「いざ、JIRAAへ」 | 消防設備士かく語りき

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川崎の消防設備士、平成め組代表のブログ

 

 

本日、私は1人、JIRAA(ジラ)検定を目指したトレーニングへ参加してきた次第。

 

最近何度か記事にしてきたが、JIRAAとは「Japan Industrial Rope Access Association」の略で、日本語で言うところの「日本産業用ロープアクセス協会」となる。

 

私とタケが4月に取得したIRATA(アイラタ)と呼ばれるヨーロッパ基準の高所ロープ技術者の養成内容に沿う形で、日本独自のロープ高所作業者の資格として発足したもの。

 

IRATAには技術者の技量に応じてレベル1からレベル3まで定められているが、JIRAAもそこら辺は全く同じ。

ただIRATAの場合、上のレベルに挑戦するには現レベルの取得から1年以上、そして1000時間以上の実務経験をその要件としている。

 

一方でJIRAAはそうした条件を定めておらず、実務経験が無くとも現在持つレベルの一つ上まであれば挑戦が可能

正直、私の様に「業務の一部としてロープ作業を行っている者」にとって、IRATAの定める実務経験を満たすのは容易ではない。

 

だがJIRAAであればIRATAと全く同様の技術を実務経験無しに学ぶことが出来る為、むしろ私の様な者にはIRATAよりもJIRAAの方が条件が合う。

 

しかもIRATAベースのJIRAAは所持するIRATAのレベルがそのまま引き継がれるので4月にIRATAのレベル1を取得した私の場合、JIRAAトレーニング&検定はレベル2から参加出来る。

資格の通用度という点では当然IRATAに分があるが、しかし技術的な部分のみで言えばそこに差はない。

 

IRATAはアセスメントを含め6日間連続で実施されるが、JIRAAの方はそうした部分も融通が利き、今回私は2日間のトレーニングの後1日休み(仕事はあるが)、その後3日間連続でこなした後、今度は2日空けて検定日を迎える形となる。

 

そんなワケで、IRATAのレベル2と同じ内容のJIRAAトレーニングが本日から始まった、ということである。

今回のJIRAAトレーニング、4月のIRATAの時と同じく神奈川県大和市にある「GRAB合同会社」さんのトレーニングセンターにて実施。

 

もちろんインストラクターの方もIRATAの時と同様で、現在JIRAA独自のインストラクターなどはおらず、IRATAのレベル3以上の人のみがJIRAAの指導も出来るということらしい。

さてそのJIRAAレベル2、その内容はほぼ全てが「1:1におけるレスキュー技術の習得」がメインとなる。

 

ロープ高所作業中のあらゆる条件下で身動き出来なくなった仲間を救助する、という流れ。

とは言え、それらのトレーニングを行うには当然「レベル1の課題が全てこなせる」という条件が付く。

 

そのため初日である本日、先ずは4月に学んだIRATAレベル1の全課題の復習からスタート。

JIRAA検定の受講者はまだ少なく、初日の今日はインストラクターの方からのマンツーマン指導。

 

だが約2ヶ月振りにレベル1の課題を一気にこなした結果、開始2時間で左腕が痙攣を起こす程の疲労に襲われる。

もはや自分の意思ではロープを握り締める指を開くことが出来ず、自由が利く右腕の指で左手の指を開かなければならなかった。

 

2ヶ月も経過するとやはり忘れてしまっている部分もあり、結局午後の最初までレベル1の技術の復習に終始。

そして午後2時過ぎ辺りからようやく「レベル2」の課題である「1:1」レスキューへ。

がしかし、これがいきなりキツイ…。

 

先ずはインストラクターの方がお手本を見せてくれ、その後私が挑戦する形

 

成人男性とほぼ同じサイズ、重量のダミー人形

 

今回一人で参加なので自分の試技中の写真は撮れず

 

70㌔以上あるダミー人形で試技を行うのだが、これが相手が本物の人間の場合、こちらがやりやすい様に多少なりとも動いてくれる。

だが人形は一切動いてはくれず、ほぼ「腕力頼み」のトレーニングが続く。

 

結局初日の本日は「レベル2の入口の課題」を軽くこなしたのみで終了したが、しかし今この瞬間、既に私の身体は死んでいる…。

4月のIRATAの時もそうであったが、あまりのキツさに初日からして心が折れかけている。

 

しかしインストラクターの方曰く、「これを出勤に例えたら今家の玄関を出たところ」、「ボリュームはレベル1の3倍」とのことで、大袈裟でなくトレーニング中に急性過労死するのではないかと不安になってきた。

 

とは言え、既にトレーニング&検定費用の14万円を振り込み済みで今更後戻りなど出来ようもなく、明日も引き続きあの拷問の様なトレーニングをこなさなけばならない。

今年でもう48歳になろうかと言うのに、なぜ私はこんな無茶な道のりばかり進んでしまうのか…。

 

まさかこんな世間的には全く知られていないマイナーな検定に多額の費用を投じる日が来るなどとは、我ながら夢にも思わなかった。

でもIRATAの技術が学べるというだけで、そこには大きな価値と、加えて「日本独自の検定」ゆえの展望もあると思うのだ。

 

実際、高所作業の業界ではJIRAA資格も相応に評価されていると聞く。

「自分がこの検定の価値を押し上げてやろう」というくらいの気概で何とか死なずに残りの5日間も乗り越えたい。

 

明日からはIRATAレベル1の受講生と同時実施でのトレーニングとなる。

一応「レベル1の先輩」としてトレーニング中の死亡事故だけは避けなければ…。

 

嗚呼、身体中が痛い…。