見てみると、同じようにずり落ちに悩む人が多く見られました。そして第2世代が売り出されましたが、上部にリブ編みが施されており、露骨なまでのずり落ち対策が感じられました…昨年は疲労回復に神経質になっていたので初代を買ってしまったのですが、やはり失敗だったかもしれません。


あまり関係ないかもしれませんが、1流アスリートが新商品の広告塔にされることもよくあります。それで気になったのが北京オリンピック男子マラソンで優勝したサムエル・ワンジル選手のシューズです。

ワンジル選手はオリンピックのケニア代表選考レースとなったロンドンマラソンでは「スパイダーR」を履いていました。このシューズはロンドンマラソン当時、日本ではほとんど情報がない「新商品」でした。

しかし北京オリンピックでは「カタナレーサー」を履いて優勝するワンジル選手の姿が…ワンジル選手は「レース用のシューズ(おそらくスパイダーR)を忘れたので練習用のシューズで走った」とのちに語っていました。


これは私の勝手な見解ではありますが、ワンジル選手はあえてスパイダーRを使わなかったのではないかと考えています。

企業が有力な選手に新商品を着用させ、その選手が先頭を走ることでテレビに延々と映り、優勝まですればその商品への注目はおのずと高まります。新テクノロジーである「フライワイヤー」を搭載したスパイダーを売り出したいナイキとしてはそれを当然考えていたでしょう。

もしかするとロンドンで使用した際にスパイダーに不安を覚えていたワンジル選手は勝負のレースにおいて今まで使っていた信頼のおけるシューズを選んだのかもしれません。

仙台育英がミズノと懇意にしていることもありワンジル選手も仙台育英時代はミズノを履いていました。ミズノが合っている人にはスパイダーは合わないと思います。ミズノと比べると足型が随分違うので…これも私の感覚ではありますが。

土曜に1500mのレースがあるので今週は調整メニュー。

土日のダメージがあったので月火はジョグにして疲労抜き。

最終刺激として、水曜は土トラックで1200m×1。

トラックが土なのに加え、他のメニューをしていた人たちを抜くために2レーンを走っていたのでタイムが悪くなることは承知していたのですが…全天候トラックで想定していた設定タイムよりも1周あたり4~5秒悪くなっていましたヽ(;´Д`)ノこれはさすがにショック。ただ2日間休んだためか動きは悪くなかったのでそれだけが救いでした。


木曜は200m×3。レースペースよりも速いペースで余裕を持って行うことを目指しました。

結果は設定どおり…というよりも雨や気温の低さを考えたら、かなりいい出来だったと思います。つなぎのジョグもかなり速いペースでこなせていました。レースを想定してスパイクを使ったというのもあるかもしれません。





ほぼ同じ体調で走ることで、土トラックと全天候トラックの違いを改めて感じました。

私個人としては、一長一短だと思っています。

多くのトラックレースが全天候トラックで開催されることを考えると、慣れも含めて同じ環境で練習することは必要だと思っていますし、強い反発から得られるあのスピード感は爽快です。

しかし脚へのダメージが大きいことも事実です。特に距離走などの走り込みを全天候トラックで行うことについて、私はどちらかといえば反対です。そのため私は休養期間があって脚ができていなかったこともあり、ここ数ヵ月は距離を踏むにあたってクロスカントリーばかりこなしていました。



長い距離の走り込みには、そもそもトラックは必要ないという意見もあります。

日本の長距離トレーニングにおいて距離走:いわゆるペース走、ビルドアップ走、変化走は多くの場合トラックで行われていますが、アフリカの選手には「ペース走」といった概念がないという話を聞いたことがあります。

彼らがトラックで行うのはインターバルトレーニングなどのスピード練習だけで、距離を踏む練習はすべてジョグでこなしてしまうそうです。そしてそのジョグはほとんどが不整地でのクロスカントリー走とのこと。

彼らにとって「ジョグ」の概念は日本人と違い、スロ-ジョグからフルマラソンンのレースペース(3分/km)ほどの範囲まで広くカバーしているとも聞きます。


練習メニューについてばかり書きましたが、環境が違う以上練習環境の違いに触れないわけにはいきません。

日本がロードやトラックに恵まれている一方で、アフリカにはトラックがほとんどないそうです。

日本がトラックに恵まれているとは言いすぎじゃないか、という意見もあるかと思います。確かに、特に中学生や高校生などのトラックレースをメインにする選手たちが全員トラックのある練習環境に身を置けているとは言えないでしょう。実際に私も高校生の時、学校のグラウンドは他の部活に占領され、トラックは線も引かれていませんでした。練習は近くの公園や、大学の土トラックを借りて行っていました。近くとはいっても5kmほど離れた公園もありましたが…

アフリカ、特に世界記録を多数保持するエチオピアを例に挙げると、国営のトラックは国内に一つしかないそうです。しかも整備が行き届かず、走路が荒れているとのこと。

インタビュー記事によれば、女子のデファール選手は別の、アメリカンスクールの300mトラックで練習しているそうです。前述の国営トラックは荒れすぎてとても走れないと書いてありました。

男子のベケレ選手が自らトラックやトレーニングセンターを建設中とのことですが、完成したかどうかはわかりません。


こういった環境に比べれば、全天候トラックを無料もしくは数百円で利用でき、そこまでの公共交通もおおむね整っている日本の環境が悪いとは必ずしも言えないと思います。

しかし逆に、丘や山などの不整地を走る環境が日本には実に少ないです。

日本選手とアフリカ勢の間で記録に大きく差が開いていることを考えれば、不整地走の有効性はもっと広く知られるべきだと思います。

私はロードの感触が嫌いなこともあり、不整地練習のできる環境を地図や自分の足で探し、4つほどバリエーションに富んだコースを見つけることができました。

クラブチームの中に好んでロードばかり走っていて、タイムがほとんど同じ選手がいますので、本人と相談の上、了承を得て実験的に走力の変化を比較しています。現在のところ私の考えは揺らがなさそうです。


私自身はクロスカントリー走ばかり行っていますが、知人にはその有効性を説明しつつ、ロードやトラックなどを組み合わせて自分のコンディションを整えていくのがよいのではないか、と話しています。画一的な練習ではモチベーションも下がってしまいますから、適度に刺激のある練習を継続していくことが望ましいのではないかな、というのが私の意見です。