お城は好きですか? その5
日増しに暑さが厳しくなってくるこの時期、皆様はどうお過ごしでしょうか。
これまで県外の近世城郭をご紹介してきましたが、今回は趣向を変えて、県内の古代山城をご紹介したいと思います。
熊本県の古代山城といえば……
そう、鞠智城(きくちじょう/くくちのき)ですね!
「きくち」と付くので紛らわしいですが、所在地は山鹿市菊鹿町です。
また、中世に活躍した菊池氏の城「菊池城(隈府城)」とは別なので、お間違いなく。
鞠智城といえば、やはり目を引くこの建物ですよね。
こちらは八角形鼓楼(復元)です。
鞠智城のキャラクターである「さきもり ころう君」のモチーフにもなっていますね(中から覗いているパネルの彼です)。
「鼓楼」、つまり刻を知らせる建物や、見張り台として使われていたと考えられています。
鼓楼以外にも様々な遺構や約70もの建物跡が見つかっている鞠智城ですが、そもそも鞠智城がどんな城なのか、ご存知でしょうか?
7世紀後半、大和朝廷は九州の防衛のために、今の福岡県太宰府市に、「大宰府」を築きました。
その大宰府を支援するため、大野城や鞠智城等のいくつかの城が築かれたのです。
鞠智城跡から発見された建築物や物の特徴から、朝鮮半島の百済(くだら)の人々が建築に大きく関わったと考えられています。
鞠智城の役目は、時代とともに変わっていきました。
初めは有明海の監視・南部九州の支配拠点として使われていたようですが、時代が下るにつれ、役所としての機能も備えるようになったと考えられています。
そして8世紀頃には倉庫としての役割が色濃くなり、10世紀頃には完全に役目を終えたようです。
元々防衛施設であったことから、発掘調査により、門跡や土塁跡等がいくつも発見されています。
古代山城は基本的に自然の地形を活かして築かれていますが、鞠智城も例に漏れず、かなりアップダウンの激しい地形になっています(下の写真で見えている丘の上に駐車場があります)。
クイズラリーもありますので、ぜひ挑戦してみてください。
じっくり見て回りたいが城歩きに慣れていない……という方は、歩きやすい靴を履いていきましょう。
慣れている方も、タオルや飲み物を準備していくことをお勧めします。
お城にあまり興味のない方も、芝生の上でピクニックができますので、ご家族で行ってみられるのもいいのではないでしょうか。
近くには菊鹿温泉もありますよ。
また、敷地内には、山鹿産の和栗を使ったスイーツが楽しめるお店もあります。
せっかくの県内唯一の古代山城です。ぜひ一度、行ってみてくださいね!
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
「お城は好きですか?」シリーズ