「なれるはずだ」 | 消防設備士かく語りき

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川崎の消防設備士、平成め組代表のブログ

 

先日も少し書かせて頂いたが、新たに21歳の男女が2名、正社員候補のアルバイトという形で加入してくれた。

 

2人とも当然この業界は未経験なのであらゆることを1から教えていく形にはなるが、とは言え補助的な業務であれば直ぐにこなすことも出来る。

そういった意味ではこれまでの人手不足から一転、一気に人員的な余裕が出来た。

だが同時にそれは私自身に大きな「課題」を与えてくれる。

 

と言うのも去年の下半期以降、あまりの人手不足から度々外注を手配していた。

それこそ「毎日1名」くらいの頻度で依頼をしていた。

だが新たに人員が増えたことで少なくともこの先1~2ヶ月はあまり依頼を出さなくとも自社の人員だけで賄える見込みとなった。

 

「外注を手配しなくて済むならそれは結構なこと」

人件費削減などといったビジネス的な部分だけで見ればそれは確かにそうである。

とは言え、これまで散々助けて来てもらったにも拘わらず「人が入ったからもういいです」などと到底言えるはずもない。

 

依頼する量が多少減ったとしても、しかし可能な限り仕事をお願いすることで継続的な関係を維持してゆくことも自社の将来の為には必要不可欠である。

なのでここ最近、全く積極的ではなかった他社の現場応援なども改めて積極的に対応していくことを決めた。

 

基本的に全て「人工代」で処理される応援業務は正直なところこれと言った利益までは見出し難い仕事ではある。

 

だが一方で「抱える人員を持て余さない」という意味では非常に有効で、また利益率が低くても数をこなす中で相応の収益が見込める場合もある。

また何より、そうして応援業務をこなす中で築かれていく新たな人脈や信頼関係こそが、近い将来の大きな利益へとつながることも多い。

 

実際、この消防設備業界で独立した者の中で「一切応援業務に頼ることなくやって来れた」という人間など恐らく皆無。

 

多くの応援業務をこなす中で自然と自分や会社の存在も各方面に知られる様になり、そして益々声を掛けて頂く機会も増えていく。

元を辿ればウチもそうした地味な業務の継続で現在に至る基盤を築いていた部分もある。

「人が増えた」と喜ぶのは単なるぬか喜び。

 

人が増えたのなら、今度はそれらの人員をフル活動させても「人が足りない」という状況を再度目指してゆかなければ組織としての成長などあり得ないこと。

 

人が増えたことを喜ぶのではなく、少なくとも私の立場からすれば「大いに焦る」くらいでなければならないし、また実際のところ、今私は非常に焦りを感じている。

「果たしてこの増えた人員分の仕事を確保していけるのだろうか…?」と。

 

だが実はそんなこと、人を増やす度に感じてきたこと。

そしてその都度乗り越えてきたはずのこと。

 

「何を今更焦る必要があるのか」と、自身の心を落ち着かせようと試みるが、しかしそれでもやはり焦りは消えない。

何故なら、人員を増やすことはいつだって「賭け」でもあるからだ。

 

そしてその「賭け」に勝ててこそ、組織の成長へ繋がる。

でもこの「賭け」は単なる博打とは意味が違う。

「これまで築いてきた基盤」の上に立脚する、相応の自信と確信が「根拠」としてそこにある。

過去に見てきた「動くべき時に背中を押されても動けなかった経営者」の様になってはならない。

 

来年の今頃も「人手が足りない」と頭を抱えるくらいにならなければならないし、また必ずなれるはずだ。