「箸休め」 | 消防設備士かく語りき

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川崎の消防設備士、平成め組代表のブログ

 

 

新たに無線機を7台ほど購入した。

 

元々8台あったのだが、最近1台ぶっ壊れたのでこれで合計14台となる。

正社員4名、専属外注やアルバイトを含めても精々7~8人で活動する我々。

その活動人員数を考えるとさすがに14台はいささか多過ぎる。

 

恐らく一度にこの全てを使う日はまだ数年来ないだろう。

にも拘わらずどうして新たに7台も購入したのか?

それはうちが「事務所無き法人」であるが故の弊害と言える。

 

「事務所が無い」と言っても、しかし事務所が無ければそもそも法人登記は出来ない。

なので一応、登記上は私の自宅がそのまま平成め組の事務所ということになっているが、しかし普段従業員がここに来ることはない。

精々若頭のダイゴローが私に呼び出され叱られに来るくらいなもの

 

基本的にウチは社員であろうが皆、直行直帰。

現場が昼前に終わればそのまま帰宅である。

 

事務作業がないこともないが、大抵のものは現場で終えられ、またパソコンなどを使用する作業(検査表作成など)は基本的に私が一人で行う。

早いと昼の11時前に帰宅している者もいる。

 

「事務作業までを請け負わない」というスタイルを極力貫くことで取引先各社も「では現場作業のみお願いします」となる。

余計な事務作業が無い分、こちらも費用を抑えて先方に提示できるというメリットがあり、双方ともに納得がいきやすい。

 

そして事務作業が無ければ社員は現場作業のみ集中すればよく、現場が終われば当然その日は終わり、となる。

自分で言うのも何だが、ウチのこうした業務スタイルはこの令和時代にマッチしたものだと思っている。

 

それに今後、世の中的にも極力「事務作業は無くしましょう」という流れになっていくと思われ、今後消防点検も行政が管理する物件情報サーバーみたいなシステムが構築され、点検後はそこに直接アクセスして情報を点検者自身が書き換えていく…  そんな形になっていくと私は見ている。

 

だから下手に事務員など雇おうものならやがてその者の存在が手に余るものとなるだろう。

またそうしたシステムが構築されるのは決してそれほど先の話ではない…

 

などというわたし代表村田の「時代の読み」はさておき、とにかくそうした業務スタイルゆえ、ハッキリ言ってウチは現状、事務所は不要。

そもそもネット社会の昨今、事務所の存在意義自体が薄れつつあると言える。

 

私が子供の頃「テレビ電話」などというものは「自分が生きている間には一般化しない」とさえ思えたが、しかし今では携帯で普通に互いの姿を見ながら会話できる。

もはや従業員同士が直接会わずとも「顔を見ながら」コミュニケーションが取れるのだ。

そんな現代において事務所の存在は「無駄な経費食い」とも言える。

 

とは言え、そうした従業員共通の「集合場所」である事務所が無いことによる弊害もやはりある。

点検道具類は普段車に積みっぱなしなので問題無いが、しかし例えば点検資料の引継ぎなど、事務所が無いと少々不便。

 

ただウチの場合「現場責任者」を務め得る者たちが皆近隣に住んでいることもあり必要なら直接本人に渡すこともできる。

 

しかし充電を要する無線機のやり取りについてはこれまで私やダイゴローが充電した上で予め車に積んでおき、その車両を翌日の現場責任者が使う、という形であった。

それが地味に面倒に感じられ、ならばいっその事メインの4名(私、ダイゴロー、タケ、メメ女史)はそれぞれ自宅に数台の無線機を置いておき、必要に応じて持って行けばよい。

 

私とダイゴローが4台ずつ、タケとメメ女史が3台ずつ持っておけば無線機をいちいち渡し合う必要もなくなる。

そしていざ、多数の無線機を要する大型案件が舞い込んだ際には各々の管理する無線機を持ち寄れば良い。

 

無線機は多いに越したことは無い。

いつまでも古い無線機を使い続けるなど少々貧乏くさいし、なのでぶっ壊れた1台も修理ではなく「登録抹消」とすることにした。

 

同業他社の中には無線機をリースで済ますところも多いが、しかし私は少なくとも経営者自身は「無線機が欲しい!」という欲を持たなければならないと考えている。

 

そしてその物欲こそが仕事をする上での励みにもなるのだ。

だから私は常に欲しい仕事道具が存在しているし、またそれを購入したいがため、仕事を頑張っている。

 

ウチはまだまだ小さな組織。

でも道具面でだけは皆に不便な想いをさせたくない。

行く先々で「め組さん、そんなのまで持っているの!?」と言われたい。

 

今回購入した無線機は「もっと購入したい道具はいくらでもあるけど…」という、私の止まらぬ物欲を一時的に抑える「箸休め」みたいなもの。

 

気休めに飲む市販の風邪薬である。

 

 

7月、まだ余裕あります!!