「安堵」 | 消防設備士かく語りき

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川崎の消防設備士、平成め組代表のブログ

 

先日の記事にて「1人工の重み」について語らせて頂いた。

 

がしかし、その後も数社から立て続けに「7月☆日の応援依頼はキャンセルで」という連絡が入ってきた。

当初は「今までになく忙しい7月」などと、嬉しさ半分、緊張感半分の気持ちでいた私だが、だがそうしたキャンセル連絡が相次いだことで大幅な工程の修正を要することに。

 

先日の記事でも書いた通り、そうしてキャンセルの連絡を貰ったところで、しかし私自身はその為に手配した人員を安易にキャンセルなど出来るわけがない。

 

そんなことを度々繰り返そうものなら「もう平成め組さんの依頼はお断りします」となってしまう。

だから場合によっては私自身がその方の人工代を負担する形でどこかの現場に半ば無理やり入ってもらう、などの対応もせざるを得ない。

 

と言うか、どんな仕事であれ信用を損なっては業務が立ち行かなくなるのは必然で、それを思えば私自身の対応は取り立てて「特別」とは思わず、むしろ「当たり前」と考えている。

 

だがこうしてキャンセルが重なる現実を見ると、どうやら世間一般の経営者は自身の依頼キャンセルについて「ちょっと申し訳ない」くらいにしか考えていないらしい。

その1人工分のキャンセルに数名が影響を受けるという事実をいまいち理解出来ていないように感じる。

 

これはつまり、「仕事を出す側の立場である自分が上」という考え方がその人物の心の根底に存在しているからではないのか?

 

正直な気持ちを言わせて頂くなら、私はそうした安易なキャンセルをやられると単純に「舐められている」と感じる。

「キャンセルしたってどうってことないだろう」と、まるで自分が見下されているようにさえ思う。

 

「そろそろ本気でキレてやろうか…」という、そんな怒りの念が少なからずこみ上げてくることを否定出来ない。

 

しかし一方、苛立ちばかりが重なる中、気持ちが晴れることもあった。

と言うのも今回、私がそんな安易なキャンセルについて強く疑問を呈した方の中に「依頼した分、全て請求して下さい」と言ってきた方がいた。

 

過去、キャンセルをしてきた人間は無数にいたが、しかしそうして「キャンセル料を支払う」と明言してきた方はいなかった。

それどころかこちらがキャンセル料に言及すると「そんなもん出せるか」と言ってきた者さえいる。

 

だがそうしてキャンセル費の支払いを申し出てきてくれた方がいたことで、立場は違えど「1人工の重み」を共有できた様で嬉しくもあり、またどこか安堵した。

 

自ら申し出て頂けたことで私としても「むしろ受け取れない」という気持ちになり、その申し出は丁重にお断りさせて頂いたが、しかし独立からの11年間で初めてのことでもあった。

強い義務感と責任感を持った「経営者たる経営者」が実は割と身近にいたことが何よりも私の中では「吉報」でもある。

 

そんな凛とした強い志を持つ方が身近にいたと分かれば、気持ちを腐らせず頑張れる気がする。

この苛立ち、もう少し抑えてみよう。

 

 

7月まだ余裕あります!