「それは静かなる防御壁」 | 消防設備士かく語りき

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川崎の消防設備士、平成め組代表のブログ

 

 

今朝、法人のgmail宛に1本のメールが届いた。

 

見るとそれは以前お世話になった特許事務所からのもの。

実は「平成め組」というこの社名は5年程前に商標登録をしている。

具体的には商標登録区分の第37類となり、主な内容としては「建設工事関連におけるサービス」となる。

 

商標登録は登録時に10年、または5年のどちらかを選んで登録するのだが、期間満了が近づくとこうして特許事務所が「継続手続きをするか否か?」で連絡をくれる。

私の場合、5年間での登録だったので期間満了5ヵ月前に伴い連絡を頂いた形。

 

かつてネットでTシャツ等を販売していた頃、「あほんだら同盟」という商標も登録していたが、しかしそちらは既に失効となっている。

ホームページなども含め4~500万円投じたが、商売としては失敗に終わった。

 

さてその「平成め組」での商標登録。

ウチはあくまでも「消防設備点検及び工事」を主たる業務としているが、確か当時、そちらの特許事務所の弁理士の方と相談の上、その区分での申請であったと記憶している。

 

つまり消防設備業に関して言うと、ウチの社名「平成め組」と似通った名称、紛らわしい名称については商標登録を根拠に「その名を使用するな」と言えるわけである。

商標登録は申請から登録まで順調にいっても通常3~4ヵ月を要する。

 

また一般的に「平成」や「昭和」、あるいは「令和」などのように元号を含む商標は許可が下りにくいとされる。

元号は日本国民皆が日常的に使用する言葉であって個人の利益への寄与は妥当ではない」といった趣旨に基づく。

 

なので当初「平成め組は登録が難しい」とも言われたが、「平成と「め組」の組み合わせは特殊な呼称」と審査官に判断され無事に登録と相成った。

 

実際過去、「平成め組」という社名については「良い名前ですね」と度々お褒めの言葉を頂戴してきたし、また私自身、日本全国全ての消防設備業者の中で「一番良い名前」と本気で思っている。

「この名前だからこそウチは人が多く集まり人員に困らない」、そんな気さえするほど。

 

この業界、「☆☆防災」なる会社は非常に多いが、しかし「防災」とは「災いを防ぐ」のであり、地震などの自然災害も含む言葉。

「☆☆防災」を名乗る会社を見る度、内心「アンタの会社、地震や水害にも対応出来るの?」と思ってしまう。

ハッキリ言って「消防設備業」には全く似つかわしくない… と個人的には思う。

 

それでも横文字(カタカナ文字)の社名よりは良い。

かつての知り合いの中には「☆☆ジャパン」なる社名を付けた者がいたが、正直「コイツ、アホか…」と思ったものである。

 

横文字の最後に「東京」を組み合わせた社名も見たが、「ダッセ~…」という言葉が思わず漏れ出てしまった。 それはともかくとして…

 

商標登録は何でもかんでもすればいい、ということではもちろんないが、一方で自分や自社の権利の主張には時として大いに貢献する。

「良い商品名」、あるいは「良いサービスの提供名」など思い付けば、やはり誰しも「この名前を独占したい」と考えるもの。

 

私も「平成め組」という名前が頭に浮かんだ時、「これだ!」という直感的なものもあり、その瞬間から「自分だけのものにしたい」という想いに強く駆られたことは今でも鮮明に覚えている。

 

この名を愛して止まない私にとって商標登録は感情のブレーキ役なのだ。

もしも日本の何処かに新手の消防設備業者で「平成の火消し屋め組」なる業者が出て来ようものなら、恐らく私はそれを知った翌日、遅くても翌々日には懐に短刀を隠し持ってその事務所に乗り込み「パクリやがってこの野郎!」と、相手の片腕を切り落としにかかるだろう。

 

でもそうなると長い事、3食全て塩分超控えめの健康食を摂ることになるので、商標登録は自身をそうさせない為の「静かなる防御壁」みたいなもの。

 

幸い社名については「パクられた」ということはないが、しかしこのブログタイトル「消防設備士かく語りき」は全く同じような名称でコラムを書いているらしい大阪の同業者がいる。

しかしそれについては特に「腹が立った」ということもない。

と言うのも、こちらは「誰もが思い付く様な名前」だからである。

 

「消防設備士」は資格名かつ職業名。

また「かく語りき」もコラムなどにはよく使用されるもので、取り立てて「特殊な名称」とは言えない。

 

とは言え最初に知った時は「舐めやがってこの大阪人! たこ焼きの具材にしてやろうかっ…!」と心胆では半ばキレかけたが、しかし考えを改め「まぁ誰でも思い付く名前ということか…」と、己を納得させた。

 

さてそんなワケで、全国の消防設備業者の中にあって私ほど商標登録に詳しい人間も中々いないと思う。(当時自分でも散々調べたりしたので)

そこで今回、新たに平成め組の代紋も商標として登録すべく、そちらの特許事務所にご相談。

単純な文言に比べると形を伴うロゴなどの方が登録の可能性は高い、と言える。

 

 

やはり「消防設備業」という時点で江戸時代に活躍した「め組」などのイメージは湧きやすいので、今後似たような代紋を使用する者が現れる可能性は高い。

また今後この代紋を入れたTシャツの販売なども密かに考えており、それゆえ前回の「第37類」に加え、今回は被服販売を含んだ「第25類」の2区分での登録を目指す。

 

将来に向け、私はこの「平成め組」の名を業界に轟かせたいという野望は当然あるので、代紋も護っていきたい。

またそうして護るべき代紋があった方が仕事にも身が入る、と思う。

 

これから業界での独立を模索する方々。

また良いロゴマークが仕上がったと喜ぶ方々。

しかし世の中には一人か二人、似たような発想を持つ者が必ずいる。

 

つまらない争いを回避する意味でも、社名やロゴマークは積極的に商標の取得を目指した方が良い。

この国の法律上では「先に登録を取った者が絶対的に強い」のだ。

 

後手になってはその発想が盗られてしまう。

 

 

7月、まだ若干の余裕があります!